日本国憲法が改正され、正規の国軍なり、自衛軍なりを持てるよう になると、軍隊内の秩序維持のために必然的に「軍法会議」の設置が要請され ることになります

2019/09/22 ブログ
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ところで、日本国憲法、旧陸海軍が設置していた「軍法会議」など特別裁判所
を認めていません。しかも、第九条が「陸海空軍その他の戦力は、これを保持
しない」と規定し、軍隊を持てないことになっているので、当然、「軍法会
議」という機関は、存在し得ないのです。
 しかし、日本国憲法が改正され、正規の国軍なり、自衛軍なりを持てるよう
になると、軍隊内の秩序維持のために必然的に「軍法会議」の設置が要請され
ることになります。

その場合、現行憲法が第七十六条第二項で「特別裁判所は、これを設置するこ
とができない。行政機関は、終審として裁判を行うことができない」という規
定に則り、特許審判所や海難審判所のように「軍法会議」を「終審」でなけれ
ば設けることは、可能です。
 この意味で、国民投票法が制定され、憲法改正が現実性を帯びてきているい
ま、「軍法会議」とは、一体どんな機関であったのかについて、確認しておく
価値はあります。
 軍法会議は原則として、現役軍人・軍属及びそれに準じる者(召集中の軍人
・俘虜)を対象とし、戦時にあっては民間人であっても特定の犯罪に関しては
管轄していました。戦時・事変に際して臨時に、一定の部隊や地域に設置され
る特設軍法会議が存在していました。対象となる行為が敵前逃亡や抗命などの
重罪である場合がほとんどであり、弁護・公開・上告は認められず、銃殺刑に
処せられる割合が非常に高かったといいます。
 たとえば、二・二六事件では、緊急勅令によって設置された東京陸軍軍法会
議で審判が行われた。首謀者と北一輝は、銃殺刑に処せられています。
 さて、日本国憲法は裁判官の独立を保障する観点から、その身分は手厚く保
障しています。しかし、以下の三点に限っては、罷免されます。

 (1)心身の故障のために職務を行うことができないと決定されたとき(裁判
官分限裁判)
 (2)公の弾劾によるとき
 (3)国民審査において、投票者の多数が罷免を可とするとき(最高裁判所裁
判官のみ)

 (2)の場合について、日本国憲法は、第六十四条で「裁判官の弾劾裁判」を
規定しています。「公の弾劾」を行う機関として国会に設置されているもの
が、裁判官弾劾裁判所です。制度趣旨は、公正な判断を確保するために司法裁
判所による同輩裁判を避ける必要があること、国民による公務員の選定罷免権
を保障するためにその代表である国会議員に任せるべきことなどです。
 裁判官弾劾裁判は、過去に八例あります。たとえば、鬼頭史郎・京都地裁判
事補が三木武夫首相に布施健検事総長を騙った謀略電話事件により、罷免。下
山芳晴・宇都宮地裁判事が、ストーカー行為事件で罷免されています。