【悲報】引きこもりのワイ、里から追い出される。誰か助けて。【所持金0】 作:ケンブリッジ明夫
お嬢様口調・・・難しい・・・・難しくない?
一応日記にも書いてないホテルでの孝太郎君の様子も書いているのでお楽しみ頂ければ幸いです。
孝太郎さんと過ごす日々はとても楽しく、今までの逃亡生活とは比較にならない程、生き生きとした日々ですわ。
孝太郎さん自身も私に居場所を与えてくれるだけでなく、役割をくれてきちんとそれを認めてくれる。
魔眼のことを言っても別に私を特別視したりすることなく、いつも通り接してくれる優しい人。
魔眼で見れば彼の思いやりや私を必要としてくれているという感情の流れが私に向かって流れてるのが見えますわ。
両親に大事にされていたとはいえ、秘匿されていた私にとってみれば魔眼関係なく私と心を通わせてくれた初めての人。
・・・・ただ、最近は少しギクシャクしていますの。
それは私もびっくりしましたが彼自身の任務先の女性の痴態も関係あるかもしれませんわ。
ある日私が腕を上げて伸びをした際に起きましたわ。
「・・・・ッ!」
「・・・あ、ご、ごめん・・・・」
「い、いえ謝らなくても結構ですわ・・・・」
彼が私の腋を見て発情していましたの。
魔眼を持つ私には彼のその感情の流れが私の腋に絡みつくように向けられていたのがありありと分かりますわ。
咄嗟に腕を下ろして孝太郎さんを見ると、呆けた顔からハッと我を取り戻したのか彼はおどおどと私に謝りましたの。
そんなことがその時からそのような視線が私に度々向けられましたわ。
そして私に見られる度に彼は申しわけなさげに謝りますの。
私自身、逃亡生活中でもそのような視線を向けられることは度々ありましたわ。
その度にその人を避けて、襲われた場合は風の流れを弄って吹き飛ばしてましたわ。
ただ彼に対してそのようにしないのは、彼はそのような人とは違うからですわ。
自らが欲情したことを恥じて、罪悪感を抱き、なんとかそれが出ないようにと悩んでいる。
今までの恥知らずにも隠すこともなく剥き出しの劣情をこちらに
向けていた有象無象の男どもとは違う。
彼がいつも飲んでいる薬の効能などの説明書や診断書からも分かるように彼は自身の性欲をコントロール出来なくなっていると考えられる。
屋敷で見た本で知った、捕らえた人に改造を行うなどの手法が魔族の間で取られていることや彼自身の自然では有り得ない力の流れの不自然な停滞などから、彼は何者かに改造されて性欲を抑えられなくなっていると断定できる。
本当は改造による効果であり、自分は悪くないのにそのことを恥じて、相手の為に自分をなんとか律しようとする哀しくも健気で高潔な姿勢は称賛に値すると言ってもいい。
だからこそ私は彼を深くは咎めませんし、なんならそのような感情を向けられることも嫌ではありませんわ。
ただ深夜に彼が私に気づかれないようにトイレに行く様を見て、可哀想だなとも私のせいであんなにも苦しんでいるのだと申し訳ない気持ちになりますの。
私になにか力になれることがあれば・・・・
自然とそう思うようになっていましたわ。
だからこそ私はあの時ほど自身が魔眼を持っていてよかったと思ったことはありませんわ。
ある日、扉の向こうからとてつもない悪意と敵意を感じた。
そして扉が開かれる前に・・・・
「・・・・ッ!!」
風の流れを変えて、扉ごと誰かを吹き飛ばしましたの。
「ちょっ、ナドラ・・・・いきなり何を・・・・・」
「誰か・・・・いますわ。孝太郎さん、あなたを狙って!!」
私がそう言うと孝太郎さんはいつも書いている日記と飲んでいる薬を鞄に入れると、外に出て下を見る。
私も後に続いて見ると、そこには一度押し入れの間からではあるが、見た女性が倒れている。
孝太郎さんの話によれば同僚的な立ち位置の人らしい。
「マジかよ・・・・まさか・・・・・裏切り・・・。」
孝太郎さんは倒れているその人がクナイを握っているのを見て、茫然と呟く。
その人は起き上がるとクナイを此方に投げてくる。
「ッ・・逃げるぞ!!」
孝太郎さんはしゃがんでクナイを避けると隣の私の手を取って階段を下りていく。
そしてバイクの方へ駆け出すと、同時にその人が孝太郎さんに肉迫する。
「・・・ッ!アンタ、裏切ったのかぁ!!」
「おかしいわね。あなたは何の忍術も使えないと聞いたのだけれど。」
女はナドラの放った風を孝太郎の放った忍術であると誤認したまま、攻勢に出る。
女の繰り出した拳を腕で防ぐも、腹を蹴り飛ばされて地面に転がる。
そして女は腰に着けていた銃を孝太郎さんに向ける。
「・・・あの時さっさと帰らなかった自分を恨みなさい。」
そう言うと引き金に指をかける。
しかし夏鈴にとっての最大のミスはもう一人の存在を知らないことだった。
突然横薙ぎから強風が吹いて、夏鈴の手元がブレる。
そして弾丸はあらぬところを撃ち抜くのだった。
ナドラが横から風で妨害したのだ。
「あれは・・・ダークエルフ・・・!?」
「孝太郎さん!目を閉じてくださいまし!!」
そう言うと腕を横に払い、それに呼応して風が地面を吹き荒び、砂煙で周囲は見通しが悪くなる。
言われた通り目を閉じると腕をナドラに持たれ、立ち上がらせられる。
「早くバイクにっ!」
「そ、そうだな・・・・」
ナドラに急かされるままにバイクに駆け寄り、跨る。
ナドラも後ろに乗ると、孝太郎はバイクに声を掛けた。
「行くぞバルデッシュ、セットアップ。」
『YES Sir. set up』
その音声と同時にエンジンがかかる。
エンジンを吹かして、バイクを発進させた。
「・・なにっ!?」
砂煙が晴れた瞬間、バイクが自分に向かって発進し、咄嗟の出来事から避けることも出来ずに撥ねられる夏鈴。
そして彼らはその場から無事生きて逃げることが出来たのだった。
私たちが逃げた先はなんかお城みたいなホテルでしたわ。
急に泊まろうとしても既に部屋がいっぱいの事もあり、そこしかありませんでしたの。
入口の前で孝太郎さんがまるで苦虫を噛み潰したかのような顔で足を止めていましたわ。
まぁ結局背に腹は代えられないと呟き、私にここでいいか聞いて、私が良いと答えると中に入り、チェックインしましたの。
部屋の中で孝太郎さんはどこか凹んだ様子でしたので、話を聞くことにしましたわ。
「どうか・・・しましたの?」
すると孝太郎様は言うか言うまいか迷いを見せた後、言葉を口にしました。
「・・・いや、なに。さっきもそうだけどいつも誰かに守ってもらってばっかりだなって。昔からいつも馬鹿やって気にしないようにしてたけど、たまにすごくさ自分の無力さを再確認させられるような、そんな時があるんだ。・・・まぁナドラには関係ないことだけどな。」
そう自嘲しつつも、話す孝太郎さん。
そんな孝太郎さんを見ていると自然に言葉が口を衝いて出ましたわ。
「弱いだなんて・・・そんなことありませんわ。孝太郎さんは私を助けてくれましたの。そんなあなたが弱い筈、ありませんわ。」
私が彼の目を真っすぐ見つめて告げる。
すると彼は照れたような困ったような顔をして笑う。
「そう言ってもらえるのはうれしいけど、事実君が居なければあの時死んでいた。」
彼はあの時の事を言っているのだろう。
でも、確実とはいえないが、私には彼の悩みを解消することが出来る術を考え付いていた。
「私はあの時、あの夏鈴さん・・・でしたか?あの人を見た時に孝太郎さんの体に停滞している力が孝太郎さんよりも力が弱いですが、体を巡回しているのが見受けられました。そして普通の人にはそれがなかった。」
そう言うと孝太郎さんはなんとなくであろうがボソと呟く。
「多分対魔粒子のことかな?普通の人にはないだろうし、俺はそれを活性化させる薬を仮面女に飲まされたからなぁ。」
どうやら彼は性欲や性器のことで悩む原因である改造を施した人物の事を思い出しているようだ。
「孝太郎さん、あの人の体の対魔粒子は巡回していますが孝太郎さんの対魔粒子?はその・・・股間に集まったまま停滞している、つまり機能不全を起こしていると考えられますわ。もし、私の魔眼の力で対魔粒子を巡回させればもしかすればあの方と同等、いやあの方よりも力が大きい分、それ以上の力を発揮させることが出来るかもしれません。」
そう私が言うと彼は私の話に食いつく。
「それは・・・・本当か・・・?」
「えぇ。いけると思いますわ。私を・・・信じて頂けますか?」
そうナドラが言うと孝太郎は逡巡した表情を浮かべた後に、頷く。
「・・・・頼む。やっぱ強くなれるなら強くなりたいし、それに・・・・いつまでも対魔粒子が詰まったままだとなんか老朽化したポンプみたいで気分が良くないしな。」
そう冗談めかして言う。
「それでどうするんだ?」
孝太郎がそう言うと、ナドラは顔を赤くしつつ答える。
「その・・・体内の流れを弄るとなると直接触る必要がありますわ。・・・だから。」
そう言ってナドラは手を伸ばして股間を触る。
孝太郎は鳩が豆鉄砲を食らったような呆けた顔をした後に股間を見て呟く。
「・・・あの、そこ股間だよね?」
「触る必要がありますの。」
そう呟くとナドラは集中する。
孝太郎の股間に集中している力を体全体に巡回させようとするも、力自体が強大な為に少しずつでしか力が流れていかない。
長く股間を掴んでいるので必然的に股間を揉むような形になる。
それに・・・・孝太郎が長らく性欲を解消出来ておらず、それに加えてナドラが前のめりで股間を揉んでいることもあり、彼の目線が胸元や尻、唇など吸い寄せられていることが手に取るように分かる。
魔眼を持つナドラには孝太郎の欲望が自分に向けられて、最高潮になっているのを感じる。
(私のことしか考えていないのですね・・・・なんというか、そこまで欲情されると・・・私も昂ってしまいますわ・・・・)
孝太郎の向けられる欲望を感じるにつれて体が熱く、なにかがあふれ出すような感覚と共に汗が吹き出し、下腹部がむず痒く感じる。
そして流れたのを視認すると同時に、ナドラが孝太郎に声をかける。
「はぁ・・はぁ・・・流れましたわ・・・・・。」
「お、おう・・・・ありが、と・・・んむっ!」
孝太郎がお礼を最後まで言い切る前にナドラが孝太郎の唇にしゃぶりつくようにキスをする。
「んっ・・・んむっ・・・んちゅ・・・ぷはぁっ、な、なにを・・・・!?」
「はぁ・・・はぁ・・・私、魔眼で見えていましたの、今まで孝太郎さんから向けられている劣情・・・・」
そう言うと孝太郎は顔を青くする。
当然だ、なんとか抑えようと完全には悟られまいと思っていた感情をその当人に感じ取られていたのだから。
「そ、それは・・・いや、だったら猶更なんで!?」
理解できないと言わんばかりに声を上げる孝太郎を見て、愛らしい子供を見るかのようにナドラは微笑する。
「孝太郎さんがいつもいつもそれを抑えようとするから・・・私もいつも我慢していたのでしてよ?あなたが私をすぐ襲うような下賤な殿方であれば楽だったのに・・・あなたが良い人だったから・・・。私もあなたに当てられてこんなにも興奮してしまっていますわ。」
まるで見惚れるような表情で孝太郎に詰め寄る。
「だ、ダメだ・・・・こ、こんなこと・・・、本当に好きな人とじゃないと・・・」
「私は、今まで会った殿方の中で一番あなたをお慕い申し上げておりますわ・・・・。」
そう言って服を脱ぎ、胸を顕わにする。
孝太郎は何も言えずに息を呑んで、胸を凝視する。
「私じゃ・・・ダメですの・・・?」
そう上目遣いで見つめてくるナドラ。
すると股間に手を触れて、笑みを浮かべる。
「ふふっ・・・口では拒んでも体は正直ですのね・・・・。」
そういってゆっくりと孝太郎のズボンを脱がし始める。
そうして孝太郎の孝太郎が顕わになり、ナドラが孝太郎に覆い被さったことを皮切りに、彼ら二人の夜が始まった。
孝太郎の初めてはこういう経緯で散ってしまいました。
なんだナドラ興奮してんじゃねぇかよぉ!とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、そもそもRPGでのナドラの回想シーンは自身の魔眼の力で男達の欲望の影響を受け気絶、捕獲されて、鏡の前で拘束されて犯され、魔眼による欲望の影響もあって快楽堕ちなのでホテルでの積極的な行動は孝太郎の欲望に影響を受けたのですね。
初めて会った時のナドラも孝太郎が来なければ回想シーンのようになってたと思います。
孝太郎君はナドラに助けられることでちょっと里での劣等感や無力感を想起してホテルでちょっと凹んでますね。
まぁすぐにナドラと性的に致すことになってそれどころじゃなくなるんですけど。
そのことが孝太郎の強化に繋がります。
ていうか孝太郎、女性から来ているのに最初拒もうとするとかヘタレなんすね~。
というより本当に好きな人とじゃないとダメとか言い出す時点で乙女だってはっきりわかんだね。
次回は今度こそ孝太郎目線の小説形式か、掲示板民目線の掲示板形式になると思います。
これからも更新頑張っていくので最後までお付き合い頂ければ幸いです。