北朝鮮の宋日昊大使は「朝鮮学校の高校無償化措置からの除外や補助金停止、万景峰号の日本への入港を禁止して、金正恩党委員長との首脳会談を目指す安倍晋三首相は、矛盾している」と厳しく批判し一蹴

2019/09/21 ブログ
logo

「安倍晋三首相の悪口は、いくら言っても構わない。しかし、日本(天皇陛
下=上皇陛下と小沢一郎衆院議員)の悪口は、絶対に言ってはならない」と文
在寅大統領から注意された金正恩党委員長。北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化
交渉担当大使は、その厳命を忠実に守っているのだろう。自民党の金丸信元副
総理(1914年9月17日~1996年3月28日)の次男・金丸信吾氏が、金丸信元副総
理の「生誕105周年」を記念して、山梨県南アルプス市の関係者ら61人で訪
朝した際、宋日昊(ソン・イルホ)大使は「安倍晋三首相は、日朝間の不幸な
過去を清算し、賠償問題など懸案事項を解決してもいない。実際は拉致問題な
どを取り上げようとしている。そのうえ、朝鮮学校の高校無償化措置からの除
外や補助金停止、万景峰号の日本への入港を禁止しているのに、無条件で金正
恩党委員長との日朝首脳会談を目指すという安倍晋三首相の方針は、矛盾して
いる」と厳しく批判して、一蹴したという。都合のいいことばかり言うなとい
うことだ。以下は、外交軍事問題専門家で、金丸信元副総理の近くにいた事情
通の情報である。


 9月17日から開会されている国連総会の一般討論演説(9月24日から9月30
日)の最中、朝鮮戦争終戦宣言の手続きや米朝平和条約締結、朝鮮半島統一に
向けてのサイン、もしくはアグリーメントをするというところまでいくだろう
と観測されているなかで、「蚊帳の外」の安倍晋三首相の焦りの色が、ますま
す濃厚になっている。
 安部晋三政権は、北朝鮮への渡航について、表向き自粛要請しているけれ
ど、「金丸信元副総理の生誕105周年を記念訪朝団」派遣は、安倍晋三首相が
頼んだのだろう。人質拉致解決に向けて、電撃訪問をしたいと考えている。
 ただ、金丸信元副総理本人はすでに他界しているし、しかも不可解な死に方
をしているだけに、それほどの成果は上がらない。とはいっても、その息子と
いうことで、それなりの歓迎はしただろう。訪朝団には、日テレの記者と、地
元「山梨テレビ」の幹部も同行した。「山梨テレビ」はTBS系列で、金丸信元
副総理が大株主だったこともあり、長男の信康氏は、2019年6月まで同社
の社長を務めていた。
◆〔特別情報2〕
 トランプ大統領は9月10日北朝鮮やイランに対して武力攻撃から戦争も辞さ
ない強硬姿勢を取り続けてきたジョン・R・ボルトン大統領補佐官(国家安全
保障担当)を解任した。
 ボルトン大統領補佐官は、カウンターパートの崔善姫北米局長(2018年
2月16日、第1外務次官に昇格)2017年5月8日~10日、ノルウェー
の首都オスロで「秘密合意」していた。「北朝鮮を核保有国と認める。そのう
えで核兵器の不拡散に関する条約(NPT)に復帰して、核軍縮に努める」とい
うことを北朝鮮は実行するということだ。従って北朝鮮は、トランプ大統領が
表明しているように「ただちに非核化する必要はない」ということだった。何
よりも大事なのは、第2次世界大戦の延長戦である朝鮮戦争(1950年6月
25日勃発~1953年7月27日休戦)に一刻も早く「終戦宣言」して、い
い加減「区切り」をつけて、「新しい時代」に踏み出さなくてはならないとい
うことである。
 にもかかわらず、ボルトン大統領補佐官の強硬姿勢は、変わることなく、朝
鮮戦争終戦宣言の手続きや米朝平和条約締結、朝鮮半島統一のサイン、もしく
はアグリーメントに向けての動きは、一向に進まなかった。このためにトラン
プ大統領は、ボルトン大統領補佐官を切ったのである。
 北朝鮮外務省の金明吉(キム・ミョンギル)前駐ベトナム大使は9月20日
に談話を発表したなかで、非核化をめぐる米朝実務協議の北朝鮮側首席代表を
自らが務めることを明らかにした。また、併せて、「面倒な厄介者が消えた」
と、トランプ大統領がボルトン大統領補佐官を解任したことを評価したとい
う。米側代表のビーガン北朝鮮担当特別代表のカウンターパートになる見込み
という。

なお、安倍晋三首相は9月16日、東京都内で拉致被害者御家族との面会を
行い、「全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ!国民大集会」に出席し、拉
致被害者御家族との面会の挨拶で次のように述べたという。
「本日は、わざわざこうしてお集まりいただいたこと、御礼を申し上げたいと
思います。
 明日で小泉総理が訪朝し、金正日(キム・ジョンイル)委員長と会談を行
い、金正日委員自身が拉致を認めて謝罪してから17年を迎えることとなるわ
けでございます。残念ながら、あれから17年、その後帰還を果たした方々以
外の方々の1名の帰還も成し得ていないことは、日本政府として痛恨の極みで
ございます。
 そんな中、先般、フランスのビアリッツで行われましたサミットにおきまし
ては、サミット全ての参加国において現在進めている米朝プロセスを支援し、
朝鮮半島を非核化していくことで一致したところでございますが、何よりも大
切な拉致問題について、私から改めて、この拉致問題の重要性、深刻さについ
て、また経緯についても説明させていただいたところでございますが、日本の
姿勢に対して、全ての参加国から理解と支持を得たところでございます。特に
トランプ大統領からは、日本と協力して、この問題全力で解決をしていこうと
いう発言もあったわけでございます。今後も、日米で、そして国際社会と力を
合わせてこの問題の解決のために全力を尽くしていきたいと、こう決意をして
いるところでございます。
 そして何よりもこの拉致問題を解決していく上においては、日本が主体的に
取り組んでいく必要があるわけでございます。この問題を解決する上において
は、私自身条件を付けずに、金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合って
いく。そして、冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃さないとの姿勢で、
この問題の早期解決に取り組んでいく決意でございます。
 17年前、金正日、当時の委員長が、この拉致問題について北朝鮮が行った
ことを正式に認めたのでございますが、あれからの17年間の歳月と同時に、
この拉致問題を金正日委員長が認める前の年月は、社会にとって、日本社会が
まだまだ半信半疑であった時代もあったわけでございますし、政府自体もこの
問題について、実際に北朝鮮が拉致を実行したかどうかということについて、
皆様と認識を一にしていなかった時代もあり、正に皆様方はそういう中で、本
当に肉親を取り戻すために大変な御苦労を重ねられてこられたんだろうと、こ
う思う次第でございます。しかしその後、北朝鮮自身が自分たちが実行したと
いうことを認めた後も、今日まで残念ながらこの問題が解決していない。
 オールジャパンで、安倍内閣一体となってこの問題を解決しなければいけな
い。改めて、今日その決意を新たにしているところでございます。皆様方も、
あれから年を重ねられたわけでありまして、この問題解決に向けて、もう一刻
の猶予もないわけでございますので、今日皆様方から色々とお話を伺いなが
ら、皆様と共にこの問題、取り組んでいきたい。皆様方が、お嬢様を、そして
息子さんを、肉親を、皆さんの手で抱き締める日がやってくるまで、私たちの
使命は終わらないとの決意で臨んでまいる次第でございます。
 今日は、またこの後、皆様からそれぞれお話を伺いたいと思いますので、よ
ろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。」
 また、安倍晋三首相は、国民大集会の挨拶で次のように述べたという。
 「国民大集会の開催に当たり、総理大臣として一言、御挨拶を申し上げま
す。
 2002年9月17日に、平壌(ピョンヤン)で日朝首脳会談が行われ、当
時の金正日国防委員長が公式に拉致を認めてから、明日で17年目となるわけ
でございます。当時私も、小泉総理と共に訪朝したわけでございまして、先方
から5名が生存、そして8名が死亡、そう言い渡されたわけでございますが、
あの時のことの衝撃は、今も胸に刻まれているわけでございます。しかしその
後、彼らが出してきた資料は真実ではないということが明らかになり、我々は
それ以来、全員の奪還を目指して、今日に至っているわけでございます。
 拉致被害者御家族の皆様はもちろん、御本人も年を重ねてこられました。一
刻の猶予も許されない。その思いを強くしているところでございます。いまだ
に残念ながら5人の皆様の御家族の帰国後は、一人の拉致被害者の奪還も成し
得ていない。痛恨の極みでございます。
 こうした中で、本年5月末には、拉致被害者の御家族の皆様に、来日された
トランプ大統領と再び面会していただきました。拉致被害者の皆様との面会は
2回目となるわけでございますが、今回も時間をとって一人一人の皆様から事
情を聞いていただきました。その際、早紀江さんにもお話も頂きましたし、あ
るいは有本さんからもお話を頂いたんですが、有本さんのお話、大変情熱を込
めて話をされましたので、ちょっと長めになったんですかね。事務局の方が、
有本さんそろそろ、とこう促されたんですが、トランプ大統領は、今、正に有
本さんにとって大変大切なことを話しているんですから、有本さんにはどうか
最後まで話させてくださいと、トランプ大統領が促されまして、有本さんはそ
の後、私の全部ここで話はできないので、私の思いは手紙に書いてそれをホワ
イトハウスのスタッフの方に渡したので、是非後で読んでもらいたいと、こう
有本さんがおっしゃいました。それに対しまして、トランプ大統領は、誰に渡
したんだい、スタッフに渡したって永久に私の手には来ないよ、と、誰か受け
取った人は手を上げてくれ、と言ったら、ホワイトハウスの人がその手紙を、
こう高く手に掲げました。トランプ大統領は、じゃあその手紙、俺のところへ
持って来い、と言ってその手紙を受け取って、それをボルトン補佐官に渡しま
した。私のデスクの一番上に置いておいてもらいたい、必ず読むからね、とこ
う彼は言ってくれました。その後、その手紙を読んだ後の返信の手紙が、有本
さんのところに来ました。そこには、有本さんに対して、私と安倍さんは必ず
勝利する、ということを自筆で書いていただいたわけでございまして、正に日
本とアメリカ、この問題を解決していく上において、完全に立場を同じくして
いるわけでございます。
 しかしもちろん、この問題を解決していく上においては、大統領とともに国
際社会の理解が必要であります。先般のビアリッツ・サミットにおきまして
も、G7のメンバー、少し入れ替わりがございましたので、改めて拉致問題の
重要性についてお話をさせていただきました。北朝鮮との問題は、もちろん核
の問題、ミサイルの問題は大切ですし、朝鮮半島を非核化していくという米朝
プロセスを支援していく。そのためには、一致をしなければいけないというこ
とでは、正に参加国全員が賛成したのでございますが、同時に東アジアの情勢
の平和と安定を確保する上においては、拉致問題を解決しなければいけない。
拉致問題を解決しなければ、日朝の国交正常化はないわけでありますから、日
朝国交が正常化しない限り、この朝鮮半島の、あるいは北東アジアの平和と安
定にはつながらないというお話、説明もさせていただきました。拉致問題を解
決していくということについて、日本の立場に対する支持を、全ての参加国か
ら、支持と理解を得たところでございます。
 しかしもちろん、この問題を解決していく上においては、日本が主体的にこ
の問題に取り組んでいかなければなりません。私自身、条件を付けずに金正恩
委員長と直接向き合っていく。冷静な分析の上に、あらゆるチャンスを逃すこ
となく、果断に行動していく考えでございます。
 北朝鮮には、勤勉な労働力とそして豊富な資源があります。しかし、それを
いかしていく上においては、北朝鮮に大きな決断をしてもらう必要があるわけ
であります。それによって初めて北朝鮮には明るい未来が開かれてくるのであ
ります。相互不信の殻を破り、そして何より重要な拉致問題を解決し、不幸な
過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指していく決意に変わりはありま
せん。拉致問題は、安倍政権の最重要課題であります。本日、この集会に先立
ち、拉致被害者の御家族の皆様と懇談する機会をいただきました。改めて皆様
の痛切な思いをお伺いさせていただきました。御家族の皆様が、この日本の地
で御家族を抱きしめる日がやってくるまで私の使命は終わらないとの決意で、
この問題に取り組んでまいります。
 拉致問題の解決のためには、正に日本国民が一致団結して、全ての拉致被害
者の一日も早い帰国への実現に強い意志を示していくことが大切であろうと思
います。17年前の明日9月17日、あの17年前5名の方々が帰国すること
ができたのも、それに向けて国民の皆様が声を大きくして、一つにして、被害
者を日本に返せ、こう声を上げていただいた結果だろうと、こう思っていま
す。その声こそが国際社会を動かし、そして北朝鮮を動かしていくことにつな
がっていきます。私もまた、皆様と心を一つにしながら、過去の経験をいか
し、拉致問題解決に向けて全力を尽くしていくことをお誓い申し上げまして、
本日の御挨拶とさせていただきたいと思います。皆様一緒に頑張っていきま
しょう。よろしくお願いします。ありがとうございました。」