朝鮮日報

発言が変化した尹美香氏「娘の留学費、夫のスパイ事件の補償金で」

 「共に市民党」の尹美香(ユン・ミヒャン)当選人は11日、「『兄妹スパイ団事件』の再審で一部無罪の判決を受けた夫の刑事補償金などを使って、娘の留学資金を準備した」と党に釈明した。

 これに先立ち野党圏は「子どもが米国に留学する場合、1年の学費・生活費は多ければ1億ウォン(約880万円)も掛かる。(しかし)尹氏の夫の年収は2500万ウォン(約220万円)ほどしかない」として、留学費用の出どころを明らかにするよう要求した。尹氏はかつてメディアとのインタビューで「奨学金を支給してくれる大学を探して進学した」と述べていたが、この日は夫の刑事補償金と損害賠償金を留学費用に充てたと主張したわけだ。

 「兄妹スパイ団事件」とは、1993年に反戦平和運動連合研究委員の金三石(キム・サムソク)氏とデパート従業員だった妹の銀周(ウンジュ)氏が北朝鮮のスパイに抱き込まれ、工作金の支援を受けるなどの活動を行ったとして起訴された事件だ。金三石氏は尹氏の夫だ。翌年、大法院(最高裁判所に相当)は兄の金三石氏に懲役4年、妹に懲役2年(執行猶予3年)の確定判決を下した。

 しかし、金三石氏と妹は、スパイ行為をしたことはないとして再審を請求し、大法院は2017年5月、金三石氏にはスパイ容疑はないとして、不法拘禁など国の不法行為があったと判断した。

 ただし国家保安法違反は認められ、金三石氏に懲役2年(執行猶予3年)が言い渡された。一部無罪となった結果、金三石氏は1億9000万ウォン(現在のレートで約1700万円、以下同じ)の刑事補償金を受け取った。また、18年7月にソウル高裁は、金三石氏と家族らが「スパイという烙印(らくいん)を押され、苦痛を受けた」として国を相手取って起こした損害賠償訴訟で、国に対し、金三石氏の母親、尹美香氏、尹氏の娘に8900万ウォン(約780万円)を支払うよう命じた。夫の金三石氏は05年に京畿道水原でインターネットメディアを創刊し、運営している。

 家族が受け取った賠償・補償は総額2億7900万ウォン(約2400万円)に達する。尹氏が党に釈明した娘の留学費用の内訳は、総額8万5000ドル(約920万円)ほどだ。

 具体的に尹氏は、2年6学期制度の米国の音楽大学院で1学期間に1万ドル前後の学費と生活費を払い、寮の費用として月1400ドル余りを支払っていたと党に説明した。

イ・スルビ記者
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