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読めないニックネーム(再開版)

世の中の不正に憤る私が、善良かもしれない皆様に、有益な情報をお届けします。単に自分が備忘録代わりに使う場合も御座いますが、何卒、ご容赦下さいませ。閲覧多謝。https://twitter.com/kitsuchitsuchi

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『人体六〇〇万年史』から学ぶ健康法、優生神智学の誤り、上手な身体操法 

今回も短め。

『人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病』を
私がたまにRTする御厨鉄@mikuriyatetsuさんが紹介していたので読んだ。
この人のブログも面白い。



(狩猟採集民の歯には虫歯がないが、
新石器時代の農民は虫歯が11か所あるという画像)


(リーバーマン 人体600万年史)


(エデン追放の聖書の個所の続く記述
”この神の裁定を読めば、エデンの園からのアダムとイブの追放が、
ミスマッチの本当に大きな最初の原因の比喩なのだと気づかずにはいられない。”
下巻p.10)





ここからダニエル・E・リーバーマン『人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病』の
本文メモ
上巻


p.24から
進化とは、時間を経ての変化という、ただそれだけのことである。

(p.316 原注
7.自然選択は、ときに「適者生存(survival of the fittest)」と呼ばれることもある。
ただし、ダーウィンがこの言葉を使ったことは1度もなく、
本来なら「より適した者の生存(survival of the fitter)」と比較級で呼ばれるべきだろう。)

(進化という単語は誤解をもたらし悪影響が猛威を振るっているので
適応変化や適化や対応変化という名前のほうが適切では?




あなたの身体には、何千もの明らかな「適応」(適応的な特徴)がある。

たとえばあなたは、耳垢のことを役にも立たない煩わしいものと思っているかもしれないが、
こうした分泌物は、じつは耳が病原菌に感染しないように守ってくれている、
ありがたいものなのである。

ある適応がなにゆえ真に『適応的』なもの
(すなわち、個体の生存能力と繁殖能力を高めるもの)となるのかは、
たいていの場合、背景事情に依存する。

色の薄い皮膚は、日焼けの防御にはならないが、
冬のあいだの紫外線放射が少ない温帯の生息環境で、
皮膚表面化の細胞が十分なビタミンDを合成するのを助けてくれるので、
その点において適応的なのである。

適応というのは本質的に、
あなたが個体群のなかで他の個体より多くの子を持てるように働く特徴のことだから、
適応を残すための選択が最も強力となるのは、
あなたの生き残れる子孫の数が最も変動しやすいときということになる。
あけすけに言えば、適応が最も強力に進化するのは、形勢が不利なときなのだ。
一例を挙げるなら、
あなたの祖先は約六〇〇万年前から果実を主食としていたが、
だからといって、彼らの歯はイチジクやブドウを噛むのに適応するだけでは済まなかった。
まれにとはいえ深刻な旱魃が起って果実がほとんど手に入らなくなったなら、
大きくて分厚い臼歯を備えた個体のほうが、
ごわごわした葉や茎や根などの望ましくない食物でも噛み切れたから、
自然選択において大いに有利だったことだろう。

適応には、その利益に見合ったコストもかかる。
何かを得れば、別の何かはあきらめねばならないのである。
しかも条件はつねに変わるので、変異の相対的な費用便益も事情に応じてつねに変わる。

妥協の一つの帰結として、自然選択は実質的に、完璧には到達できない。
なぜなら環境がつねに変化しているからである。

したがって、各個体の適応というものは、時々刻々と変化する果てしない妥協の連続の
不完全な産物なのだ。
自然選択は着実に生物を最適の方向に押しやるが、
最適にはほぼ永久に到達しえない。

人間の歯は、果実を噛むことにすばらしく適応している。
それは私たちが果実を主食としていた類人猿から進化したからだ。
しかし一方で、私たちの歯は生肉を噛むこと、とりわけ野生の鳥獣の固い肉を噛むことにかけては
きわめて能率が悪い。
だがのちに、私たちはほかの適応を進化させ、
石器を作ったり調理したりする能力も獲得した。


生物はどれ一つとして、
最初から健康で長命で幸せに生きられるよう適応したわけではなく、
そのほか人が必死にめざしている多くの目標にしても、
それをかなえるために適応を果たした生物は皆無。
適応とは、自然選択を通じて形成される、
相対的繁殖成功度(適応度)を高める特徴のことだ。
結果として、健康や長命や幸福を促進するように適応が進化することもあるかもしれにないが、
それはその資質が、
『個体がより多くの子を生き延びさせられるようにすることに資する場合に限って』なのである。

つまり善悪なんてものは無関係。
善悪という価値観も適応の一つだろう


p.35
インスリンは血流から糖を追い出して脂肪として蓄積させるホルモンだ。
必要以上の血糖は有毒。

p.78から
二足歩行の不利な点。
二足歩行だと妊娠すると重心が前に大きくずれるため転びやすくなる。
疲れるけれども背筋をもっと収縮させたり、
重心が腰の上に戻るように背中を反らせたりする。
自然選択の助け舟として、
女性が腰を反らすときに動く楔形の腰椎の数を増やすことで、
余計な負荷に対処できるようにした。
人間の男性が二個しかもっていないが、
女性は三個の楔形の腰椎を持つ。
延長された湾曲が、脊椎の剪断力を減らしている。

また、スピードを消失した。
四足動物の足並みとして最速のギャロップ(襲歩)ができなくなったことで、
初期の祖先は全力疾走の速さが典型的な類人猿の半分ほどにしかならなくなった。
捕食者は難なく人類を狩っただろう。

木登り能力も弱めただろう。

何百万年もあとの話だが、祖先は道具の制作者となり、
長距離ランナーとなったのだ。

p.81から
チンパンジーは起きている時間のほぼ半分を、
ローフード愛好家さながらに、食べ物を噛んで過ごしている。
(1)

原注1
ローフード(生食)愛好家は、
食物を料理して平均体温より高くするのは体に悪いと考えている。
人間はもともと生で食べるように進化したという論理が根底にあって、
加熱するとビタミンや酵素が壊れると思っている。
たしかに、祖先は生の食物しか食べていなかったし、
過度に加工された食べ物が健康に悪いことも事実だが、
ほかの言い分は総じて事実ではない。
むしろ加熱調理することで、たいていの食物は栄養素が摂取しやすくなる。
加えて、人間が調理してきた歴史はあまりにも古く、
もはや料理は人間の普遍的な特徴(ヒューマン・ユニバーサル)であり、
生物学的にも不可欠なものとなっている。
生食が可能になったのはつい最近のことで、
それというのも食材が高度に品種改良されて、
かつて採集されていた野生の食物よりも格段に食物繊維が少なく、
エネルギーが豊富になっているうえに、それをさらに加工して食べているからだ。
そこまで工夫されていても、ローフードばかりを食べていれば体重は減少するし、
妊娠能力は低下するし、熱を加えれば死滅するバクテリアや病原菌に感染して病気になるリスクも高まる。


p.100から
約400万年前から、
いくつかのアウストラロピテクスの種に、
より常習的で効果的な二足歩行のための数々の適応があらわれはじめる。

類人猿は、人間のように腰、膝、足首をまっすぐにして歩けない。
これらの関節を極端な角度に曲げた状態で、足を引きずるようにして歩く。
疲れるし負担も大きい。

図7
(歩行中、脚は逆さまの振り子のような働きをして、
ステップの前半で身体の重心(図中の円)を持ち上げ、後半で下げる。
走行中は、脚がばねのように働き、ステップの前半で身体の重心を持ち上げ、
後半で反動によって身体を押し上げ、跳躍にもっていく)
(歩行の図では、地面から糸が生えて先に○(重心)があり、
○は上向きのアーチ(逆向きのUみたいな形)を描く。
走行の図では、糸の中央あたりがジグザグになっていて、
○は下向きのアーチ(Uみたいな形)を描く)
は、歩行中の脚の動きが、回転の中心を交互に変える振り子のように機能する様子を示している。
脚が前方に振り上げられているとき、
振り子の回転中心は腰である。
しかし脚が地面に着いて、その上にある身体を支えているとき、
振り子は逆さまになって回転中心が足首になる。

この上下反転により、私たちやほかの哺乳類はちょっとしたわざを使って
エネルギーを節約することができる。
一歩踏み出すごとに、そのステップの前半では脚の筋肉が収縮して脚を下へと押し下げ、
足と足首の上の体に弧を描かせる。
この弧を描く動作が身体の重心を持ち上げ、
それによって位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)を蓄える。
その後、ステップの後半では、
身体の重心が下がるとともに、
この蓄積されたエネルギーのほとんどが運動エネルギーのかたちで返還される
(バーベルを落とすときと同じである)。
だから、振り子運動はじつに効率がいい。


歩行のエネルギーコストの測定実験でも、
腰と膝を曲げた歩き方は普通の歩き方よりもずっと効率が悪いことがわかっている。
体重45キロのオスのチンパンジーは3キロ歩いて約140キロカロリーを消費するが、
これは同じ距離を体重65キロの人間が歩いたときの消費カロリーの約3倍にあたる。

類人猿やアルディの足の親指は、
ものをつかんだり木に登ったりするときに役立つように長くて対向しているが、
アウストラロピテクス・アファレンシスや
アスストラロピテクス・アフリカヌスの足の親指はそれらと異なり、
むしろ人間と同じように、太く、短く、ほかの指と並行している。
また、足裏には部分的にではあるが、私たちと同じように縦の土踏まずがあり、
歩行中に足裏の中央をこわばらせられるようになっていた。
こわばった土踏まずがあるうえに、足指の付け根の関節が上向きになっていることから、
アウストラロピテクスは人間と同じように、
一歩の最後に足指をうまく使って身体を前へ、上へと押し出せていた
ものと察せられる。
そして極めつけに、アウストラロピテクス・アファレンシスなどの種には、
大きくて平らな踵骨(かかとの骨)が見受けられる。
これはヒールストライク(かかと着地)によって生じる強い衝撃力を受け止められるように適応したものである。

(武術への応用例。



オバケ
‏ @p2nyiwidktRdqMM
1月11日
返信先: @kikunokatsunoriさん
右足が振り子のように前方に行きますね。これが威力の秘訣だったりしますか!??




masa_taira
‏ @Masamichi_Taira
1月12日
返信先: @kikunokatsunoriさん
自分のボクシングでのステップインも前足からですね
重心移動する方が早いですし



オバケ
‏ @p2nyiwidktRdqMM
9月10日
返信先: @kikunokatsunoriさん
伝統派寸止めの逆上段突き(飛び込み突き、高速上段突きとも言います)でも前足を脱いて手から先に出して後から後ろ足が前に出るって技があるのですが、それと同じ原理でしょうか?ただあっちはヒットさせないので全部をぶつける重心の揃えまではいかないかもですが。





くらも
‏ @100zoh
9月14日
返信先: @kikunokatsunoriさん
なるほど、なんとなくゴルフや野球のスウィングのように後ろ足で地面を蹴れと教わってきたもので新鮮な理論です。沖縄空手特有のものなんですか?
















これ、フィジカルがキチンと出来てる大人の男にされたら瞬間的に絶対パニックになると思うのよな。

壁に叩きつけられる前に頭を抱える→フラフラしながらでもとにかくどちらか方向に走る

ぐらいしか浮かばない。
誤解されてる人もいるようですが、動画内の幼女とオジサマは親子です。

綺麗ですよね。

この女の子は詠春系の武術をやってるらしいです。インスタから読むに。

ダスラボ
‏ @Dusk_LAB
53 分53 分前
返信先: @eye_of_kapricoさん
とりあえず壁の近くで、近距離ですれ違おうとする人がいたら、そっち側の腕を前にして身構えるしかないのかなぁ…
人混みの中でいきなりやられたら無理そう

Judea/おススメ引退
‏ @war_nin
13 時間1
返信先: @eye_of_kapricoさん、@324121212121212さん
他人とすれ違う時は他人がいる側の足を踏み出す。相手の攻撃モーションが大きくなるためそのまま体を回転させて回避する。でどうです?

館主
🏠かぷり鼓
‏ @eye_of_kaprico
12 時間1
おっしゃる対策は気を付けて実践出来ていれば有効だと思います₍ ・ᴗ・ ₎

ただ、拙い僕の経験からなんですけど、初撃ってどうしてももらっちゃうと思うんですよ。よっぽど常から気を付けてない限りは。でも、そんな警戒心剥き出しでは歩かないよなぁ…と。

チー坊@La+
‏ @ChisayaX20a
11 分11
返信先: @eye_of_kapricoさん
えげつねぇw
これ金的で蹲らなくても大体の男性は腰引いちゃうから足引っ掛ければ転けさせられるし投げることも出来る
更に壁際だからほぼ逃げ道がないw


y0gs0th0th
‏ @y0gS0th0th
7 時間7
返信先: @eye_of_kapricoさん、@msdenmsdenさん
最後に足首まで狙うの、ヤベェ…ヤベェ…って感想しか出ない


一発目より、二発目がどうにもならない

館主
🏠かぷり鼓
‏ @eye_of_kaprico
これの厄介なとこは、【金的に当たらなくても、びっくりして腰が引けて頭が下がって重心が浮く】とこだと思うんすよ。わかりやすく死に体になる。

そこからの壁ドンコンボがまーじ鬼畜やな、と。首裏掴まれて壁ドン連打されたら確実に脳震盪
なるしな…みたいな。


原注38
通常、狩猟民ができるだけ大きな獲物を狙って追いかけるのは、
身体の大きい動物ほど早く高体温症状になるからだ。
体温は身体のサイズが大きくなるほどに、3次関数的な急カーブを描いて上昇するが、
体熱を逃がす能力の高まりは1次関数的、すなわち直線的な変化にとどまるからである。


p.120から
260万年以上前の遺跡から、
切り傷がついた動物の骨が出土している。
その傷は、肉を切り離すのに単純な石器を使ったときについたものだ。
内部の髄を取り出すために砕いたのだろうと明らかにわかる傷がついた骨もあった。
つまりこれは、人類が少なくとも260万年前には肉を食べはじめていたというれっきとした証拠だ。
今日でもチンパンジーや人間は肉が大好きなのだから、
当時の狩猟採集民も同じように肉を食べたがっていたはずだ。
レイヨウのステーキを食べれば、同じ量のニンジンを食べたときの5倍ものエネルギーが得られ、
必須タンパク質と脂肪分も摂れるのだ。
肝臓、心臓、髄、脳といった動物のほかの器官にも、
塩分、亜鉛、鉄分などの不可欠な栄養素が詰まっている。
肉は栄養の宝庫なのだ。

肉食の発祥は、女性がもっぱら食料採集に専念する一方で、
男性が採集に加えて狩猟と腐肉漁りも行うという分業が確立したのと同時期だったと推測できる。
この古代の分業の根幹にかかわる特徴は食料の分配だ。

オスのチンパンジーはまったくといっていいほど食べ物を分けないし、
自分の子にも絶対に分けない。
ところが狩猟採集民は結婚し、夫が妻と子に食料を供給するというかたちで多大な投資をする。

分配は配偶者間や親子間だけでなく、集団の仲間うちでも行われる。
仲間どうしの密接な社会的協力が、狩猟採集民のあいだではかくも重要だということだ。
その基本的な形態が拡大家族である。
祖母という経験豊富な先輩採集者は、通常、
世話の必要な幼児を抱えていないことも手伝って、
きわめて有能な助っ人となる。

分け合いは単に親切にしようとか、
肉を無駄にしないようにという意図でなされるのではない。
空腹のリスクを低減するための必須戦略。
狩りが空振りだったときに仲間から肉をもらえる確率が高くなるのである。
集団で狩りが行なわれることがある。
狩りは単独ではなく集団のほうが成功率が高まるからでもあり、
獲物を持ち帰るのにも助けあえるからでもある。
平等主義者であり、相互依存を重視。
今日でも私たちは貪欲とわがままを罪と見做すが、
狩猟採集民のきわめて相互協力的な世界では、
分け与えない、協力しないというのは生死に関わってくる。
200万年以上前から狩猟採集民の生き方にとっては基本中の基本だったことだろう。

(倫理道徳も生存のための機能の一つ。
(信者同士で)「分け与えない、協力しない」が悪である宗教ばかりだもんな。
(信者同士で)「分け与えない、協力しない」が善である宗教は私が知る限り存在しない。
労働教ですら(信者同士で)「分け与えない、協力しない」は善)

狩猟採集民の最後の基本要素は、食糧加工。

ホモ属で進化したと思われる道具がらみの技能で、
私たちの身体を変えるのに一役買ったのが、投擲である。
槍上の武器を投げたり突き刺したりすることができるのは人間だけだ。
チンパンジーやほかの霊長類は、
ある程度の狙いをつけて岩石や木の枝や糞などの汚物を放ることならままあるが、
何かに向かって速く正確にものを投げつけることはできない。
その動作はとてもぎこちなく、肘をまっすぐに伸ばしたまま、
上体だけを使ってものを投げる

一方、私たちの投げ方はまったく違う。
まず投げる方向に向かって片足を一歩踏み出しながら、
身体を横向きにし、
肘を曲げ、
腕を身体の後ろに引く。
それから腰、次いで胴体を回転させ、
鞭がしなるような格好で、膨大なエネルギーを生み出す。
そのエネルギーを使って、
肩、肘、そして最後に手首をいっきに前進させるのだ。
力強い投擲をするには脚と腰も重要だが、
投擲エネルギーの大半は肩から生み出される。
腕を頭の後ろに引くことによって、
この肩が投石機のような役割を果たすのである。

調理が発明されたのは、おそらく100万年前以降だと思われるが、

最古の考古学的遺跡から出土した石や骨を見るかぎり、
すでに初期ホモ属はさまざまな食物を噛む前に、
それを切り刻んだり叩いたりしていたことがうかがえる。
咀嚼と消化にかかる時間と労力を節約できる。

原注51
人間の胴体は可動性が大きく、腰や頭とは無関係にひねることができる。
このひねりが走行中には重要なポイント。

歩いているときと違い、走っているときは1歩を大きく踏み出すごとに、
身体を宙に浮かせながら片方の脚を前に、
もう片足の脚を後ろに振る。
このはさみのような運動が角運動量を生み出すので、
そのままにしておくと身体が右か左に回転してしまう。
したがって走者は脚を振るのと同時に腕を振り、
胴体を脚と反対の方向に回転させて、逆方向の同等の角運動量を生み出さなくてはならない。
胴体だけを独自にひねることが可能になっているために、
頭が左右に揺れずに安定していられるというのも利点である。

59
人間がものを投げるのに有利となるもう1つの重要な特徴は、
上腕のねじれが少ないことだ。

大半の人は、チンパンジーと同じように上腕にねじれがあって、
そのため肘関節が自然と内側を向くようになっている。
ところが、投げることが習慣化しているプロ野球選手などは、
投げるのに使っている利き腕のほうがそうでないほうの腕よりも、
上腕のねじれが20度ほど少なく発達している。
この形状が有利なのは、ねじれが少ないほど腕を後ろに引くことができるので、
それだけ多く弾性エネルギーを蓄えられるからだ。

つまり遠距離からの投擲は人間の体を最大限活用した攻撃)


p.162から
いつから定期的に火をおこし、使うようになったのかは定かでない。
人間が意図的に火を使用したことを示す現時点での最古の証拠は
100万年前の南アフリカの遺跡と、
79万年前のイスラエルの遺跡から出ている。
火の痕跡が珍しくなくなるのは40万年前から。
火を通した食物は生よりもずっとエネルギーの産生量が多く、
食べて具合が悪くなる危険もずっと少ない。
暖をとれたし、ホラアナグマのような危険な捕食者を寄せ付けずにもいられたし、
夜遅くまで起きていることも可能になった。


p.169の図
生息時期
単位:100万年前
ホモ・サピエンス(現生人類) 0.2(=20万年)-現在

p.172から
チンパンジーのメスは自分の子にしか食物を分けないし、
オスにいたってはまず誰にも分け与えない(36)

原注36
例外は肉で、これはオスも狩猟をする際に組んだ仲間に分けることがある。


p.173から
ダンバーが行なった有名な分析によれば、
霊長類のそれぞれの種の大脳新皮質の大きさは、
集団規模とある程度の相関関係にあるという。
この相関関係が人間にも当てはまるなら、
私たちの脳は、
だいたい100人から230人の社会ネットワークに対処できるように進化
したことになる。


絶滅した人類に関しても、
成人の脳の大きさになるまでにどれだけの時間がかかっていたかをかなり正確に推定できる
(なんと歯を使って算出する(44))。

44
人間やほかの霊長類も含めたすべての哺乳類では、
脳が完全な大きさに達する年齢と、
第一永久歯が生えてくる年齢とが同じ
だからだ。
しかも、歯には木の年輪のような時間の経過記録を保存する微細構造があるため、
分析者が歯を利用して動物の第一永久歯が何歳で生えてきたか、
ひいてはいつの時点で脳の成長が止まったかを推定できる。


人間の脳は六年か七年で成人並みの大きさに達する
(だから子供と大人が同じ帽子を共有できる)。


p.214から
側頭葉の深い部分(海馬と呼ばれる構造)は、情報を学習して蓄積するのを可能にしている。
側頭葉が大きいおかげで言語や記憶に優れていると推測してもおかしくはない。
ひょっとするとこれらの能力の魅惑的な相関物が、
霊性なのかもしれない。
実際に脳外科医の報告によると、
鋭敏な患者は手術中に側頭葉を刺激されると、
自称無神論者であっても強烈に霊的な感情が引き出される場合があるのだという。



人間特有の声道の配置には、かなり大きな代償もともなう。
イヌやチンパンジーの場合、食物と空気は喉のなかで別々の経路を通る。
しかし人間の場合は、喉頭蓋が数センチほど低い位置にあるために軟口蓋と接触していない。
舌の奥に大きな共有スペースが発達し、
食物と空気の両方がそこを通って食道か気道のどちらかに入ることになった。
人間は大きすぎるものを飲みこんだり、
うっかり呑み込み方を間違えたりしたときに、
窒息を起す危険のある唯一の種なのだ。

p.233から
現生人類の狩猟採集民は脳だけでなく、
筋肉も働かせることによって繁栄したのであり、
脱工業化時代の大半の人間よりもずっと骨の折れる、
身体的につらい生活を送っているのだ。
たしかに身体的な苦労を要するが、
一部の人が想像するほど過酷で悲惨な生活様式でないことは強調しておくべきだろう。
典型的な狩猟採集民が実際に「労働」に費やしている時間は、
過酷な環境においてさえ意外なほどに短かったのである。
たとえばカラハリ砂漠のサン族が、採集、狩猟、道具制作、家事といった活動に費やす時間は、
一日当たり平均6時間だ。
といっても、残りの時間をすべてくつろぎや娯楽に充てられるわけではない。
狩猟採集民は余剰の食料を生産しないから、
エネルギーを無駄遣いしないために休めるときはできるだけ休んでいなくてはならないし、
65歳になったからといって引退できるような余裕はなく、
もし怪我や障害を負ったりすれば、
ほかの誰かがその埋め合わせのためにさらに働かなくてはならない。
それなりに必死に働くが、
ものすごく必死に働くわけではないということである。

p.242から
平均的な農耕牧畜民はどんな狩猟採集民よりもずっと勤勉に働かなくてはならなかったし、
健康状態も悪化して、若くして死ぬ確率も高くなった。
寿命が延びたり、乳児死亡率が下がったりといった人間の健康状態の向上は、
そのほとんどが、ここ数百年の新しい出来事なのである。

p.254
ミスマッチ病を定義するなら
旧石器時代以来の私たちの身体が
現代の特定の行動や条件に十分に適応していないことから生じる病気。

p.264
虫歯もミスマッチ病。
歯に付着する薄い膜状の歯垢のなかにいる細菌のしわざ。
口内細菌のほとんどは無害だがごく小数の種が
あなたの噛んだ食物に含まれている澱粉や糖をエサにするときに問題を引き起こす。
細菌から放出された酸が歯を溶かして穴をあける。
残念ながら人間は虫歯の原因となる微生物に対抗できる天然の防御を唾液以外にほとんど持っていない。
これはおそらく、私たちがでんぷん質や糖質の食物を多量に食べるように進化してはこなかったからだ。
類人猿が虫歯になることはめったになく、
狩猟採集民が虫歯になることは珍しい。
虫歯がこれほどまでに広まったのは農業が開始された後で、
急激に増加したのは19世紀と20世紀においてだ。

虫歯を予防したいなら、糖と澱粉の摂取を劇的に減らさなくてはならない。


(パン、白米、玄米、麺など主食を減らすか食べないようにしないとだめなのね。
本書を読むに、
人間の肉体は農業主体ではなく狩猟採集時代に適応しているから、
いわゆる主食は控えて肉食中心
=狩猟採集時代に近い食事にして
ビタミンB、C、D、Eなど各種ビタミン、
亜鉛、鉄、プロテインなどで栄養学的に完全に十分に栄養摂取するのが一番良いのか?
魚介類は311などのせいで日本産はアウトだし、
魚介類は産地偽装が簡単だからアウト。
現代は魚介類でしかとれないあるいはとり難いものもサプリで補えるので幸運
マクロビは明確に体に悪いのでやめること。
マクロビをやっている人は亜鉛不足で病状悪化したりするよ。
ヴィーガンもね。
栄養不足だと攻撃的になることを思い出した。
別に上記の人々が攻撃的という意味ではないので誤解しないように。

もぐらさんに触発されて、私も勉強した。
この記事が健康法に言及しているのでここに書いた。

玄米などに含まれるフィチン酸は鉄やカルシウムがあるとそれと結合してフィチン酸塩を作ってしまう。
フィチン酸鉄やフィチン酸カルシウムなどは水に溶けないので
鉄やカルシウムが腸から吸収できなくなる。
つまり、栄養不足になりやすくなる。

玄米食をしていたせいでひきつけを起こした人に
鉄の錠剤を与えるとひきつけが治った事例がある。

桜沢如一の、食品の陰陽分類は栄養学的に根拠のないやり方。
マクロビ理論の根拠は桜沢如一が1925(大正14)年に出した『食養学原論』。
玄米食、小食、粗食、陰陽説などが書いてある。

陰陽分類が滅茶苦茶でたとえば

ナトリウム 動物 陽
カリウム 植物 陰

動物である人間は陽だから同じ陽である動物を食べるのはよくないという説を立てた。

動物体は短く
植物体は長いことから
動物でも細長いものは陰ということにした。

陰陽説の
「陽きわまれば陰、
陰きわまれば陽」を詭弁に悪用。
これをもとに食品として最高のものは
陰を転じて陽にしたものとされる。
牛の身体は短いから動物の仲間であり陽。
つまりビフテキは食べてはいけないはずなのだが
桜沢はビフテキが好きで
人目を避けてビフテキを食べていた。
他にも玄米正食をしていると公言しておきながら陰でビフテキを食べている人はいる。
要は、創作者の好みとご都合主義で決まる。
個人的にヤバさを感じたのがタバコ肯定論。
桜沢はタバコを好んだ。
普通は吸ったら駄目だと大半の読者はお思いになるだろう。
これも陰を陽に転じたものとして説明される。
煙が紫だから陰とする。
吸うと煙は黄色になる。
黄色は陽。
だから吸っても問題ないという詭弁。

栄養不足が原因で病気になっている人に小食を勧めるなど、
他にもヤバい点がいろいろあるが割愛。


”身体の冷え対策について調べていると
生姜は身体を暖める作用があると知りました
しかし
マクロビオティックなるものを見つけそちらの陰陽を見てみると
生姜は陰
つまり生姜を摂取すると身体を冷やしてしまうそうなんですが
どっちが正しいんですか?
生姜は身体を冷やすんですか?暖めるんですか?

マクロビオティック的に言うとニンニクも身体を冷やすそうなんですが

マクロビオティックの陰陽って何を基準にして分けてるんですか?

ベストアンサー
発案者やそれに商機を見いだした人たちのフィーリングです。
科学的な根拠はありません。


2015年4月28日
マクロビと栄養学は調べたことがある。
妊娠中の元嫁さんの食事を作ってたのは俺だから。
b12のために海苔をひたすら食べさせるのと、
チーズの解禁、亜鉛と鉄分、カルシウムのサプリで補ってもらったよ。
炭水化物過多、ビタミン12欠乏、フィチン酸対策の亜鉛は、必須ではないかな?

2013年10月2日
自分は生物濃縮がいやで、今、肉も魚もキノコさえも食べない食生活をしている、
基本的にだけど。これをマクロビオティックとかと一緒にされると、ちと困る。
マクロビとかにはまるのは、女性が多く、ショウガでも食ってろ、バーカ!と思うことが多々ある。
陰陽ならマクロじゃなく中医学も勉強しろと。


著者は全般に新しい造語が嫌いだが、
ディスエボリューションというのは有益で適切な新語だと思う。
ディス=有害な

下巻

p.10から
エデン追放はミスマッチの本当に大きな最初の原因の比喩。
狩猟採集の生活様式の終焉。
この移行は約600世代前に始まった。
ジャレド・ダイアモンドに言わせれば、
農業は「人類史上最大の過ち」だった。

600世代なら1万8000年前ぐらいか。

サピエンス全史も同じ主張だが「麦の奴隷」論はおかしな点があるので注意。


(サピエンス全史の画像)


農耕牧畜民は狩猟採集民よりも多くの食物を手に入れられて、
それゆえに多くの子供を得られるが、
その代わり、
総じて狩猟採集民よりも必死に働かなくてはならないし、
食事の質は低く、
洪水や旱魃などの天災に見舞われてせっかくの作物が台無しになることもあるため、
飢餓に直面する機会も多くなる。
また、人口密度の高い集団で暮らしているため、
感染症が流行りやすく、社会的ストレスも発生する。
農業は、文明やその他の「進歩」につながったかもしれないが、
かつてない大規模な苦難や死にもつながった。
いま私たちを苦しめているミスマッチ病の大半も、
もとはといえば、
この狩猟採集民から農業への移行に端を発しているのだ。

世界の異なる地域での農業の創始に拍車をかけた
もっと大きな要因は、人口圧力だった。
考古学調査によれば、
役1万8000年前、
最後の大きな氷河作用が止まりはじめたのと時を同じくして、
野営地――人々の住んでいた場所――の数は圧倒的に増え、
広さも増していったことがわかっている。


p.27から
農民の食生活を原因とするもう一つのきわめて重大な健康問題は、
澱粉の摂りすぎによっておこる。
狩猟採集民も炭水化物をたくさん摂取するが、
農民が育てて加工する穀物や塊茎やその他の植物に豊富に含まれているのは、でんぷんである。
デンプンはたいへん美味なのだが、摂りすぎるとさまざまなミスマッチ病を引き越す。
なかでも一般的なのが、虫歯だ。
食事をするたび、歯にくっついた澱粉や糖は口内の細菌を引き寄せ、
その菌が増殖して口内のタンパク質と結びつき、
白っぽい膜となって歯の表面に張りつく。
つまり歯垢が形成される。
そこに、細菌が糖を消化するときに排出した酸が取り込まれると、
歯冠のエナメル質が溶けて虫歯が発生する。
狩猟採集民が虫歯になることはまれだが、
初期の農民のあいだで虫歯はきわめて一般的だった。
近東では、農業が始まる前は虫歯を持った個人の割合が約二パーセントだったのに、
初期新石器時代には約一三パーセントへと跳ね上がり、
時代がくだるとさらに高くなった。

抗生物質と近代歯科医療が発明される前の虫歯は、
決して些細な問題ではなかった。


”歯は、口腔内に露出して白く見える部分の歯冠と、口腔内では見えない部分の歯根に区別することが出来ます。

歯冠はその表面がエナメル質でできており、歯根はその表面がセメント質で覆われ、歯根は歯槽という歯(=歯牙)と顎骨を結ぶ骨の中に埋まっています。
歯根は外側からセメント質、象牙質、歯根管となり、さらに内部には歯髄が入った構造になっています。歯冠は噛み切ったり、砕いたりする役目を担っています。歯根は、歯を顎骨に保持する役目を担っています。

歯冠と歯根
歯は、口腔内に露出して白く見える部分の歯冠と、口腔内では見えない部分の歯根に区別することが出来ます。

歯冠はその表面がエナメル質でできており、歯根はその表面がセメント質で覆われ、歯根は歯槽という歯(=歯牙)と顎骨を結ぶ骨の中に埋まっています。歯根は外側からセメント質、象牙質、歯根管となり、さらに内部には歯髄が入った構造になっています。
歯冠は噛み切ったり、砕いたりする役目を担っています。歯根は、歯を顎骨に保持する役目を担っています。

エナメル質
歯冠の一番外側、表面を覆う部分。体の中でもっとも硬い組織で、色は半透明。歯が白く見るのはエナメル質の下にある象牙質が透けて見える為です。

象牙質
歯全体の主体となる部分。象牙質は文字通りの象牙色です。

歯髄
歯髄(しずい dental pulp)とは、俗にいう歯の神経のことです。

6歳位に乳歯の奥に最初の永久歯である「6才臼歯」が生えます。
これは、物を噛み砕く力が一番大きく、永久歯の歯並びや噛み合わせの基本となる重要歯です。ただ口内の奥に生え、溝が深く、歯みがきがしづらいため、食物のかすが残り、むし歯になりやすいといえます。”
https://www.apagard.com/oralpedia/basic/detailes/Vcms4_00000092.html


p.29
狩猟採集民の歯には虫歯がないが、
新石器時代の農民は虫歯が11か所あるという画像

p.44から
農業以降のミスマッチと進化

人類が初めて農業に手を染めたのは600世代から500世代前のことであり、
世界の大半の地域において、
農業の歴史はまだ300世代にも満たない。
進化論的な観点から言えば、
これだけの期間では新しい種が進化するといったような、
大規模な進化的変化が起こりうる余地はほとんどないが、
この期間のあいだに、
生存と繁殖に強い影響を及ぼす遺伝子が集団内での遺伝子頻度にはっきりとわかる変化を
もたらすことは十分に可能だ。

ということは肉体の設計は狩猟採集用であり農業用ではない



p.60
表4 さまざまな業務のエネルギーコスト
業務 コスト(キロカロリー/時)
編み物 70.7

立った状態での静止 107.0

時速3-4キロメートルでの平地歩行 181.8
家事(全般) 196.5

鍬を使っての仕事 347.3
採炭 425.3
トラックへの荷積み 435.9
ランニング(持久走) 600-1500


p.72の表5
標準的な狩猟採集民とアメリカ人の食生活、
および合衆国政府による1日あたりの推奨所要量(U.S.RDA)との比較
データは男女平均

※IU=International Unit
=ビタミンやホルモンなどの量を
生理的効力で示すために
国際的に定められた単位。
ビタミンDの1IU=0.025マイクログラム。

糖類(1日のエネルギーの割合)
狩猟採集民 2%
平均的アメリカ人 15-30%
U.S.RDA <10%
(以下同じ順番で記述)

コレステロール(ミリグラム/1日)
>500mg
225-307mg
<300mg

ビタミンC(ミリグラム/1日)
500mg
30-100mg
75-95mg

ビタミンD(IU/1日)
4000IU
200IU
1000IU

カルシウム(ミリグラム/1日)
1000-1500mg
500-1000mg
1000mg

ナトリウム(ミリグラム/1日)
<1000mg
3375mg
1500mg

カリウム(ミリグラム/1日)
7000mg
1328mg
580mg

(>大なり
<小なり
<の意味はおそらく「未満」。
間違っているかも)


p.84から
睡眠が不足していると成長ホルモンが
十分に放出されず、
代わりにコルチゾールというホルモンが多く産生されるようになる。
コルチゾールの値が高くなると、
身体の代謝機能は成長と投資の状態から、
恐怖と逃避の状態に転じて、
警戒の強まりにより血流中を糖が行ったり来たりする。
この切り替わりは、朝ベッドから起き上がるときや、
あるいはライオンから逃げるときには有益だが、
慢性的にコルチゾールの値が高いままでいると、
免疫が弱まり、成長が阻害され、
2型糖尿病にかかるリスクが増大する。
慢性的な睡眠不足は肥満も促進する、
通常なら睡眠中の身体は休止していて、
そのあいだはレプチンというホルモンの値が上がり、
グレリンという別のホルモンの値が下がる。
レプチンは食欲を抑制し、
グレリンは食欲を増進させるので、
このサイクルが働いていれば睡眠中に空腹にならなくてすむ。
ところが、睡眠が足りていない状態がずっと続くとレプチンの値が下がり、
グレリンの値が上がってしまって、
栄養が足りていようといまいとかかわりなく、
脳に飢餓状態の信号が送られることになる。
したがって睡眠不足の人は食欲が旺盛になり、
とくに炭水化物の豊富な食物を欲するようになる。

睡眠不足→非常事態→とにかく食え!(グレリン増やして食欲を増進)ってなるように適応した?



p.101
近年の狩猟採集民は
必ずしも一般に想像されているような不潔で野蛮な生活をしてはおらず、
短命でもない。
幼児期を無事に生き延びられた狩猟採集民は、
概して長生きする。
最も一般的な死亡年齢は68歳から72歳のあいだで、
ほとんどの人は孫を持ち、
なかには曾孫まで持つ人もある。
大半の人の死亡原因は、
胃腸か呼吸器への感染症、マラリアや結核などの病気、
さもなければ暴力や事故である。
また、いくつかの健康調査から、
先進国の高齢者の死亡や障害の原因となっている非感染性の病気のほとんどは、
狩猟採集民の中高齢者にはまったく見られないか、
見られたとしてもかなり珍しいことがわかっている。


p.112から
活動の燃料として使うエネルギーは
ほぼすべて、
アデノシン三リン酸(ATP)という、
体内のいたるところに分布する微小な分子に蓄えられている。
ATPは、あなたの身体の細胞内を循環している小さな電池のようなもので、
必要に応じてエネルギーを放出する。
それを受けて、あなたの身体は燃料となる炭水化物や脂肪を燃やすことにより、
ATPを合成して、再度エネルギーを充電する。

タンパク質
=多数のアミノ酸が鎖状に結合したもの

炭水化物
=糖の分子が長く連なったもの

脂肪
=脂肪酸(3個の長い分子)がグリセリン(無味無臭の一個の分子)で
 つなぎあわされてできている
=脂肪酸(分子3つ)+グリセリン(分子1つ)
=トリグリセリド
(3とグリ(セリン)がある、そのままな名称)

タンパク質が分解されて燃料になることは比較的まれ。

炭水化物のほうが、
脂肪よりもはるかに容易に、急速に燃焼されるが、
エネルギーを脂肪ほど濃密には蓄えていない。
1gの糖に含まれるエネルギーの量は4キロカロリーだが、
1gの脂肪なら9キロカロリー。
(2.25倍)

あなたの身体は賢くも、
余剰エネルギーのほとんどを脂肪として貯蔵し、
炭水化物としてはほとんど蓄えず、
炭水化物はグリコーゲンというねっとりした分子のかたちにして貯蔵。

植物の場合は、
余剰の炭水化物をはるかに密度の濃い澱粉として蓄えている。

脂肪はたいてい、最終的に肝臓によって組織化される。
一部は肝臓内に貯蔵され、
一部はすぐに燃焼され、
また別の一部は筋肉に貯蔵されるが、
残りは血液によって運ばれて、
身体中に分布する専用の脂肪細胞に行き着く。

糖のもっとも一般的な二つの基本形は、
グルコース(ブドウ糖)と
フルクトース(果糖)。

ブドウ糖は澱粉の必須構成要素。

砂糖(スクロース)と乳糖(ラクトース)は
どちらも成分の50パーセントがグルコース。

インスリンというホルモンは血糖値が上がるたびに
膵臓で産生され、
血流に押し出される。
通常、それは食物が消化された直後。
インスリンのいくつかの機能の中で最も重要なつとめは
グルコースの値が上がりすぎないようにすること。
主要な活動場所の一つは、
あなたが食べたケーキに含まれるグルコースの約20パーセントが最終的に行き着くところ、
すなわち肝臓。

人間は急に大量に糖を取ることにあまり対応できない。
そんな機会はあまりなかっただろうからね)

フルクトースはグルコースよりも甘い。
果糖(フルクトース)は果実やはちみつに存在しているが、
砂糖にも含まれている
(砂糖の主成分であるスクロースは50パーセントがフルクトース)。

フルクトースはほぼすべて、肝臓によって代謝される。
しかしながら、肝臓が一度に燃焼できるフルクトースの貯蔵には限度があるので、
過剰なフルクトースは肝臓で脂肪に変換される。


エネルギーを回収する必要が生じたときにどういうことが起こるのだろう。
血中グルコースの値が低下して、
それにともない、
貯蔵エネルギーの放出を仕事とするいくつかのホルモンの分泌が促される。
そうしたホルモンの一つがグルカゴンで、
これもインスリンと同じく膵臓で産生されるが、
インスリンの肝臓での効果とは反対に、
肝臓内のグリコーゲンと脂肪を糖に変えさせる働きをする。
(インスリンの逆がグルカゴン)

また、もう一つの重要なホルモンであるコルチゾールは、
腎臓のすぐ上に位置する副腎(腎上体ともいう)で産生される。
コルチゾールには多くの効果があるが、
そのなかに、インスリンの活動を抑える、
筋肉細胞を刺激してグリコーゲンを燃焼させる、
脂肪細胞と筋肉細胞に働きかけてトリグリセリドを血流に放出させる、
というものがある。
もしあなたが急に思い立って何キロか走ろうとしたなら、
あなたの体内ではグルカゴンとコルチゾールの値が急上昇して、
貯蔵されたエネルギーを大量に放出させることになる。


p.130から
リンゴを食べてもインスリンの値は上昇するが、
リンゴの食物繊維がグルコースの取り入れられるペースを遅くするため、
上昇速度はゆっくりしている。

フルーツロールの場合、
急速にあなたの血流に入って、血糖値をいっきに上げる。
膵臓は猛烈に大量のインスリンを放出するが、
たいていは出しすぎる。
過剰放出が、だいたいにおいて、
後に血糖値を急落させることとなり、
そのため血糖値をすぐさま通常レベルに戻さなくてはならなくなる。
すぐに消化されるグルコースを豊富に含んだ食品は、
たくさんのカロリーを供給するとともに、
あなたをすぐに空腹にさせる。
ンパク質と脂肪による摂取カロリーの比率が多い食事をとっている人は、
摂取カロリーのほとんどを糖と澱粉の多い食品でまかなっている人に比べ、
長いあいだ空腹になりにくく、したがって相対的に食べる量が少ない。
食物繊維を多く含んだ加工度の低い食品も、
長いあいだ胃にとどまって、食欲抑制ホルモンを放出させるため、
やはり空腹を感じさせにくい。


炭酸飲料やジュースのような甘味飲料
(そう、フルーツジュースはしょせんジャンクフードだ)

ストレスは危険な状況から逃れ、
必要に応じて予備のエネルギーを活性化させるための大昔の適応である。
たとえばライオンが近くで吠えているとき、
自動車があなたを轢きそうになったとき、
あるいはあなたがこれからひとっ走りしてこようというときには、
脳が副腎(腎臓のすぐ上にある器官)に信号を送って
少量のコルチゾールを分泌させる。
といっても、コルチゾールがあなたにストレスを感じさせるわけではない。
あなたがストレスを感じているときに、
コルチゾールが放出されるのだ。
このホルモンには多くの機能があるが、
その一つが、いますぐ必要なエネルギーを出させることである。
コルチゾールは肝臓と脂肪細胞、とくに内臓脂肪細胞に働きかけて、
グルコースを血流に放出させる。
さらに心拍数も高め、
血圧も上げる。
そしてあなたを用心深くさせ、眠れなくさせる。
一方で、コルチゾールはストレスからの回復を促す働きもする。
エネルギーの高い食べ物が無性に欲しくなるのはそのあらわれだ。
コルチゾールは生きていくのに必要なホルモン。
反面、すぐに和らがないときのストレスには、
人を太らせる面がある。
慢性的な長期ストレスの問題点の一つは、
コルチゾール濃度をいつまでも上げてしまうことだ。
コルチゾールがグルコースを放出させるだけでなく、
高カロリーの食物を渇望させる
(だからストレスがたまると元気の出るものが無性に食べたくなる)。
どちらの反応もインスリン濃度を上げる。
上がりっぱなしのインスリンは脳にも影響し、
脳がもう一つの重要なホルモンであるレプチンに反応しないようにさせる。
レプチンというのは満腹状態を伝えるために脂肪細胞が分泌するホルモン。
結果として、ストレスを受けている脳はあなたが飢えているのだと考え、
反射を活性化させてあなたに空腹感を覚えさせる一方で、
同時に別の反射も活性化させて、
あなたを不活発にする。

睡眠不足になるとさらにコルチゾールの分泌が増える。
十分な睡眠がとれていない場合、グレリンの値も上がる。
グレリン=胃と膵臓で産生され、食欲を刺激する「空腹ホルモン」。

あなたの腸内には何十億という細菌がいて
(つまり微生物叢(そう)ができていて)、
タンパク質と脂肪と炭水化物を消化し、
身体がカロリーと特定の栄養素を吸収するための酵素を提供し、
さらにはビタミンまで合成する。
これらの細菌はあなたの環境の自然で不可欠な一部であり、
その意味で、あなたが毎日見ている植物や動物となんら変わらない。

p.154から
脂肪には炭素原子と水素原子が長い鎖状になった脂肪酸という分子が含まれている。
この鎖の構造の違いで決定的に異なる特性を持った別種類の脂肪酸ができあがる。
水素原子が少ないほうの脂肪酸が、
室温で液体となっている不飽和脂肪油であり、
水素原子がひととおり組み込まれているほうの脂肪酸が、
室温で固体となっている飽和脂肪酸。

飽和脂肪酸(水素原子がひととおり組み込まれていて室温で固体)が肝臓を
刺激して不健康だと思われているLDLをより多く産生させるのに対し、
不飽和脂肪酸は健康的なHDLをより多く産生させるからだ。
不飽和脂肪を摂取する利点。
とくに身体によいとされるのが、
魚油や亜麻仁や木の実に含まれるオメガ3脂肪酸でできた不飽和脂肪。
HDLの値を高め、LDLとトリグリセリドの値を低めて、
心臓血管疾患にかかわる危険因子を減らすことが確認されている。
存在しうるすべての脂肪のなかで最悪なのは、
高温高圧のもとで工業的に飽和脂肪に変換された不飽和脂肪。
この人工トランス脂肪は腐敗しない(したがって多くの加工食品に使われる)が、
肝臓の働きをめちゃくちゃにする。
LDLを増やし、HDLを減らし、
体内でのオメガ3脂肪の利用に干渉する。
トランス脂肪は本質的に、一種の緩慢な毒と言っていい。

狩猟採集民の食事の研究によると、
彼らの食生活は実際には不飽和脂肪が中心で、
オメガ3脂肪酸もしっかり摂取されていることが明らかになっている。
これらの脂肪酸は種子や木の実に豊富に含まれているし、
狩猟採集民の食する肉からも摂取される。
トウモロコシではなく草や葉を食べる野生動物は、
その筋肉に不飽和脂肪酸を蓄えているからだ。

植物より動物の方が肉に毒が少ない傾向らしい。
動いて敵から逃げられるが、
植物は逃げられないからね。
果実は食べてほしいだろうけど、
本体の茎とかは食べられたくないもんね)

原注57
HDLはコレステロールを精巣と卵巣と副腎にも運んでおり、
そこでコレステロールがエストロゲンや
テストステロンやコルチゾールなどのホルモンに変換される。
注意しておきたいのは、
HDLもLDLもコレステロール分子ではない
(コレステロールを含んではいるが)ということだ。
したがって善玉コレステロール、
悪玉コレステロールという呼び方には語弊がある。
ただ、あまりにも知られた呼び方であり、
一般的にも使われているので、
本書でも採用している。

名称に善や悪はつけちゃ駄目だ)

原注60
ただし、運動がLDLの値を下げることはない。
しかしトリグリセリドを燃焼させることによって、
トリグリセリドを豊富に含む小粒子LDLの割合を減らすことになる。

p.311
原注65
N-3系、オメガ3脂肪酸と呼ばれるのは
炭素の二重結合が脂肪酸の鎖の最後の炭素から3番目に位置しているためだ。

p.176から
身体の多くの期間自らにかかる負荷に反応しながら成長すること通じて、
自らの能力を要求に適応させていく。
たとえばあなたが子供の頃に、
たくさん外を走り回っていたなら、
あなたの脚の骨にはそれだけ負荷がかかるので、
しっかりした太い骨に成長するだろう。
もう一つの余り知られていない例は汗をかく能力だ。
人間は生まれつき何百万もの汗腺を持っているが、
暑いときに何割の汗腺が実際に汗を分泌するかは、
あなたが生後数年の間にどれだけ暑さに負荷をかけられたかによって左右されるのである(3)。

身体が環境負荷に応じて目に見える特徴(表現型)を調整していく能力のことを、
正式には「表現可塑性」という


原注3
かつて日本軍の兵士のなかに、
南太平洋の高温多湿の環境にうまく順応できる人とできない人がいたのはなぜなのかを
日本の研究者が解明しようとしたところ、
生後3年のうちに暑さの負荷を大きくかけられていた人ほど、
実際に機能する汗腺を多く発達させていて、
それを大人になってからも維持していたことがわかった。

すばらしい新世界で、製造される赤ちゃんのうち、
暑いところ担当者をあらかじめ暑さに適応させるように改造する場面がある。
ハクスリーはこの事実を知っていたのだろうか)


p.194から
ホモ属の進化において調理と食物加工はとても重要な革新だった。
そのおかげで小さくて薄い歯が持てるようになったのである。

歯列矯正の問題を減らすため、子供にもっとガムを嚙ませてみるというのはどうだろう。
歯医者のあいだでは前々から、
無糖ガムで虫歯の発生率を減らせることが知られている。
加えて、いくつかの実験から、
固い樹脂のガムを嚙んでいる子供は相対的に顎が大きく発達し、
歯がまっすぐになることが明らかになっている。

p.216から
あなたの足にクッションを与える靴の部位のなかで、
最もその役目を果たすのがかかと(ヒール)である。
歩いたときに、身体の(あるいは靴の)なかで最初に地面にぶつかる部分がかかとであり、
これは走ったときも同様であることが多い。
歩行時のインパクトピーク(衝撃最大値)はあなたの体重の力にほぼ等しく、
走行時には体重の三倍もの強さになる。
インパクトピークはあなたの脚と背骨に力の衝撃波を送り、
それがすぐさま頭部にも伝わる(走行時には一〇〇分の一秒以内で)。

裸足で歩くとき、人はおのずとかかとを優しく地面につけるようにして、
インパクトピークを軽減する。
そして走るときには、
母指球(足の親指の付け根の丸く膨らんだ部分)で着地してからかかとを地面につけるようにすれば、
インパクトピークそのものをなくすことができる。
このような着地の仕方を、
フォアフットストライク(前足着地)と呼ぶ。

走るというのは実質的に、
一方の脚で飛び上がってもう一方の脚で降りること。
足の前方、または場合によっては足の中央を使って優しく着地すれば、
クッションを使わなくても硬い地面の上を早く走ることができる。

断っておくが、私はヒールストライクが不自然であるとも間違っているとも言っていない。
それどころか、裸足の人でも靴を着用する人でも、
柔らかい地面を走るときなどはヒールストライクのほうを好むこともある。
ヒールストライクを用いると容易に歩幅が伸ばせるし、
ふくらはぎの筋肉に要する強さがずっと少なくてすむ
(フォアフットストライクでは、
かかとをそっと下ろすためにふくらはぎの筋肉が伸ばされるので、
そのとき筋肉が強く引き締められるのである
)。
また、ヒールストライクはアキレス腱にも優しい。

私が言いたいのは、クッションのついた靴でヒールストライクをすると、
身体が感覚フィードバックを得られなくなって、
本来そのフィードバックによってできるはずの、
着地の衝撃を修正するための足取りの調整が効かなくなるということなのだ。

正常な土踏まずは半球状をしているが、
歩くときは自然とやや平らに伸びて、
足裏をこわばらせるとともに、
母指球への円滑な体重移動を助けている。
一方、走るときの土踏まずはさらに収縮して、
大きなばねのようにエネルギーの蓄積と放出を担い、
あなたを空中に押し上げる働きをする
(第4章を参照)。

(靴になれてしまうと体の本来の重要機能が衰えるという著者の指摘。
裸足で武術を稽古したりヨガをする意味の一つ)

p.240から

椅子に長時間座っていることによる筋肉バランスの崩れは、
腰痛の原因になっているとの仮説もある。

女性は男性よりも多くの脊椎骨にわたって腰が湾曲するよう適応し、
男性よりも強く固められた関節を持つようになったのだと考えられる。
同じように、脊椎を強化するように自然選択が働いたからこそ、
今日の人間はホモ・エレクトスなどの初期人類よりも腰椎の数が一つ少なく、
五椎になっているのだと考えられるのではないだろうか。

p.278から
自然選択とは「適者生存」(survival of the fittest)のことだと誤って思い込んでいる人がいる。
ダーウィンは一度もこのフレーズを使わなかったし
(これはハーバート・スペンサーが1864年に作った言葉だ)、
使おうとも思わなかっただろう。
なぜなら自然選択は、比較級で「適者生存」(survival of the fitter)と
言いあらわしたほうがいいものだからだ。
自然選択は、完璧を生み出さない。
不運にもほかのものより適応度が低かったものを排除するだけだ。

(「人間が一番霊的に進化していて優れている」など
進化の定義に強弱優劣があるなら進化論ではなく優生学!

優生思想
「木登りが下手で足が遅いから
獲物に逃げられ
捕食者からも逃げられず
牙やかぎづめなどの武器もなく
罠も仕掛けられず武器も作れない頭の悪い生物は劣っているから滅びるべき」

これ大昔の人間!
典型的な客観的に見て生き残る可能性が低い生物じゃん!
人間の存在自体が優生学が誤りである証拠なんだよ!



進化論は結果論。
生き残ったから優れているということになっただけ。
優れているから生き残ったのではない。
たまたま生き残った。
強いとか弱いとか優れたとか劣ったとかを進化論では判断不可。
だから優生学は誤り。
思わぬ弱点で全滅することを防ぐ為に多様性を確保して、常にどれかが生き残るよう
にしているだけ。
…戦う能力が全然ない超絶病弱な生き物Aと、
戦えば常勝で病で死ぬことはほぼありえない生き物Bがいたとして、
超凶悪な「たまたまBの天敵だった」疫病あるいは、
「たまたまBに都合が悪すぎる」環境の激変
でBが全滅してAがかなりの数生き残ったら、Aは「強い」の?
「弱い」の?
「優れている」の?
「劣っている」の?
「運が良かった」だけじゃないの?
適者生存って嘘でしょ。
適者生存ってその生物が対応しただけでなく、運の要素が大きすぎ。

“『エンキ神とニンマフ女神』…神々がしていたつらい作業を肩代わりさせる為に人間が創造された。人間は神々の奴隷。
知恵の神エンキは、母神ナンムに人間を創造させ、ニンマフ女神に助産婦として手伝わせた。粘土から人間が作られた(土=アダマ、からアダムを創った旧約の元ネタ)。
宴会の席で酒に





「進化」とか言ってる連中がこんなのばっかだから、私は進化論のことが大嫌いなんだよ






空と十二月の旅人
‏ @inoue_sp
2018年10月3日
強い者が生き残って弱い者が淘汰されるという話ですが、実はそうでもない。
強い者はそれ以上の進化をしないので滅びた種も多い。
人間の祖先は同じ様な猿の中で一番、木登りが下手だった。
他の猿に食べ物を奪われたりもしただろう。逃げて編み出した技こそが、木の下を二足歩行する事だったんだ。






ネプツニウム
‏ @nepu10
2018年4月23日

この話をするためミームの定義まで遡ったんですが、「利己的な遺伝子」の問題というか「遺伝子は目的がある」故に「遺伝子は排他的だ」という(自分の頭の中でもある)誤読があるからです。進化論は結果論でしかないので、遺伝子やミームに意志はなく、複製拡散して安定的に再生産出来れば存続するだけ

だからある遺伝子は他の遺伝子でも別に共存に問題がなければ(安定的な均衡が探せだしたら)積極的に排除する必要はないですよね。勿論競争関係に置かれる事は多いですが。



」が生まれたとする。何かの偶然で、それだけが生き残った(例えば紫外線に弱く、土に潜ってたとか)場合、それは「強い種」なのである。それは、「強い種だから」生き残る=進化論ではないということ。
つまり、雄と雌という「不完全さ」が生み出す「種の交配」は、「不完全さの多様化の促進」である

。初めて白黒のシマウマが生まれた時、それは「強い種」ではない。結果、生き残った場合のみ「強い種」であるということだ。あくまでも、進化論は結果論でしかない。遺伝学的には強い種なんて存在はない。それは価値観でしかない。確立で「生き残る確率が高い」=「強い種」と考えるわけにはいかない。

環境の変化などがあり、生き残る可能性の高い種が死んでしまう時でも「生き残れる弱い主」を多様化して作るのが、有性生殖の生物の仕組みであるから。環境の変化がなければ弱い種でしかないでしょ?だから進化論は結果論ということ。不完全なものを多数作るのが生物の仕組みであり、義務なのである。

だから、選民思想はありえないわけです。
 
おっと、話を戻そう。
社会主義のマルクスは進化論=選民思想から抜けられていなかった。
彼は、労働者に平等をうたいながら、指導者は「別格」であると考えていたわけである。そして「富を持っているだけ=資産家」は、「進化論の選民ではない」と
考えていて、その部分は普通ですが、逆に「労働者の指導者は、猿山のボス=選ばれた民」の選民思想バリバリなわけでした。マルクスが選民思想を持っていたことは確かであり、その流れは、ルドルフ・シュタイナーの人智学やシュタイナー教育に入り込み、今の鳩山の掲げる社会有機体の3分節化論、
「経済での友愛」という選民思想にも繋がっているわけです。「労働者の指導者などは生まれながらに違う」という思想は、現在の世界統一政府化への道が、血縁主義を前程としていることと、理由は同じなわけです。


きっかけである。そして、この経済学者マルサスの思想はマルクスとも重なり、さらに言うなら東インド会社経由で300人委員会、ローマクラブの「人類削減計画」の中心的概要となるのである。ね?いつか限界が来る→誰が生き残るか?→選民思想なわけよ。マルクスもフラーも。


超合金ZZ
‏ @SuperAlloyZZ
人類は神的な何かによって作られたわけでも選ばれたわけでもないと思う。人類の祖先は進化論的事故によって本来生存にとって不利な脳の肥大を引き起こした。彼らは生き残るために大量の酸素とブドウ糖と脂質を摂取する必要が生じ、結果として道具と調理法を獲得したものが人類として生き残った。


パナッシャーだったリナム
‏ @Panacher_Linum
2018年8月4日
人間だって脳が肥大化して四足で動けないから二足歩行してるけど、二足歩行のせいで産道が長く狭くなって出産が他の生物と比べて難産になりやすい異常があるじゃない

半分の月がつむぐ空
‏ @BomBarkhorn
2012年10月1日
でも進化論は結果論であって、客観的に見て生き残りそうな個体が生き残るとは限らんからなぁ



環境問題利権とも絡む社会進化論。
女、子供、小動物を使い捨てて感情に訴えることによる大衆操作は常套手段。
Hate slay/knightシリーズ等で美人に都合がよいことを言わせるのも同じ。
Fate Speech/lightシリーズは青い左目優位の新ヤソ(優生学、神智学、霊性進化カースト)流に英雄の思想を改悪するなどして死者を冒涜。死後も辱めている癖に英雄が好きと吠ざ苦。
布教の対象が若者なのは自分の子供に布教するから。
男性よりも女性の方が感情的訴えで騙しやすい傾向なのも利用。
FG青新世界Oはカトリックのジャンヌで反カトリックを布教するから最悪。
slayには「殺害する」だけでなく「笑いころげさせる」という意味もある。


グレたヒス女は「古典的な女・子供使って大衆扇動」だからでしょ
そもそも、大西洋をヨットで行き来出来る・飛行機使わずに移動出来るという時点で疑問視しない時点で話にならない
あのさ、お前ら何億回世論作られて・騙されれば気が済むの?
ジャンヌダルクってただの神経衰弱な女の子だぜ
世界が動きませんじゃなくて「世界を動かす為に女・子供使うんだよ
おめーよー中東の地域研究しているなら、
マララの発言やイラク進攻のキッカケ・イランの反ヘジャーブ運動が何で起きて、そんでどーいう結末招いたか知っているだろ?
香港だって手口は同じだぜ、女・子供が死ねば同情売れるんだよ

シリアでもダーイッシュやタクフィーリィの合法部隊がボランティアや赤月社に擬態したりして「子供の死体で遊んでいたけど」それと全く一緒
それと同時期に「子供に自爆ベルト付けて米軍に特攻させていた」わけだから、
女・子供ってろくでもない連中ほど…よー使うの一杯聞いているだろ?そーいうの

仕事だってそーだろ
何でもかんでも子供を理由にして、早退したり・遅刻してくるパートのおばさん何て禄なのがいなかっただろ?
しょーがないとは思うがしょっちゅう使える言い訳ではないし、それならそれで契約変えるべきだろ?
お前ら自身が目の前で見ている事例を何故に他の事でも使わないの?

俺がよぉー過去のアカウントで言ったように
「陰謀やるなら歴史学と心理学と宗教学最重要」とつーたのは「人の心理につけ込んで女・子供を使うのは歴史的事実で宗教を叩き込んでマインドコントロールして、人の心理に訴える」のは常套手段だからなんよ
で、なんっかいっだまされりゃー気が済むの?

預言者のおっさんもライラトルカドルの夜に啓示の精神・解釈力を闘魂注入されて、バカになったんだけど…それから三年間はカミングアウトせずにそれを隠していたんよ
でもね、一部の女・子供にだけはそれを教えていたの…で、何故に女・子供にだけは教えたかというのは意志薄弱で洗脳し易いからなんよ

当然、中の議論としてはそー解釈しないが事実子供の時に教わった習慣は中々捨てるのは難しく
女性はその習慣を子どもに教えるのでそこに連続性が生じるわけなんよ
だから、イスラームでは女性・嫁・子供には優しく・守ってやれ言うのはイスラームを守ると同時に広げる為でもあるの


実際、グレたヒスガキの戯言が様々なところに影響与えているだろ?
個人的には成長し終わったならヴィーガンしてもいいだろうけど、
成長期からヴィーガンしているのは正常な家庭ではないし、最低でも母親が栄養学やった事あるなら止める
それだけ必須アミノ酸や動物性タンパク質は重要だからだ







横須賀提督
‏ @yukikazettk
12月9日
精神疾患を抱えた少女を周りの大人たちが自分たちの主義主張を押し通すためのプロパガンダとして担ぎ出すっていう意味では、グレタ氏は現代のジャンヌダルクと言えなくもない

神出マキナ
⚙【旧名】T読M琴☯️JAP国の囚人番号No.29433510⚡
🐑さんがリツイート
こうず
‏ @kouzu
2017年10月20日
ジャンヌ・ダルクって元々フランスでも無名に等しくて、それこそ年代記の他にはオルレアンの住民の間くらいでしか存在が語り伝えられていなかったが、ナポレオンが自身をジャンヌと重ね合わせてプロパガンダに使ったために、愛国のアイコンとして知名度を得たとかいう話はどっかで見たことがある…



「子供を盾にする」というこの上なく卑劣な手口を使う裏権力。
恥を知るべし。子供も大人も関係ない。
広告塔は広告塔。走狗は走狗。グレーテスみたいな「いい大人」も「操り人形」。安倍や小泉を見るべし。裏権力の走狗ロボットの大多数は「いい大人(悪い大人)」である。彼らに自分の「意思」はない。




参考資料



プロが使っているのかまでは不明^^;
<アンチョコ本

そりゃ、全部原著とかで読めりゃ
それがベストだろうけどさ。

ちなみにこの手のアンチョコ本、
聖書とかの宗教系の本とかでも
結構あったりするので、ど〜しても
原典読むのメンドクセ〜って人には
それも有りかもしれない^^;


Monsieur Guda Tomateさんがリツイート
nuka_koucha
‏ @nuka_koucha
11月27日

やっとまともに読み始めてる "銃・病原菌・鉄 上巻"(ジャレド ダイアモンド, 倉骨 彰 著)を12%まで読みました。この本を無料でお試しできます: http://a.co/1ueghuW


Monsieur Guda Tomate
‏ @pteras14
16時間16時
後はこの手の未来学系の奴とか。
“未来学系”ってのは書いている
著者が一般的な“未来学者”に
分類されているって意味ね。

思考戦車系って奴。ぬほんだと
◯◯総研みたいな名称の付く
会社とか組織ね。

文学ってよりは雑学系かもしれない
けど^^; <未来学系

プロ“作家”が使っているか?
までは知らないけど、マーケ珍
とかのギョーカイだと、ハァ……
一応プロも使ってますよっと^^;

まぁ、夢があるからね。
経営者とかこういうお話系
好きな人、意外と多いのよね^^;

浣腸の謎のパワポ文学でもよく
引用されてなかったっけ?^^;

「銃・病原菌・鉄」なら昨日RT
したデータサイエンチストさん
の本棚にもあったはず。

ぶっちゃけ、本音を言うと宗教系
のアンチョコ本は個人的には
あまりオススメじゃないんだ
けどさ^^;



(
確かアモンさんがブログで紹介していたやつで、この訳が最高水準らしい)

Monsieur Guda Tomate
‏ @pteras14
聖書だったら今RTした訳の奴
とかが良いんじゃないかな。

ちょっと調べたところ、プリキュア
アイコンの雑学王の例の人は読んで
そうな感じだったよ^^;

まぁ、ああいう雑学王に勝ちたいか?
にもよるとは思う^^;



田中ロミオの書評というだけで、どんな本を読めば、あの驚異的な文が書けるか震えてしまうのに、わたモテの事に触れ、好意的評価をしているので泣きたくなる。

(”いや、そんな虫のいい話はないよ、君。
 こんなごとき惹句に惑わされてリンク記事に飛んではいけない。そんなことでは広く浅く小銭を稼いでいるような連中のいい餌食になってしまうぞ。気を付けるべきだ。
 とはいえその気持ち、よく判る。
 全国民がインターネット大作戦のまっただ中にいる現在、良きマウンティングをキメるには「頭のいい人」というステータスがものを言うからだ。それを得るには不断の努力が必要だが、面倒だし、我々はネットやソシャゲで忙しい。だから手っ取り早く読むだけで頭いい人になる方法を探し求めるのは自然なことなのだ。最低の動機だな。でもこれが人間というものでもあるから、私はそうした感情を一概には否定しない。
 読んだだけで賢くなる本なんてものはないけれど、読むと賢くなった気になる本ならいくつか心当たりがある。
 比較的新しめのものだと『サピエンス全史(上・下)』が良い。


 一頃は本屋に城壁が如く平積みされていて、書店の売りたい気持ちがひしひしと伝わってきた。そのコーナー規模もたいへん大きく、これに比肩する店頭キャンペーンはあの例の騎士団長が殺された小説が大々的に売り出されていた時くらいのものだった。好きなジャンルであったので、もちろん買い求めた。
 サピエンス全史は上下巻でけっこうお高い。だがそれだけの価値はある本だ。教養は金で買えるのか。その問いに対する答えが本書だ。買える買える。余裕。
 この本は、歴史的事実をそのまま提示するのではなく、著者による調理が行われているのが大きな特徴だ。無味無臭な複数の事実を結びつけて、ドラマティックに解釈するという手法だ。その手法を武器として、人間社会なるものがどのように成立し、維持されているのかという大きなテーマに切り込んでいく。著者による味付けが非常に濃い歴史本だ。もしかすると、解釈がダイナミックすぎることに戸惑う読者もいるかも知れない。歴史なのだから客観的事実の提示のみに留めて欲しい。解釈は自分でするものだ、という読者も多いだろう。その指摘には一理あるが、ひとつ大きな問題がある。面倒すぎることだ。
 そもそも我々がこの本に手を出した動機を考えてもらいたい。歴史を学ぶのは一朝一夕にはいかないし、解釈だって生半可な知識でできることではないし、我々はネットやソシャゲで忙しい。素直にハラリ教授(著者)の知性に身を委ねて思考停止すればいいのである。読了したあとには全能感を獲得できる。飲み会で「人間ってのは穀物の奴隷なんだよ」などとニワカ知識を振りかざすのも良いが、相手がすでに同じ本を読んでいると恥をかく。流行本なのでたくさんの人が読んでいるはず。よく見極めよう。
 またこの大著を読み終えるだけでも、けっこうな大仕事であることは覚悟しておいた方が良いかも知れない。

 同じ系統で『銃・病原菌・鉄』を思い出す人も多いはず。
 この本はあまりにも面白すぎたため、以降に大衆科学本ブームが起きてしまったほどだ。書店はサピエンス全史のコーナーにぬかりなくこれも並べていた。確かにまあ並べるだろうという本である。率直に言って『サピエンス全史』と似たような本だ。同じ企画書でふたりの学者に書かせたらこうなりましたみたいな雰囲気すらあるが、こちらの方が元祖にあたる。
 一昔前の本だが、今でもまだ炭酸は抜けきってはいない。本書もたいへん影響力が強い。読んだあとは、聴衆を探して彷徨うことになるから、スノビズムに陥ってしまわないよう注意が必要だ。原則、こういった本の話は興味のない人にしてはいけない。それが悠久の時(40数年)を生きて得た私の結論だ。
 個人的にもこの本には、シヴィライゼーションのような文明育成ゲームで、初期地形が不利すぎるのでいい地形になるまで何度もリセマラするのはまったく悪いことではないと確信させてくれたので感謝している。
 多少乱暴にまとめて良いなら、本書の内容はこう結論づけることも可能だ。
 運も文明のうち。

銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上巻
銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎 上巻 著者: 倉骨 彰/Diamond Jared M/ジャレド・ダイアモンド

出版社:草思社

発行年:2012

 さらに以前のものとしては、まあ探せばいろいろあるとは思うが、私を構成する十冊にも入っている『緑の世界史』、これをおすすめしたい。

緑の世界史 上
緑の世界史 上 著者: 石 弘之/Ponting Clive

出版社:朝日新聞社

発行年:1994

 ただこの本は、前の二冊とは異なって、そう刺激的な本というわけではない。実直な知的興奮はあるが、エンターテイメント性という面では弱いかも知れない。
 ただ間違いなく面白い本ではあるし、扱っている領域も先の二冊と重なっていて、併読するに適している。
 あいにく絶版本。しかし中古で250円程度で買えるようなので、今ならお得だ。この感じだと古本ショップにもごろごろ転がっているだろうから、興味がある方は探してみると良いだろう。先人の知恵が小銭で買えるのは素敵なことだ。

 さて。

 こういった本を読み続けることで、頭が良くなった気にはなれた。そこまでは良いとして。ここから先「頭のいい人」をこじらせてしまわないよう、注意しないといけない。
 知識を身につける人と、知識を装備してしまう人がいるのだ。これらは似ているようで全く違う。後者が問題だ。
 装備するというのはどういうことかというと、要するに人を殴打する。
 過ぎた知識自慢や、過激な警察活動、相手の無知に対する侮辱。これらの暴挙に出てしまうならその人はスノッブと呼ばれても言い訳はできない。スノッブと指摘されることほどつらいことはない。私も自分がスノッブであることがバレないよう、物言いには気を付けている。
 読むと賢くなったような気になれる本は、先にあげたもの以外にも世にたくさんある。それらは自分を高めるために用いるべきで、モーニングスターがわりにするのはよろしくない。”



Monsieur Guda Tomate
‏ @pteras14
16時間16時間前
一応、この手の雑学本を読んだ
後のよろこばしくない副作用
の注意点については、今RTした
T中Rミオ先生の書評記事に
色々詳しい説明が載っている^^;

Monsieur Guda Tomateさんがリツイート
共立出版 アリがと蟻
‏ @1738310
11月26日

「虚数」と聞くと、アリがと蟻はこの本を思い浮かべます。はい、東海大学出版部さん発行の『虚数の情緒』http://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01485-0 …(吉田 武 著)です。吉田先生、元気かな…(*'-'*) .。oO
2件の返信 4件

Monsieur Guda Tomate
‏ @pteras14
16 時間16
ちなみに数学版アンチョコ本
みたいなのもあるでよ?

Monsieur Guda Tomateさんがリツイート
EnJoe140で短編中
‏ @EnJoeToh
2015年11月22日
プリンストン数学大全を買ってきた。

Monsieur Guda Tomate
‏ @pteras14
16時間16
「それだけアンチョコ本読んでいる
 暇人ならこの人、原典読んだ方が
 よくね?」
というツッコミはなしでオナーシャス




(ビッグヒストリー大図鑑の画像)




(サピエンス全史の画像。麦の奴隷の個所は誤りがあるので注意。)





「人体600万年史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
https://shorebird.hatenablog.com/entry/20161004/1475589801

『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』 - HONZ
https://honz.jp/articles/-/41817


お読みくださり感謝!
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