【ソウル=名村隆寛】慰安婦問題で日本政府に謝罪や賠償を要求している「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」に対し、挺対協から“支援”されているはずの元慰安婦の女性が、韓国メディアとのインタビューで「当事者(元慰安婦)の意見も聞かず、日本との協議を拒否している」と強く批判している。
元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さん(86)は、最近発行された週刊誌「未来韓国」の中で「日本が話し合おうといっているのに。会わずに問題が解決できようか」と挺対協のかたくなな姿勢を問題視した。また、挺対協が在韓日本大使館前での毎週行っている抗議集会について「何のためにしているのか分からない。ただ、『謝罪しろ』『賠償しろ』と叫んで集会の回数をこなせばいいというものではない」と疑問を呈した。
李さんはさらに「なぜ自分たちの思うままにやるのか分からない」と挺対協の独善的な姿勢を問題視した。「抗議を毎週やれば性格も態度も悪くなり、健康にもよくない。挺対協の人たちは闘争家の側にいるようだ」とも批判した。
一方、「証言は私の命同然なのに、挺対協は本人に確認もせず、事実とは異なる証言集を出した」と挺対協の情報収集のずさんさも指摘。「静かな場所で証言を聞かねばならないのに、食事をしながら問答したのが大部分。そのために、(自分の)証言にはめちゃくちゃになったものが多い」とも語っている。