5/9の告白の日記念SS
12巻以降の八銀
原作に勝る告白はこの世に存在しませんが、別の『告白』を書いてみました。
3時間ちょっとで書き上げたので、荒っぽいのはご容赦下さい。
※5/10の16時頃、後半部分を加筆修正しました。
関東で「いっせーのせ」は関西では「いっせーので」なんだそうです。
「花火大会」は11巻発売直前に白鳥先生がTwitterで公開されていたショートストーリーより。
「アフタヌーンティー」はガンガンオンラインで公開中の『関ケ原人間将棋(リハ)前編 』より。
https://www.ganganonline.com/contents/ryuou/「ねえ、銀子ちゃん。そういえばさ」
「なに?」
「ずっと前から好きだったって言ってたけど、いつから俺のこと好きだったの?」
「ちょ、ちょっと、こ、こんな時に急に何言い出すのよ!」
「だって、気になるじゃん。俺がその…異性として特別だなって自覚したのは最近だけど、前からずっと特別ではあったし。銀子ちゃんはいつからなのかなって…」
「ううぅ…い、異性として特別?」
「そう。異性として特別」
「な、内緒!!」
「え〜教えてよ〜」
「そ、それじゃあ、八一はいつから、その…私のこと特別だって思ってたのよ?」
「うっ…え〜っといつからかなぁ?」
「八一が教えてくれないなら、私も教えないもん!」
「なら、教え合いっこして、相手より昔から『特別』だった方が勝ちで、明日の予定を決められるってのはどう?」
「え、でも私が『異性として特別』で八一は『普通に特別』だったら不公平じゃない?」
「う〜ん…だったら、差が一年以内だったら銀子ちゃんの勝ちでいいよ」
「むぅ…まあいいわ。それで妥協してあげる……じゃあ、始めましょ?」
「「…………」」
「銀子ちゃん、どうぞ?」
「言い出しっぺの八一が先でしょ?」
「「…………」」
「これ、後手必勝ね」
「先手の時期を聞いてから、それより遅い時期適当に言えばいいからね」
「「…………」」
「じゃあ、紙に書いて見せ合うのは?」
「交換して、『いっせーので』見る感じ?」
「そう」
「いいよ」
「紙とペン……いたっ」
「大丈夫?」
「へいき……あった。はい」
「ありがと」
「「…………」」
「覗かないでよ」
「覗かないよ」
「「…………」」
「書けた?」
「うん…まあ…」
「嘘、書いちゃダメよ?」
「いや、なんかこれ、勝った方が余計に恥ずかしくない!?」
「!!じ、自分で言い出したんじゃない!」
「そ、そうだけど!」
「じゃあ、交換しましょ」
「う…はい」
「「いっせーので」」
カサッ
「「…………」」
「や、やいち、ズルイ!!『清滝家の二階で初めて会った時』って!!そ、それじゃ勝てるわけないじゃない!!」
「ぎ、銀子ちゃんこそ『初めて会った年の花火大会』って4歳でしょ!?そ、そん時から『異性として特別』って、マセすぎじゃん!?」
「はぅ!?だって!あの時八一に何が欲しいか聞いたら、私が欲しいって言ったから!」
「へ?俺そんなこと言ってたの?」
「覚えてないの!?ばかばかばか!6歳の時から思わせぶりなんだから!!」
「記憶にないんだから、責められたってどうしようもないし!!」
「「はぁ、はぁ……」」
「ふぅ……まぁ、勝負は差が一年以内だから、銀子ちゃんの勝ちだね。明日、何かしたいことある?」
「……アフタヌーンティー」
「……梅田のリッカールトンの?」
「そう。前に奢ってくれるって言ってたのに、すっぽかしたでしょ?」
「そ、そんなこともあったような…じゃあ、明日…っていうか、もう今日か。何時くらいに行けばいいんだろ?」
「アフタヌーンティー自体は確か、11時から19時くらいまでやってるけど?生演奏してるとこの近くのいい席取りたいんだったら事前に予約しておく方がいいらしいわよ。でも今はあんまり目立ちたくないし、午前中に電話で端っこの目立たない席予約してから行けば、たぶん3時か4時くらいには席に着けるんじゃないかしら」
「詳しいっすね…それじゃあ、午前中には起きないといけないし、もう寝ますか」
「そうね」
「ほら、もっとこっちおいで?布団も毛布も一枚しかないんだから、離れてると風邪ひくよ?」
「そ、そうだけど…やいちに腕枕されるの初めてだし…なんか、恥ずかしい…」
「そうだっけ?子供の頃はよく手を繋いで寝たりしたけど。ああ、桜ノ宮では抱き枕だったし、指一本でも動かしたら通報されるから、したことなかったか」
「そ、その割には、頭撫でたりしてたじゃない!」
「うぐっ…」
「夜中とかに起きると、なぜかいっつも抱っこされてたし!」
「き、気付いてたのに、黙ってされてたのは銀子ちゃんでしょ!?」
「はぅ!?ううっ……」
「はぁ…俺が言うのもなんですけど、桜ノ宮ん時はお互いどうかしてたんですよ…」
「そ、そうね…」
「とりあえず、もう遅いし、こっち来て…早く寝よう…」
「ん…おやすみ……」
「おやすみ……」
fin