イージス、秋田の候補地への配備断念…25年運用開始ずれ込みか
読売新聞 / 2020年5月6日 11時21分
政府は、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」を巡り、当初予定していた陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)への配備を断念する方向で検討に入った。地元の反対感情が強く、配備は困難と判断した。今後、秋田県内で配備候補地を検討する方針だ。政府が目指す2025年度の運用開始はずれ込む可能性が高い。
複数の政府関係者が明らかにした。イージスアショアは秋田、山口両県に1基ずつ配備し、日本全土をカバーする構想だ。政府は昨年5月、新屋演習場と、山口県萩市と阿武町にまたがる陸自むつみ演習場を配備候補地に選んだ。
だが、候補地周辺で行った調査のデータに複数の誤りが発覚し、政府は再調査を実施。むつみ演習場については昨年12月、「適地」とする再調査結果を山口県に報告した。
新屋演習場周辺では、同演習場を含めて秋田、青森、山形各県の計20か所の国有地を再調査している。同演習場は住宅地や公共施設が近接するため、電磁波の健康影響や安全性への懸念があり、秋田県の佐竹敬久知事や自民党秋田県連も配備の見直しを求めていた。
防衛省は当初、再調査期限を3月20日までとしていたが、天候不順に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、期限を5月末に延長した。この結果を踏まえ、配備先の選定を本格化する。防衛省幹部は「日本全域をカバーするためには、秋田県内が適している」と述べ、同県内を軸に再選定を進める考えを示した。
政府は、北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射したことを受け、17年12月、イージスアショア2基の導入を閣議決定した。ミサイル防衛機能に特化した陸上型施設で、常時、核・ミサイルの脅威に対処できる。
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