B層とは、グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し、社会の「幼児化」を進めている人々。近代において発生した「大衆」の最終的な姿……。
このたび刊行された『日本をダメにしたB層の研究』より、「文庫版はじめに」を特別公開!
文庫版はじめに 参加したがる時代
もうダメです。
手遅れです。
わが国は完全に危険水域を突破し、崩壊への道を突き進んでいます。
あらゆる兆候がそれを示しています。
本書『日本をダメにしたB層の研究』が刊行されたのは民主党政権下の2012年。
民主党が下野したとき、「この3年間の暴政に対する根本的な反省がない限り、同じことの繰り返しになるだろう」と私は書きましたが、実際、民主党よりタチが悪い売国・壊国路線を突き進んでいったのが自民党安倍政権でした。
たとえば移民政策。
2008年、自民党の「外国人材交流推進議員連盟」(会長・中川秀直)は、50年間で1000万人の移民を受け入れる提言をまとめている。この議連は、安倍の政権復帰後に「自民党国際人材議員連盟」(会長・小池百合子)として復活。世界各国で移民に関するトラブルが噴出する中、「移民政策と誤解されないよう配慮しつつ」(安倍)、日本を多民族国家にするための工作に勤しんでいる。
外国人技能実習制度などの拡大解釈により、移民(主に中国人)受け入れのグレーゾーンを拡げる姑息なやり方ですね。
朝から晩まで「中国人は日本から出て行けー!」などと叫んでいるネット右翼みたいなのもいますが、そういう奴に限って安倍を支持していたりするのがマヌケなところです。
2013年に安倍は「(日本は)シンガポールに追いつき、できれば追い越したい」と発言している。要するに、外国資本と移民を呼び込み、外国人メイドに子育てをさせ、主婦を労働力として狩り立てるような社会を目指しているのでしょう。
かつては保守政党の要素を残していた自民党ですが、いまや完全に民主党よりデタラメな都市政党に変質してしまいました。家族の解体につながる配偶者控除の縮小・廃止を検討したり、農協に攻撃を仕掛けたり。口を開けばバカの一つ覚えのように「改革」を叫ぶ。
安倍は施政方針演説で36回「改革」と連呼しています。
改革すべきはその軽薄さである。