在留外国人が査証(ビザ)の更新などのために訪れる東京出入国在留管理局(東京都港区)で、屋外に長蛇の列ができている。新型コロナウイルス対策で入場を規制しているためで、来館者から「人が密集し、不安だ」との声が上がっている。
12日昼ごろ、東京入管の前で約70人が列をつくっていた。長さは約50メートルに及ぶ。職員が「距離を取って並んでください」と書かれたプラカードを掲げるが、近づいて話し込む人の姿も多かった。
バングラデシュ出身で、日本の工場で働くゴーシュ・アカシさん(27)は住所変更のため訪れ、4時間後に受け付けるとする整理券を渡された。「周辺に何もなく、話をしながら待つしかやることがないのでは。人が多くて少し怖いけど、仕方がない」と話した。
台湾出身で、フリーランスで働いている30代の男性は行列を見て驚いた表情を浮かべた。「こんなことになっているとは。他の場所でも手続きを可能にして分散した方がいいんじゃないか」
東京入管は4月上旬から同時に建物に入る人数を制限。整理券を配り、指定の時間に戻ってきてもらうことにしている。担当者は混雑について「来館者数が増えた訳ではなく、入場を制限した影響だろう」としている。
出入国在留管理庁は、新型コロナの影響による窓口の混雑緩和などを目的として3~6月に在留期限を迎える人について在留資格の更新申請を3カ月間猶予。12日には新たに7月に期限を迎える人も対象に加えた。