TVCの神セブン！ 「TVチャンピオン」を盛り上げた伝説のチャンピオン7人を紹介

ギョギョ！のさかなクン、ラーメン王の石神秀幸、大食いの赤阪尊子...この人たちの共通点は？

そう、彼らはテレビ東京を看板番組「TVチャンピオン」のチャンピオンたち！ この伝説が12年ぶりに復活し、「TVチャンピオン極～KIWAMI～」として2018年4月よりBSテレ東、テレビ東京で放送中だ。

「テレ東プラス」では、番組立ち上げから黄金期を支えた、元チーフプロデューサーの多田暁氏を直撃！ 誰よりも「TVチャンピオン」を知り尽くした男"TVチャンピオン王"による、知られざる裏話などを月イチ連載でお届けする。

第二回は、伝説のチャンピオンの中でもひときわ印象に残る7人「TVC(TVチャンピオン)神セブン」を紹介する。

TVチャンピオン王が選ぶ！「TVC神セブン」

さかなクン/全国魚通選手権

「出場者の応募ハガキに、あのおなじみのタッチのイラストと『お魚が大好きです』と書いてあったのが印象的で、『これは！』と思って連絡を取りました。そう、さかなクンを発掘したのは、実は僕なんです(笑)。
当時は高校2年生で、制服でロケ現場に来てくれました。初出場の第2回大会は決勝で惜しくも敗退したのですが、キャラクターがとてもいいので再出場していただき、そこから5連覇を達成。先日、久々にお会いしましたが、今も全く変わってないですね。
ちなみに"さかなクン"の名付け親は中村有志さんです」

"池田貴公子"こと池田浩彰さん/甘味王選手権

「『甘味王選手権』で活躍した選手。柴門ふみさんも漫画の一コマとして取り上げてくださいました。
お菓子のことを『僕の愛する○○たち』と、自分の恋人みたいに呼ぶんです。いつも毛皮やゴージャスな服を身に着けていて、中性的な魅力がある人でした。いつも貴公子然としていて上品なのに、勝負になると和菓子を口いっぱいにこじ入れて早押しボタンを押す池田くんの姿が今も忘れられないですね。」

赤阪尊子さん/全国大食い選手権・甘味大食い女王選手権など

「赤阪さんはTVチャンピオン最大の功労者かもしれません。エピソードを語り始めたらキリがない！
例えば、『世界大食い選手権』の時に『お米が食べたい』と空港に電気釜とおひつを持ってきたり(笑)。ラウンド残り1分でお腹が『ギュルギュル』鳴ったときは、中村有志さんは恐怖を覚えたとおっしゃってました(笑)。また、残り30秒で赤阪さんの鼻から、蜜豆の豆がポーンと飛び出したこともありました(笑)。
北海道で赤阪さんと小林尊さん、岸義行さんが決勝でラーメン勝負をした時に(※1)、いよいよ佳境というタイミングで、無我夢中になっていた赤阪さんのメガネがどんぶりにイン(笑)。これには横にいた小林さんも大爆笑。大食い番組史上最大の名場面でしたね」

※1:「全国大食い選手権スーパースター北海道かぶりつき激闘編」2000.11.30放送

原口高陽さん/手先が器用選手権

「番組側が勝手に"オタッキー原口"と呼んでいました。本職はプロモデラー。ミニ凧職人の神野哲也さんが最大のライバルでした。手先が器用のロケは成功するまで何日も何日も撮影が続きます。いつも慎重に真剣に戦って最後にやり遂げてくれる粘り強い人です。
5ミリのサイコロを何十段も積み上げる対決で、彼だけはサイコロが崩れても一切キレずにコツコツと積み直していた姿を覚えています。『手先が器用選手権』を盛り上げてくれたTVチャンピオンの功労者ですね」

山田卓司さん/全国プロモデラー選手権

「この人の創り出す、繊細な昭和のノスタルジーの世界はすばらしい！ 『引っ越しの日』をはじめとして、心に残る作品を作ってくれた方で、何度も優勝されています。プロモデラーという職業をメジャーにしたのは山田さんの功績が大きいと思います。
余談ですが、プロモデラー選手権は部屋に缶詰になって1日2日と制作に没頭するので、『どうしても部屋がセメダイン臭くなる』と選手もスタッフもみんな口を揃えて言っていたことも印象的ですね(笑)」

高橋弘光さん/和菓子職人選手権

「出場した時はすべて優勝、優勝回数も番組史上6回と最も多い凄腕の職人さんです。TVチャンピオンが番組歴代最高視聴率を記録した『第2回 全国選抜和菓子職人選手権』(1993.10.21放送)のチャンピオンでもあります」

神谷哲史さん/全国折り紙王選手権

「天才ですね。今や日本を代表する折り紙作家のひとりとして、作品集を出版したり、ニューヨークで展覧会をされたりしています。確か初登場の時は高校生だったと記憶しています。折り紙って、すごく緻密な世界ですよね。神谷さんが折り紙で作る動物や昆虫の作品は本当に芸術的で美しいですね」

「他にも印象的なチャンピオンはたくさんいました。ちなみに某局の劇的にリフォームするあの番組の"匠"は、TVチャンピオン出身者が多いです(笑)。ガーデニング王4連覇の金井良一さんも。今回7人に絞るのはとても厳しかったです。

ほかにも、職人さんだったらペーパークラフト王の大熊光男さん、寿司職人の川澄健さん、世界的に活躍する特殊メイクのJIROさん、ダンボールアート王の篠崎均さん、『ケーキ職人選手権』チャンピオンの小山進さんは今や"コヤマロール"有名ですね。ラーメン職人、一風堂の河原茂美さんも海外に進出されました。通ものではラーメン王の石神秀幸さんも印象深いですね。

TVチャンピオン出身者は本当に多方面で活躍されています。過去のチャンピオンは現在放送中の『TVチャンピオン～極～』に審査員で登場されることも多いので、番組を見ていると『懐かしい！』と思いますね」