これは冗談で済ませておくわけにはいかない日本の悲劇であり、その悲劇性が端的な事例として国民の目に露わになったのが、今回のコロナ問題なのだと思います。国民の多くが安倍晋三氏(以下安倍氏)の抱える問題にもっと早く気付かなければならなかったと思います。その遅すぎた結果として国民の命が危険にさらされ、安倍氏のコロナ対策のいくつかは明らかに海外からも嘲笑され、それは最終的には安倍氏を国のトップとして選んだ国民の民度が問われることに繋がりかねません。
本書の中でまず、日本の歩むべき道の元々の誤りは1994年の小選挙区比例代表並立制の導入にあるとし、歴代政権の様々な失政をあげ、それが最終的に安倍政権につながり、安倍氏は「保守ではなく構造改革論者のグローバリストである」と一刀両断にします。さらにその安倍氏を支持するのは思考停止した大衆であり、加えていわゆる安倍信者と称される人たちの心理分析、さらになぜここまで政権の不祥事が続きながら支持率が下がらないのかをリップマンの『世論』を引用しながら分析します。
それに引き続き本書では安倍氏の問題として、言語能力・記憶力・倫理感・想像力・日本人としての真っ当な思想性の欠如等々を挙げ、それによって嘘や欺瞞、判断の間違い、犯罪に相当しさえする行為が行われたとします。具体的にはTPP、北朝鮮、北方領土、移民問題、防衛、細かく例を挙げると森・加計問題や辺野古の米軍基地建設等々において改竄・言葉の言い換え・文書の捏造、資料の隠蔽、言論統制が行われているとし、そしてそれはナチスのプロパガンダの手法そのものでもあるとします。
その後さらに安倍氏と安倍政権のあり方について様々な哲学者や思想家の言葉を引用しながら批判を深め、また安倍氏に近い人物たちについて手厳しく言及していきます。ただし残念ながら盛沢山すぎて紹介しきれません。
その他、著者と舛添要一氏による対談「ナチスと安倍政権」、「これまで安倍晋三がついてきた代表的な嘘一覧」などが載せられ興味深くかつ面白いです。
最後に一言、帯にあるゲーテの言葉「活動的なバカより恐ろしいものはない」は単に安倍氏だけではなく、昭恵夫人も指していると考えて宜しいと思います。要するにカラッポな似たもの夫婦なのです。
安倍氏の本質を知るためにぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。
- 単行本: 268ページ
- 出版社: ベストセラーズ (2020/4/21)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 458413961X
- ISBN-13: 978-4584139615
- 発売日: 2020/4/21
- 梱包サイズ: 18.6 x 13 x 2.6 cm
- カスタマーレビュー: 評価の数 13
-
Amazon 売れ筋ランキング:
本 - 6,017位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 70位 ─ 政治入門
- 目次を見る