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【ドラニュース】

”師匠”松坂大輔と最後にキャッチボールをした証し…記念球の中に1つだけある白球は「若き中日左腕」にとって特別な意味を持つ

2020年5月12日 12時34分

松坂と最後にキャッチボールした白球(手前)を小笠原は大事に飾っている(本人提供)

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ドラゴンズ「蔵出し 先出し エピソード」

 ドラ番記者がためていた取材メモの中から話をひと足先に紙面で展開する「蔵出し 先出し エピソード」企画は今回が最終回。昨季までのドラ番で、今年もドラゴンズを取材する機会の多い長森謙介記者が、小笠原慎之介投手(22)の話を紹介する。

 名古屋市内のマンション。小笠原慎之介投手(22)は昨年末から1人暮らしを始めた。その一室に記念球のコレクションがある。初奪三振、初勝利、初完封…。きちょうめんに整えられた中に1つ、何も書かれていないものがある。一見するとただの練習球。だがこの白球が持つ意味は特別だ。

 「あの人と最後にキャッチボールした球なんですよ」

 昨年の最終登板(9月27日、マツダでの広島戦)を控えたナゴヤ球場での残留練習。左腕が歩みよったのはシーズン後に退団することになる松坂(現西武)だった。同じユニホームを着て行った最後のキャッチボール。時間にして約20分。その証しを大事に持ち帰り、飾っていた。

 竜でともに過ごした2年間、受けた影響は計り知れない。特に昨季。左肘、左肩痛で苦しんだとき、同じ境遇を知るレジェンドはけがとの付き合い方を伝え、治療院も紹介してくれた。春先からはキャッチボールのパートナーとなり毎日、技術とその思考を学んだ。後半戦から復帰し、3勝。その影にあった松坂の存在は「言葉で言い表せない」と語る。

 松坂がチームを去って迎えた今季。小笠原に求められるのは独り立ち。「いろんなことを吸収したい」とオフは精力的に動いた。年末にはドミニカ共和国のウインターリーグを見るために現地へ。さらに年明けにはオリックス・山本由伸と自主トレも敢行した。これまでとは違う自分を探し続けている。

 新型コロナウイルスの影響で開幕が延期。さらに「松坂さんと投げ合いたい」と心待ちにしていた交流戦の中止も決まった。胸に秘めた野望がかなうのは最も早くて今季の日本シリーズ。来年以降に持ち越したとしても成長の跡を刻むのはマウンド上。目指す気持ちは変わらない。

 

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