DOEPFER MS-404 CV/GATE IN OUT 変更のやり方
[Machines] DOEPFER MS-404 CV/GATE IN OUT 変更のやり方 How to alter.
今回のエントリーではDOEPFER MS-404というモノフォニックアナログシンセのCV/GATE信号のIN OUTの変更方法について記載します。もともと販売されている状態ではMS-404のCV/GATEはOUTに設定されています。MIDIで受けたシーケンサーからの情報をCV/GATE信号にコンバートして出力してくれる設定になっています。
実は最近まで簡単にその設定を変更できる事を知らずにいたのですが、twitterで繋がっている方から変更は出来るはずとご指摘を頂き購入してから15年目にして初めてマシンのポテンシャルを引き出せたというなんとも恥ずかしい状態です。でもおかげでブランニューMS-404に生まれ変わり、使えるシンセが1台増えた感覚が味わえました。ではその作業手順を図解していきましょう。
※全ての画像はクリックで拡大できます。
【作業を始める前のご注意】
それでは変更方法を書いていきます。ちなみに私は電子工作の知識は全く持っていません。このエントリーの説明も同様に電子工作知識の無い方に向けたものになります。が、そういった方でもゆっくり注意しながら行えばさほど難しい作業ではありません。
ただし、この作業をする事でメーカーでの保障は効かなくなります。あくまで自己責任で行うものだという事をご理解のうえで作業を行ってください。
ちなみに筐体の天板カドに貼ってあるこの小さなシールが切れていなければ一度も筐体を開けていないしるしになります。(とは言ってももうだいぶ古いマシンなので保障とかとっくに対象外なのかもしれませんが)
【用意するもの】
・プラスドライバー
・毛抜き (もしくはピンセット)
・ビスやつまみをなくさないようにするための一時的な入れ物 (皿とか)
・作業スペース
これだけでオッケーです。テスターやハンダごて等は必要ありません。
【変更方法】
★まず作業を始める前に電源ケーブルを抜いてある事を確認してから始めましょう。★
■step1
まずは筐体をバラして基盤をむき出しにしてやる必要があります。
最初にやる事はフロントパネルの全てのつまみを引き抜く事です。MS-404のつまみはやや強く真っ直ぐに引っ張るとスルっと抜けるようになっています。フロントパネルにある15個のつまみを全て引き抜きましょう。つまみによってはちょっと渋く、抜けにくいものもあるかも知れませんがあせらずに徐々に力を入れて引き抜いてください。このつまみの軸(ボリューム回路)は筐体(シャーシ)に固定されておらず、基盤に直に繋がっているものなのでややグラグラすると思いますがそういった仕様です。それなりに気を使って丁寧に抜くのが良いと思います。
なお、引き抜く前につまみを全て0の位置(左に振りきり状態)にしておくと後での作業が少し楽になります。
つまみを引き抜くとこのような状態になります。
つまみを抜き終えたら同じくフロントパネル面にある、カチカチ上下させる6つのスイッチ(トグルスイッチ)を全てセンター位置に合わせておいてください。これはのちほどフロントパネルと天板を脱着させるときにスムーズに作業を行うためです。
■step2
続いてフロントパネルのビスを外します。
MS-404のフロントパネルには5ヶ所にビスがあります。
そのうち四隅にある4つのビスを外します。ENVELOPEつまみの上(筐体真ん中辺り)にあるビスは外さないほうが作業が楽です。
この真ん中のビスはシャーシに付けられているのではなく、天板とフロントパネルを固定しているビスなので外さなくて大丈夫です。
■step3
フロントパネルの4ヶ所のビスを外したら、今度は天板のビスを外します。
天板にも5ヶ所にビスがあります。天板のほうは5ヶ所全てを外します。
この5ヵ所のビスを外すとフロントパネルと天板がくっついたままシャーシから外れます。スイッチやLEDに無理な力が入らないように注意しながら手前にずらすようにゆっくりと外してください。
なおこの段階で・・・
・つまみ×15
・フロントの皿型ビス×4
・天板の木ネジ×5
が外された状態になっているはずです。
外したビスやパーツを無くさないよう気をつけてください。
■step4
フロントパネルと天板を外すとこのように基盤がむき出しになります。
いよいよIN OUTの変更作業に入ります。
この基盤にある『ジャンパーピン』というパーツを2ヶ所差し替えます。CVのジャンパーとGATEのジャンパーひとつづつ、計2ヶ所です。
なおジャンパーピンというのはこういったパーツです。
基盤を見ると赤いジャンパーピンが幾つか確認できます。よく見ていくと基盤に直接『J1 CV IN/OUT』と書いてある部分と『J2 GATE』と書いてある部分が確認できるはずです。
この部分の赤い2つのピンが該当部分です。
基盤全体で見るとこの2つの位置です。左がCV部分で右がGATE部分です
ジャンパーピンは垂直に上に引き抜くことで基盤からスルっと外れます。指で引き抜くよりは毛抜きやピンセットでつまみんでゆっくり引き抜くのが良いと思います。ジャンパーピンには外周を1週するように溝が彫られていますのでそのくぼみに毛抜きの歯をうまく噛ませて引き抜くのがベターだと思います。
ジャンパーピンを引き抜くと基盤に白字でプリントされた『IN OUT』の文字がはっきり確認できます。これまでOUT側に挿さっていたものを、今度はIN側に挿してやります。CV側、GATE側共に行ってください。
2ヶ所のピンの位置を変えればIN OUTの変更は完了です。たったこれだけです。
■step5
では元に組み戻す作業です。
戻してやる前に、せっかくバラになっているのでつまみやパネルを拭いてあげるもの良いかもしれません。
さきほど分離させた天板とフロントパネルを元の位置に戻します。
ここで注意点があります。
MS-404のフロント面には4ヶ所にLEDが使われています。このLEDはフロントパネルに空けられた穴にはまるようになっています。ただ、戻す際に位置が微妙にズレて元通りの穴にうまくはまらない場合があります。特にフロントパネル左端のLEARNボタンとその上に並ぶ2つのLED部分をはめる際には注意してください。うまく穴にはまっていないのに無理矢理押し込むと、最悪の場合には基盤からLEDが外れてしまう可能性も考えられます。
また、基盤面右上の電源周りにはケーブルがありますのでこれをシャーシとはさんでしまわないように注意してください。
LEDのはめ込み位置とケーブルの位置を確認しながら元の位置にフロントパネルと天板を戻します。うまくLEDがはまったらフロントパネルからビス止めしていきます。(天板からビス止めを始めるとフロント側の位置微調整がずれてしまうため)
フロント4ヶ所のビス止めが終わったら天板5ヵ所のビスも元のように止めていきましょう。
全てのビス止めが終わったら抜いてあったつまみを元に戻します。
引き抜く前に全てのつまみは左に振り切っておいたので、つまみをゼロを指す位置に合わせるように差し込んでいきます。斜めに差し込んで余分な力を基盤にかけてしまわないよう気をつけてください。
15個全てのつまみを元に戻せば完成です。保証が利かなくなった代わりに新たな機能が手に入りました。
これであなたのMS-404は外部からのCV/GATE信号を受けて動作するようになります。
アナログシーケンサーを用意して鳴らしてやるもよし、SH-101のアルペジオシーケンスを使って鳴らしてやるもよし、REVOLUTIONやacidlab Bassline2といったCV/GATE OUTを持つシーケンサー付きマシンから鳴らしてやるのも良いでしょう。それまで見つけられなかったMS-404の新たな魅力が発見できるのではないかと思います。
以上、DOEPFER MS-404のCV/GATE IN OUT変更のやり方でした。
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参考までにMS-404の英語版ユーザーズガイドへのリンクとドイツ語版サービスマニュアルへのリンクを貼っておきます。(サービスマニュアルはドイツ語版しか提供されていないようです)
・英語版ユーザーズガイド
http://www.doepfer.de/ms404m_e.htm
・ドイツ語サービスマニュアル(回路図やパーツレイアウトはこちらに載っています)
http://www.doepfer.de/ms404_sm.htm
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コメント
初めて投稿します。宜しくお願いします。私もMS-404を使用していますがMIDIチャンネルの変更方法が分かりません。ご存知でしたら教えてください。宜しくお願いします。
投稿: 酒井淳也 | 2017/09/30 18:12