諸情勢の報告(平成30年6月議会)
平成30年6月4日
平成30年第2回(6月) 千曲市議会定例会
諸情勢の報告
◆はじめに「都市計画道路・千曲線の開通について」であります。
平成21年度から進めてまいりました、「市道鋳物師屋寂蒔線道路改良事業」の「新田南交差点」から「寂蒔地区」までの延長約650mの区間が完成します。
この区間の完成により、都市計画道路千曲線の車道部分が全通することから「千曲線開通式」を6月23日に行い、同日の正午からは一般車両の通行が可能となります。
千曲線は、粟佐地籍の国道18号の交差点を起点として戸倉の磯部地区を終点とする延長約9キロメートルの路線であり、その内、未整備の3.4キロメートル区間を「合併支援道路」として平成16年度から事業に着手してまいりました。
今後は、残された一部の歩道部分の早期整備を進め、全線の完成を目指してまいります。
◆次に「姨捨スマートインターチェンジ24時間運用について」であります。
姨捨スマートインターチェンジの24時間運用については、これまでの地元推進協議会の皆様の粘り強い運動が実り、6月1日午前6時から、待望の24時間運用が開始されました。
24時間の運用開始は、姨捨スマートインターチェンジの利便性向上は勿論、観光や地域経済の活性化にも大きく貢献するものと期待するとともに、地元推進協議会の皆様のこれまでのご尽力に改めて感謝を申し上げたいと存じます。
今後は、冬期間対策として、アクセス道路の除雪体制の充実に努めてまいります。
◆次に「新庁舎、新更埴体育館等の建設工事について」であります。
ご承知のように「新更埴体育館の建設工事」は、5月22日の竣工検査を経て、5月31日に鹿島建設 株式会社 長野営業所から引渡しが完了いたしました。
今後の予定としては、9月の供用開始に万全を期すため、6月9日及び10日に「第54回更埴中学校体育大会」の男女バスケットボール及び柔道競技を新体育館で開催し、大会に併せて施設の総点検を実施してまいります。
一方、「新庁舎の建設工事」につきましては、1階床部分までの鉄骨が立ち上がってまいりましたが、当初予定より約2か月遅れております。その理由は、昨年10月の旧更埴体育館の解体の際、新たにアスベストが見つかったことから、その除去に2か月間を要したためであります。
市としては、工期回復をすべく、請負業者と調整をしてまいりましたが、遅れを取り戻すことは難しいと判断し、工期を2か月程度延長して、来年5月中旬頃までとしたいと考えております。
なお、新庁舎の開庁時期でありますが、開庁準備に2か月程度が必要であることや3庁舎からの引越し方法等の再検討が必要なことから、来年7月若しくは8月頃の開庁を目指してまいります。
周辺の皆様には、工期延長により、ご迷惑をおかけいたしますが、安全を第一として進めてまいりますので、ご理解をいただきますよう、この場を借りてお願い申し上げる次第であります。
◆次に「更埴体育館のネーミングライツについて」であります。
市では4月20日、「千曲市ネーミングライツ導入に関する基本指針」を制定し、9月にオープンする更埴体育館の「ネーミングライツ・パートナー(命名権者)」及び「愛称」の募集を5月28日から開始しました。
ご承知のとおり、ネーミングライツは、市が所有する施設に新たな名称を命名することが出来る権利、いわゆる「命名権」の付与に当たるものであります。
制度の概要としては、企業等に命名権を付与することで、市においては、当該施設の管理経費の節減と市民サービスの向上等が図られること。また、企業においては、社会貢献を通じた企業のイメージアップ、企業名や商品などの広告宣伝にも役立つことになります。
今回の募集では、命名権料は更埴体育館の維持管理に係る経費の1割程度が妥当と判断し、年額200万円以上と設定。命名期間については本年9月1日から2022年3月31日までの3年7か月といたしました。
◆次に「雨宮地区産業団地造成事業について」であります。
お陰様をもちまして、事業計画地のすべての地権者の皆様から売り渡しのご承諾をいただくことが出来ました。これもひとえに、関係する皆様のご支援ご協力の賜物であり、心から感謝を申し上げます。
現在、進出企業側において大規模開発に伴う関係機関との協議を進めていますが、市としては、引き続き、地権者の皆様に寄り添い、本事業の早期実現に向けて取り組んでまいります。
◆次に「竹林の湯の営業再開について」であります。
貯湯槽からの「湯漏れ」により、昨年8月から長期にわたり休館しておりました「竹林の湯」については、5月10日から営業を再開いたしました。
この間、議員各位をはじめ、何よりも平成19年12月の開館以来、「竹林の湯」をご愛顧いただいております大勢の利用者の皆様に対し、多大なるご不便、ご迷惑をお掛けしましたこと、この場をお借りし、改めて深くお詫び申し上げる次第であります。
今後は、今回のような事が起きないよう、指定管理者と連携を図りながら、施設管理には万全を尽くしてまいります。
◆次に「松田館について」であります。
焼損した松田館「斎館」の修復については、所有者であります松田様が事業主体となり、4月下旬に請負業者との工事契約を締結。11月末までには完成する予定であります。
斎館については、市の歴史的風致維持向上計画の「歴史的風致形成建造物」に指定していることから、修復事業に対しては、国の補助金が得られましたので、市の補助金と併せ、交付要綱に沿って交付していきたいと考えています。
また、県宝を焼損するという事態を重く受け止め、修復工事に係る工程会議等にも市として同席するなど、松田様に寄り添って支援してまいります。
◆次に「大池総合案内所の再建工事について」であります。
平成27年8月に火災で全焼した大池キャンプ場の「大池総合案内所」の再建に向けて工事に着手いたしました。
新しい案内所は、木造平屋建て、延べ床面積は約120平方メートルで、管理事務所、トイレ、多目的スペース、厨房、食堂を備えています。
工事費は約4,300万円でありますが、全国市有物件災害共済会からの火災保険金を全額充てることとしています。
なお、完成は10月下旬の予定で、備品については別発注とし、来年4月からの利用開始を予定しています。
長い間ご不便をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、今後とも多くの皆様に愛され、利用される施設として活用してまいります。
◆次に「東京大学フィールドスタディ型政策協働プログラムについて」であります。
東京大学では昨年度から、地方自治体が抱える課題について、学生が1年間かけて解決に取り組む「東京大学フィールドスタディ型政策協働プログラム」を実施していますが、このほど、千曲市が昨年度に引き続き「事業協力自治体」に選定されました。
昨年度は「戸倉上山田温泉の活性化」をテーマに、様々な企画や提案をいただきましたが、本年度は「千曲川を活用したまちづくり」を課題として研究していただくことにしています。
◆次に「第3次地域づくり計画について」であります。
今年度から、「新たな地域づくりの仕組み」として「第3次地域づくり計画(3か年計画)」がスタートします。
第3次地域づくり計画は、地域課題解決のために、区・自治会のみならず公民館やPTA、育成会や消防団など様々な団体と行政が連携して取り組むことを基本としており、いわば協働事業提案制度の区・自治会版とも言えるものです。
なお、5月2日から16日にかけて市内11箇所で地元説明会を開催しました。今後は、地元住民の皆さんとの連携による地域づくりが実践されるものと期待しています。
◆次に「旧信州観光ホテル跡地について」であります。
旧信州観光ホテル跡地は、平成23年から25年にかけて、長野県滞納整理機構へ移管し、公売を行いましたが、入札者はなく推移していました。
本年3月、ようやく群馬県の業者が土地、建物を取得。年内を目途に建物を解体する予定とのことであり、景観や防犯上の課題の解決に向けて一歩前進するものと期待しています。
◆次に「日本遺産の認定に向けた取組みについて」であります。
2回目となる千曲川左岸の「さらしなの里」一帯の「日本遺産」への認定申請については、文化庁から5月24日に発表があり、残念ながら本年も認定には至りませんでした。
認定された多くの地域は、複数の市町村が連携して認定されていることから、今回の審査結果の分析などを踏まえた上で再申請について検討したいと考えています。
いずれにしても、「さらしなの里」一帯は歴史的文化的資源であり、景観上も素晴らしい地域でありますので、引き続き「さらしなの里」一帯を広くPRしてまいります。
◆次に「ワインぶどう研究会試験圃場産ワインのお披露目について」であります。
市と「千曲市ワインぶどう研究会」が平成27年に桑原の試験圃場に定植した、赤ワイン用ブドウの「マルベック」が、昨年10月に初収穫され、このほどワインが完成。7月26日にお披露目会を兼ねた試飲会を開催することになりました。
醸造は東御市のワイナリーに委託しましたが、お披露目会では、専門家を交えながら完成したワインの検証などを行うことにしています。
なお、試飲会とは別に、「ワインぶどう研究会」の皆さんによる千曲市産ブドウを使った市民向けのワイン会なども検討されているようであります。
◆次に「観光振興について」3点申し上げます。
○はじめに「第63回あんずまつりについて」であります。
本年の「あんずまつり」は、4月1日から15日まで開催されましたが、3月29日に開花するという観測史上2番目の早さとなり、4月5日には満開に。翌日6日の強風による影響もあり、まつり期間の前半で花が散る状況でありました。
今年は、窪山展望公園へ大型バスが駐車できるよう、進入路を改良したほか、シャトルバスの経路もスケッチパークまで延伸するなど、受け入れ体制の整備を図って参りましたが、前段申しあげたように天候に恵まれなかったことや、あんずの花と桜の花がほぼ同時期に開花したことから、観光客の分散化が進み、実行委員会の集計では昨年比1万人減の10万人という結果でありました。
今後は、あんず狩りに向けたPRを積極的に展開してまいります。
○次に「ロケツーリズムについて」であります。
映画やドラマなどのロケ地を巡る「聖地巡礼」がブームとなる中、全国の多くの自治体がロケ地を観光に活用しようと「ロケツーリズム」に取り組んでいますが、千曲市では昨年度、情報番組や旅番組、ドラマなどで、件数にして21件の撮影実績がありました。
今年度は、本格的にロケ支援組織を立ち上げるべく準備を進めてまいりますが、その一環として、6月27日には、「観光庁ロケツーリズム協議会」の藤崎愼一氏による「ロケツーリズムによる効果的な地域プロモーション」と題したセミナーを開催し、ロケツーリズムの機運を一層盛り上げたいと考えています。
○次に「インバウンド」であります。
ご承知のとおり、訪日客が増加する中、市では平成27年度から台湾を中心に職員が現地へ赴いて観光宣伝活動を実施してきたほか、私自身もトップセールスということで平成27年に台湾を訪問し、千曲市の認知度の向上と誘客促進を図ってまいりました。
今年度は、職員がこれまでに築いてきた台湾の観光関係者との信頼関係もあり、4月19日には台湾から当市への招聘実績のあるパワーブロガーの蕭嘉麟(シャウジャリン)氏を中心に、台湾の四大新聞社である「アップルデイリー」、「経済日報」の2社をはじめ、週刊誌、ケーブルテレビ局などのメディア関係者が千曲市を来訪されました。
来訪された皆様には、それぞれのメディアを使って、広く台湾の各地に千曲市を紹介していただきました。その宣伝効果に期待をしているところであります。
なお、昨年度は長野県と連携し、初めてタイ王国及び香港との商談活動を実施しましたが、引き続き県のお力も借りながら東南アジア諸国への観光宣伝に取組んでまいりたいと考えています。
以上、申し上げ、諸情勢の報告とさせていただきます。