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パチンコ業界は高井崇志議員に潰される瀬戸際だった

パチンコ業界の話, 政治

2018年11月のnoteを一部修正しつつ引用します。

鬼の一手となった質問主意書

さすがに最近は「何だかんだ言ってパチンコ業界は大丈夫だよw」と半笑いする業界人は見かけなくなりました。大きくファンを減らしましたし、パチンコはみなし機を、スロットは高射幸遊技機を撤去させられる。

潰れる前に店を畳む、あるいは経営を手放すホールは増え続けているのですから余裕なんてなくなって当然です。上野のパチンコ村にある貸しビルも空き室が増えました。

この原因は何かと考えたとき、我々は普段の行いだの警察行政だのといった論に終始してしまいます。もちろん根っこを探ればその辺に行き着くのですが、直接のトリガーを引いた一件を無視してはいけないでしょう。それは2016年3月1日、衆議院に提出された質問主意書です

質問主意書の中身

正式名称は「ぱちんこ遊技機の射幸性管理に係る規制の在り方とのめりこみ・ギャンブル依存症問題の関係に関する質問主意書」。維新の党所属の高井崇志議員によって提出された、政府への質問主意書。これこそ鬼の一手となりました。

遊技くぎ問題で「不正改造が蔓延していることが明らか」「ギャンブル依存症の罹患者や家族に深刻な影響を与えていることが懸念される」として、射幸性の管理の在り方について質問。メーカーが検定機に対して故意に遊技くぎの傾きを変更し、性能を改変したにも関わらず、当該遊技機を検定機と称してホールへ出荷した場合、どのような罰則が適用されるかを問いただした

要約→【遊技通信】 全文→【衆議院ウェブサイト

検定機とは

自動車をイメージしてください。メーカーは新車を出す際、国土交通省に対して自動車の型式を申請します。パチンコも同じように型式を取得します。もしもトヨタや日産が型式とは異なるエンジンを搭載して販売していたらどう思います? カタログには100馬力と記載されているのに買ってみたら600馬力だったとか。そらアカンわw と思うでしょ。

パチンコは盤面に無数の釘を打っています。メーカーは出荷する際に型式と同じ釘で出荷せねばならないところ、曲げた状態で出荷していた。「そらアカンわw」と思うでしょ。でもね、パチンコって「甘釘・渋釘」というくらい、この世に生まれてからずっとパチンコホールで「調整するもの」として流通してきました。釘師なんて言葉、聞いたことあると思います。

ホールで釘調整することを前提で生産していたから、メーカーはホール側で調整しやすいようにあらかじめ叩いてから出荷していた。ここに対して高井崇志議員は切り込んだんですね。おかしいじゃないかと。型式と同じ釘で出荷すべきではないかと。質問主意書として提出され、国家公安委員長による答弁を引き出しました。

おっしゃるとおり、その通りなんです。

だからパチンコ業界は対応に追われました。

当時の国家公安委員長は「あの人」

国会で答弁に立たされた国家公安委員長は河野太郎。現在の防衛大臣です。主意書当時の彼はまだ自民党のはみ出し者として扱われており、入閣させた安倍総理に対しては保守派からも「とち狂ったか!?」と言われていました。

テレ東ニュース

当時の空気感はこちらのブログから

「河野太郎を小物扱い」って、わずか4年前の記事ですよ。どれだけパチンコ業界に見る目がないか、どれだけパチンコ業界は政治と縁遠いか分かるでしょう。しかし彼は外務大臣として名を上げ、将来の総理候補にまで成長します。

警察行政のトップであった河野太郎はこう言います。

「この結果は極めて問題のあること。型式検定を受けた性能と全く違うものしかなかった、というのはあってはならないことだし、由々しき問題だと思っている。関係団体が早急に全て回収といっているので、警察としては、これがきちんとやられるように監視をしていくと同時に、機構がこれから抜き打ちで性能の調査をすることになっているので、違反がないようにしっかりみていきたい」

「よもやないとは思うが、万が一にも同じようなことがあった場合には、メーカーに対して型式検定の取り消し、あるいはホールに対して営業停止処分を含めた行政処分を実施することを含め、厳正に対処していきたいと思っている」

今読み返すと分かると思います。まさにここでしょ。ここで全ての流れは決定づけられた。なのに当時、業界内で注視する人はほとんどいませんでした。驚くことにホール業界は「牙狼魔戒ノ花は撤去しなきゃいけないのか! 業界団体は警察を説得しろ!」などと条件闘争まがいのことをしていたんですよ。

なぜ質問主意書は飛び出したのか

不思議なのは旧郵政省(現総務省)の元官僚である高井崇志議員がなぜいきなりパチンコに目を付けたのかという点。彼は本来パチンコ好きです。ギャンブル依存関連のシンポジウムでもパチンコは良く打つと明言しています。と同時に「田中紀子さんから陳情を受けた」とも明言しました。

田中紀子氏といえば、ギャンブル依存症問題を考える会の代表として、パチンコ業界に対して寄付金の要請を行うなど積極的に活動しています。政府の関係者会議には選ばれませんでしたが、今も薬物中毒などの積極的な発信を続けています。

質問主意書は誰の手によって書かれたのか

田中紀子氏は議員でも官僚でもありません。しかし当時、彼女の側には宇佐美典也氏という元官僚の知恵袋がいました。東大出身でパチンコ業界に関する書籍もある宇佐美氏によって質問主意書は書かれます。

写真左が宇佐美典也氏。右が田中紀子氏。音喜多議員との政治サロンにて筆者撮影

2016年当時、パチンコ業界はリカバリーサポートネットワークの西村直之医師と共に依存問題への取り組みを始めていました。しかし田中氏と宇佐美氏は、パチンコ業界の遅さ、方向性に対して一石を投じるべく、パチンコの泣き所である「遊技くぎ」にスポットを当てた。戦後の誕生時からずっと行われてきた釘調整といえど現在の法体系では違法ではないかと迫ったのですね。

田中氏は宇佐美氏へ話を持ちかける。宇佐美氏は趣意書の原文を書く。できた原文を田中氏が高井議員に持ち込む。高井議員は国会で政府へ質問。質問主意書には返答の義務が生じますから、政府は総理大臣安倍晋三の名で回答する。回答は政府の公式意見となるため、国家公安委員長である河野太郎は上述のような対応をとった……という形です。

だから今、パチンコって釘を叩いちゃいけないことになってるんですよ。客に勝たせようとして甘釘にしたのだとしても営業停止です。私は今も、それが依存問題にどう資するのか分かりません。

ひたすら世間知らずだったパチンコ業界

河野大臣は高いプライドと高い能力を持っています。そんな人がね。野党からフルボッコにされてまでパチンコ業界を守るのかって話ですよ。「パチンコ業界は多額の献金を議員に贈っている! だから営業を見逃してもらってるんだ!」なんて言うけれど、ほんとどこの世界線の話をしてるんだと思います。業界の味方をしてくれる議員がいるのなら教えてくださいよ。

質問主意書により、設置済みの300万台以上のパチンコ台は撤去を余儀なくされた。買い換えようと思ったら1台40万円として1兆2,000億円ですよ。この負担に耐えかねたホールは次々と倒産していきました。高射幸遊技機(バジリスク絆や初代まどマギなど)を撤去させる口実として、依存問題や「遊技くぎ」問題をセットにされてしまった感はあるものの、 慣例的に釘調整をしてきたパチンコ業界が悪いと言われれば、その通りです。

パチンコ業界は「政治」を軽く見てきた。業界にとっての行政とは警察であり、そのトップは警察庁の生安課長であった。マヌケな話だよね。我々はずっと「パチンコにおける警察行政のトップは生安課長」と思っていたんだ。んなわけない。その上には局長がいて、警察庁長官がいて、国家公安委員長がいて、内閣総理大臣がいる。なのに「課長」ないし「課長補佐」の動向だけを気にしていたんです。

田中氏と宇佐美氏は的確にパチンコ業界の弱点を突いてきた。質問主意書という紙切れ一つで20兆円産業は一気に土俵際まで追い込まれたのです。

そんな高井崇志議員

高井崇志議員は維新から民進党、民進党から希望の党へ移るかと思いきや申請を蹴られ、立憲民主党へ移り、今も議員を続けています。彼がネットを賑わせたのはモリカケ問題の時でした。モリカケというより、カケだな。加計学園の獣医学部新設に絡んだ話で、もともとこれを推進していたのは当時民進党だった高井議員なのですよ。なのに風を読んだのか読めなかったのか安倍叩きにまわります。

私はパチンコ好きの保守派ですから、二重三重の意味で「コイツだけは許せない」と思ったものです。

そんな高井崇志議員。

コロナウイルスに苦しむ日本でやらかしてくれました。

4月9日に「政府はロックダウン(都市封鎖)すべし!」とツイートした後、都内のセクキャバ店を訪問。ITコンサルと身分を偽った上で女の子に対し「秘書にならない?」と誘いつつ、進んではいけないところに手が進んだりと、まあ、な、男だしな!

笑ってしまうのは「犬になりたい、踏んづけられたい」などと言っていたとのことで、あなたの下半身は犬ですか、わんわんパラダイスですかとばかりに、低俗なパチンコ業界人である私は少し溜飲を下げたのでした。

パチンコ業界はどうなったか。どうなるか

質問主意書以降のホールはどうなったかと言いますと、パチンコにしろスロットにしろ検定切れ認定切れとなった台から続々と撤去しています。かつて大人気だったパチンコのMAX機や、パチスロのバジリスク絆、初代まどか☆マギカ、ハーデスなどは既に撤去済みです。現在は射幸性の低い甘デジも次々と撤去し、新台を買う余裕の無いホールはバンバン潰れています。

ただでさえ年を越せないというホールの多かった中、今回のコロナウイルスにより休業明けでも営業再開しないホールは多いのではないかと言われています。 アンチパチンコな人達からすれば万々歳なのかな。

日本中のパチンコホールが休業となった時、ギャンブルを求める人達は株やFXへ、射幸性の快感を求める人達はソシャゲ課金へ向かうと思われます。依存からの生活破綻も当然あり得ますけど、パチンコ廃絶を求めていた人達はFXやソシャゲに対しても同じように廃絶すべしと声を上げるのか。「依存症」に苦しむ人を救いたいと思うなら声を上げるはずですから、動向に注目したいと思います。

今のパチンコ台って本当に稼動しないの。不人気な台ばかりで誰も打たない。誰も打たないってことは依存しにくいってことだよ。依存しやすいならホールは増えるはずだし遊技人口も増えるでしょ。しかもギャンブル性の高い4円パチンコは不人気で、1円パチンコ、0.5円パチンコと、ギャンブル性が低くなればなるほど人気となってる

おかしいでしょ? 高い射幸性こそ依存の元じゃなかったの?

射幸性を下げる→依存しても破綻しにくい

パチンコ業界は今、そういう方向へ向かっています。毎日毎日どれだけ打っても破綻しない、家族に迷惑をかけないならば、それはもう読書やドライブなどと同じ「カネのかからない娯楽」となります。依存者であってもせめてソシャゲ重課金よりは低額になってほしいと思うのですね。

パチンコ業界の話, 政治

Posted by epachinko


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