旬のアスパラと豚のうま味「アスパラと豚肩ロースの炊き込みご飯」

先週に続きアスパラを使ったレシピをご紹介。今回は馬田草織さん得意のご飯料理。この一皿で、食事にも酒のつまみにもなる便利なレシピです。

cakes読者のみなさま、こんにちは。

いつもと違うこの生活、意識しないと曜日感覚がなくなりそうですね。だから週末はできるだけパソコンを閉じ、こんなときじゃないと作りそうにないものを、小6の娘と試しています。

粉をこねて皮から餃子(目指すは幡ヶ谷のニイハオ!)、肉だね作って焼売(レシピは代々木上原ジーテン吉田さんの本「蒸すって、おいしい」より)、何年振りかのにんじんケーキや、自分のレシピで大きなポルトガルプリンなど、その日の思い付きで。一緒に作ると、食べるときの子どもの様子が全然違って面白い。上手くいったのいかないの、今度はあれを入れようなどと結構自分なりに分析したりしています。平日は余裕がないからムリだけど、週末なら私も慌てずに、イライラ抜きで遊び感覚になれる。普段の暮らしでは週末でも腰が重くてできなかったので、これはこれでいい機会だなと思います。

あと、最近はInstagramやYouTubeで、有名店のシェフたちが料理を作りながらコツを教えてくれるという出血大サービス動画が増えていますが、なかでも私が驚いたのは、兵庫県三田市の「パティスリー エス コヤマ」小山進シェフの個人アカウントにアップされる、お菓子作り動画。お菓子の世界に御縁のある方なら知らない人はいない小山シェフが、実際に手元をしっかり見せながら、シフォンケーキやバスクチーズケーキなどみんなが知りたいお菓子を丁寧に解説してくれるのです。それだけでもすごいことなのに、さらにしびれるのは、みんながコメント欄に書き込む質問にも具体的に答えてくれるきめ細やかさ。まさに神対応とはこのこと。この動画を見ているだけで、自分が何か素敵な仕事をしたような気持になるのはどうしてだろう。完全に気のせいなんだけど。

一方で、これだけ家で料理することが続くと、モチベーションにも波が出ます。全く料理したくない時だってもちろんあります。そんなときはいっそ作らずに、専門店から取り寄せた冷凍餃子(私の定番は宇都宮の正嗣)を茹でたり焼いたり鍋にしたり、買い置きの肉まん(私の定番は551蓬莱の豚まん)を蒸したり、あるいは近隣の店からデリバリーを頼んだり。そんな感じで日々を過ごしています。作りたいときは楽しく、面倒なときは適当に。料理以外で疲れることが多いんだから、料理ぐらい好きにしたいもんです。それにしてもうちのごはん、全体的に餃子が多めかもしれないってことに、いま気が付きました。

と、これからご紹介する料理とは全く関係のない、近況報告みたいな話をしてしまいました。最近話し相手が少ないので、連載も独り言みたいになったようです……。

今回は引き続き、旬のアスパラを使ったレシピをご紹介します。いつもとちょっと違う料理を作ろうかな、という気分の時に、ぜひ試してほしい。大人も子どもも喜ぶ、なおかつ呑める路線です。合わせるワインは、通販でも買えるポルトガルのヴィーニョヴェルデです。

肉と野菜が入ったごはんものなのでこれ一皿で食事にもなるし、晩酌しながらアスパラつまんだり、肉をつまんだりして、最後にご飯を一気に食べても。アスパラのゆで汁がだしになっていて、ワインヴィネガーが隠し味です。ごはんにもち麦を加えるのは、仕上がりがぱらっとして食べやすいから。食物繊維やミネラルも同時に取れるので、体も喜びます。私は普段のごはんにももち麦をたっぷり入れる派です。

では、パパッと作っていきましょう。

Menu do dia 本日のメニュー

「アスパラと豚肩ロースの炊き込みご飯」

材料(2人前)
アスパラ 4本
豚肩ロースかたまり肉 200g
米 1/2カップ+もち麦 1/2カップ
玉ねぎ 1/2個
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ2
白ワインヴィネガー 大さじ2
水 300cc
塩、黒こしょう 各適量

つくり方

アスパラは下のかたい皮をむき、根元のかたい部分を切り落として長さを三等分する。玉ねぎとにんにくはみじん切りする。豚肩ロース肉は大きめのひと口大に切って軽く塩を振る。

鍋に水を入れ塩少々を加えて沸かし、アスパラをむいた皮ごと入れてかために茹でる。ざるに上げて自然に冷ましたら、食べやすい大きさに切る。茹で汁は取っておく。

鍋を温めてオリーブオイルをひき、下味をつけた肉を中火で焼き付ける。

焼き色が付いたら一旦肉を取り出して火を止め、玉ねぎとにんにくを入れて鍋肌についたうまみを絡めながら混ぜる。再び中火にかけ、しんなり透き通るまで炒める。

肉を戻し入れ、ワインビネガーを加えて酸味を飛ばしながら炒め、米と押し麦を加えて全体を軽く炒め合わせる。

米の表面に油がまわったら、アスパラのゆで汁を加える(300㏄より足りない場合は水を足す)。味を見て塩で調え、ふたをし、沸くまで2~3分強火にかける。沸いたらごく弱火に落として8~10分炊く。

火を止めて一度全体を軽く混ぜ、茹でたアスパラを上に散らす。蒸気が米に落ちないように布をかませ、ふたをしてそのまま5分蒸らして完成。

器に盛り、黒こしょうをがりっと挽いていただきましょう。

さてさて、一緒に何を飲もうかな。

今回アスパラご飯と合わせたのは、ポルトガル北部のミーニョ地方で作られている緑のワイン、ヴィーニョヴェルデ。通常はシュワシュワと微発泡のものが多いのですが、今回は発泡しないエレガントなタイプ。ヴィーニョヴェルデ地方で唯一の高貴品種アルヴァリーニョを100%使用し、柑橘や花のような豊かな香りとふくよかな果実味があります。淡白な鶏や豚肉とも相性が良く、上品でキレのある酸が、初夏の気候にもよく合います。ラベルの色も、5月を思わせる緑がかったブルーがきれい。

「QMアルヴァリーニョ2019」2090円(税込)

それでは、肉やアスパラの旨味たっぷりのご飯と、香り華やかで上品な酸のヴィーニョヴェルデ白で、良い週末を!



馬田草織さんのnoteはこちらです!

ケイクス

この連載について

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ポルトガル食堂

馬田草織

ポルトガルや南蛮絡みのエピソードが大好きな編集者・ライターの馬田草織さんが、仕事現場や旅先、日常で気になった食のサムシングと、それにちなむおつまみ&ぴったりなお酒を月替わりでご紹介していく、家飲みも外飲みも楽しむ人へ捧げる至福のほろ酔...もっと読む

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    yamanishifarm とんでもないものを教えていただいてしまった…これだ。 明日やる… https://t.co/7fJuZM6ve8 27分前 replyretweetfavorite

    agyrtria きゃーきゃーw⇨ 約7時間前 replyretweetfavorite

    atm_02 アスパラんまほー。旬八にあるかな https://t.co/CcwNvYBqQp 約7時間前 replyretweetfavorite

    saoribada https://t.co/uRUeSe10R3 これ一皿で食事にもなるし、晩酌しながらアスパラつまんだり、肉をつまんだりして、最後にご飯を一気に食べても。アスパラのゆで汁がだしになっていて、ワインヴィネガーが隠し味です。 |馬田… https://t.co/TxjVdQW4IG 約8時間前 replyretweetfavorite