クリーミーでコクが際立つ、じゃがいものミルク煮スープ

じゃがいもを切って煮て、牛乳を加えるだけでできるのに、とてもリッチな味わいが楽しめるスープです。ベーシックなスープなので、肉や魚を加えたりアレンジもいろいろ。ぜひ、お試しください。

皮も使って、じゃがいもの香りをしっかり楽しむ

この味が嫌い、という人は少ないのではないでしょうか。じゃがいもを、ミルクの豊かな風味で味わうスープをご紹介します。ほんのり効かせるにんにくがポイントです。

牛乳は、使えば確実においしくなる便利な食材です。ちょっとうまみが足りないなというときに加えることがありますが、今日は牛乳がもうひとつの主役といってもいいぐらいたっぷり使います。じゃがいものでんぷんがミルクに混ざり、とろみがつくように、薄切りにして煮ていきましょう。

乳製品とじゃがいもの相性の良さは、野菜の中でもピカイチです。じゃがいもはちょうど新じゃがいもが出回っていますが、どんなじゃがいもでもできます。じゃがいもは保存もきき、牛乳も家に常備している方が多いのではないでしょうか。思い立ったらいつでも作れるスープがあると、何かあと一品!というときにも便利です。


じゃがいものミルク煮スープ

材料(2人分) 所要時間20分

新じゃがいも 3個(300g)
にんにく 1片
塩 小さじ1/2
胡椒 少々
牛乳 200mL
粉チーズ 大さじ1
水 約300mL

作り方

1.じゃがいもをむく
じゃがいもの皮をよく洗ってむき、スライサーで薄切りにする。にんにくは皮をむいてつぶす。★1

2.じゃがいもを煮る
じゃがいもを鍋に並べて入れ、じゃがいもの皮も端に寄せて入れる。にんにくを加え、水をひたひたに注いで塩を加え、中火にかける。やわらかくなるまで10~12分ほど煮込む。★2

3.牛乳を加えてあたためる
じゃがいもの皮とにんにくを取り出し、牛乳を加えて約3分、弱火で煮込む。★3
器に盛りつけて粉チーズと胡椒をふる。


レシピのポイント解説

・じゃがいもを切る
・じゃがいもを煮る
・牛乳の使い方

★1 じゃがいもを切る

じゃがいもは、今の時期は新じゃがいもが出回っていますね。柔らかくてみずみずしく、スープにも向いています。むいた状態で300gほどあるといいと思います。中ぐらいのじゃがいもで3つです。

皮をむき、芽があったら取り去りましょう。皮はこのあと使うので捨てないでください。
じゃがいもは5~6mmの薄切りにしますが、手で切るのが面倒な人は、スライサーを使うのがおすすめ。1個が大きい場合は、半分に切ってから薄切りにします。
にんにくもスライスしておきましょう。チューブの人は、それでもOKです。


じゃがいもは薄切りに。皮は捨てないで!


スライサーだとあっという間にじゃがいもの薄切りが完了!

★2 じゃがいもを煮る

深めのフライパンにスライスしたじゃがいもを並べたら、端を少しあけて、むいたじゃがいもの皮を入れます。じゃがいもの皮からも味や香りが出ますので、利用します。皮はあとで取り出すので混ぜないように。
にんにく、塩小さじ1/2を加え、最後に水300mLを入れます。鍋の大きさにもよるのですが、じゃがいもがちょうど隠れるか隠れないかぐらいの水量がよいので、それぞれで調節してください。


具材の頭がちょっと出るか出ないかぐらいが「ひたひた」の状態

このフライパンを中火にかけます。約10~12分ぐらい、じゃがいもが柔らかくなるまで煮ます。じゃがいもの上の方が水から出ているので、ときどき箸で動かして、上に出ている部分を沈めてあげてください。薄切りなので多少上に出ていても火は通ります。煮えたら、皮とにんにくは、とりだします。


約10~12分、じゃがいもを食べてみて柔らかければOK

★3 牛乳の使い方

ミルク煮スープという名前ではありつつ、実際には水で煮てミルクは最後に加えています。
というのは、牛乳は沸騰させすぎると、たんぱく質が変性してしまうからです。長時間煮込んだり、短時間でも強火で沸騰させたりすると、膜が張ったり、分離したりします。食べても問題ありませんが、口当たりも悪いので、牛乳を加えたら目を離さないように静かにあたためて分離を防ぎましょう。弱火にして3分ほどです。

牛乳のコクを利用したいので、低脂肪の牛乳ではなく、普通の牛乳を使ってほしいところです。低脂肪の牛乳や豆乳だとコンソメなど、少し何か加えたくなると思います。


牛乳を入れたら火を弱めて静かに煮る

牛乳の栄養価を見直そう

栄養豊富な食材、と言われてまず思い浮かぶほど、牛乳は栄養価にすぐれた食品です。たんぱく質、カルシウムだけでなく、ミネラルやビタミン、エネルギー源になる炭水化物や脂質などもバランスよく含まれています。子供たちの学校給食に牛乳が欠かせないのもうなずけます。

今、学校が休校になったため、牛乳の消費が落ち込んでいるそうですが、その分、家で牛乳をたっぷり使っていけばよいのではないでしょうか。何より健康な毎日のために、良いことですよね!


【アレンジ】肉やチーズでさらにリッチに!

コクのあるまろやかな味わいのスープは、肉なら鶏や豚などあっさりしたもの、魚の場合は鱈や鮭などが相性よしです。チーズもいろいろなタイプに変えてみると面白いと思います。どんどん具材を加えて大丈夫なスープなので、アレンジを楽しんでください。

ベーコン入りじゃがいもミルクスープ

ソーセージ、ハム、ベーコンなどの加工肉は手軽なうえに、じゃがいもとぴったりマッチしています。ここではベーコンを使ってみました。じゃがいもと一緒に煮込めば、ベーコンのだしをじゃがいもが吸っていい感じになります。

チーズ入りじゃがいもグラタンスープ

パンとチーズをのせて、グラタン仕上げにしてもおいしいです。ピザやグラタン用の溶けるチーズのほか、エメンタール、モッツァレラなどの単品のチーズを使ってもいいですし、ブルーチーズをほんの少し加えるとワインが合いそうです。さらにスパゲティを入れ、チーズたっぷりのじゃがいもスープパスタにするのも最高です。

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スープ・レッスン

有賀薫

野菜、お好きですか? おいしい旬の野菜を手に入れたら、ぜひシンプルなスープで味わってみてください。旬の野菜をたっぷり食べる、究極のベーシック・スープをスープ作家の有賀薫さんが教えててくれます。

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    コメント

    sadaaki これはぜったいおいしいやつ。にんにくをいれるのか、なるほど。 20分前 replyretweetfavorite