1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. Wの悲劇
  4. 『Wの悲劇』俳優と役の境界を超え、アイドル映画の究極として語り継がれる理由とは?
『Wの悲劇』俳優と役の境界を超え、アイドル映画の究極として語り継がれる理由とは?

『Wの悲劇』俳優と役の境界を超え、アイドル映画の究極として語り継がれる理由とは?

Index


「あまちゃん」で捧げられたオマージュ


 

「領収書! 領収書! 領収書!」


 NHK朝ドラ「あまちゃん」で、大女優の鈴鹿ひろ美が、付き人になった天野アキに言い放つセリフだ。同じ単語をこうして3回繰り返すのは、『Wの悲劇』の名セリフ「女優! 女優! 女優!」への明らかなオマージュ。前者は薬師丸ひろ子が「言う」セリフで、後者は「言われる」セリフという違いはあるものの、薬師丸という共通キャストだけでなく、大女優と新人という関係性など、「あまちゃん」と『Wの悲劇』はいくつもの要素でシンクロする。「顔、ぶたないで」など他にもオマージュのセリフはあるし、薬師丸ひろ子がサングラスをかける動きが2作でそっくり……といったマニアックな共通点もある。


「あまちゃん」で描かれるメイントピックの一つが「アイドル」。「アイドル映画」というジャンルの一角を担ったのが、薬師丸ひろ子。時を超えて、この両者が交わる瞬間を目撃できるのは、なんて幸せなことだろう。


『Wの悲劇』を「アイドル映画」と呼ぶのは、ちょっと違和感があるかもしれない。しかし、トップアイドルとして国民的人気をつかんでいった薬師丸が、角川春樹事務所時代での最後の主演作である『Wの悲劇』によって、アイドルから本物の女優へと鮮やかな変貌をとげた事実は、確かな記憶として人々の心に刻まれている。



PAGES

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

counter
  1. 『Wの悲劇』俳優と役の境界を超え、アイドル映画の究極として語り継がれる理由とは?