RYOSUKE
ABE
from
CLUE, Inc

Letter from Ryosuke Abe

テクノロジースタートアップ「CLUE」は、世界中をドローンが飛び交う未来をつくる会社。ドローンを用いた空撮や測量、点検などを事業として展開するほか、国内外に向けてドローン用データ管理クラウドサービス「DroneCloud」を提供しています。
ドローンでスタートアップすること、そしてまだ市場が確立されていない領域で、投資家・佐俣アンリとどのように並走してきたかを阿部亮介が語ります。

ドローンが飛びまくっている世界を、近づけたい。

僕はアンリさんの「未来をつくろう。圧倒的な未来を。」という言葉が好きです。僕たちCLUEは、世界中をドローンが飛び交っている、圧倒的未来を実現するスタートアップです。

――週に2日の出社日の朝、工事が続く渋谷駅に降り立って上空を見上げると鉄筋が空を飛んでいる。「群制御」された工事用ドローンが鉄筋を空高くまで運び、ビルを組み上げているのだ。

六本木ヒルズや渋谷ヒカリエなどの大型商業施設を歩いていると、屋内を飛行する小さなドローンに案内されて、打ち合わせ先や取材先のテナントへと足を運んでいるビジネスパーソン、編集者たちとすれ違う。

会社から帰宅途中、家の前の街灯を見上げると、昨夜見た時は切れていた電球をロボットアームをつけたドローンが交換している最中だった。帰宅してシャワーを浴びて、リビングウェアに着替えると、ベランダのドローン着陸台に夕食が届く。熱々の夕食を食べ終える頃、スマートフォンにレストランから知らせが届く。
「最近開店しました。ドローンなら3分ですが、あなたの家からなら徒歩でも10分。ぜひご家族でもご利用ください」
オンラインでレストランのレビューをし、送られてきたクーポンをつかって週末のディナーを予約する――。

今はまだこれらは「圧倒的」に思える未来かもしれないけれど、僕たちはこの未来を確定的だと信じています。いつ到来するかはまだ分かりません。でも、ドローンが空を飛び交い、私達の生活を根本的に変える未来は確実に到来する。その時を早めることが僕たちの仕事です。

アンリさんは「もっと大きいこと」に誘ってくれた

僕とアンリさんは、僕がCLUEとは異なる事業でスタートアップをしていた時、資金調達の中で出会いました。その事業は順調に成長していて、大手メディアにも取り上げられ、僕は仲間とともに「金脈を掘り当てたぞ」というくらいの気持ちでいました。でも、アンリさんに事業を説明した時にもらった返事は、他の誰のものとも違っていた。また、僕の期待とも異なっていた。アンリさんは「もっと大きいことしようよ」と誘ってくれたんです。

「成功確率30パーセントの5億円ビジネスをやるんだったら、成功確率1パーセントの1000億円ビジネスをやったほうが、期待値計算上は高くなる。それになんか、燃えるじゃない?」

何をするかは決まっていなかった。でも、僕はアンリさんの見ている世界の大きさに憧れた。今見ているものとは全く違うものが見れるんじゃないか、世界に影響を与えるようなことが自分にもできるんじゃないか。そう思って、事業を転換することを決めました。もっと、大きなことに。
僕は大学時代に航空宇宙を研究していて、当時いっしょに事業をしていた仲間は電気・電子情報だった。それらのバックグラウンドからも、ドローンをビジネスに選びました。

テクノロジースタートアップの戦い方で世界を変革し続ける

僕たちはテクノロジースタートアップです。
大学や研究機関の研究開発を観察すれば、将来、いつ頃にどんな技術が商業化し普及するかは、すでに決まっていることが分かります。そこで、たとえば2040年頃に普及するはずの技術を2030年に実現できれば、世界に大きな影響を与えることができる。その領域の「発明家」になることができるんです。それを実現するのがテクノロジースタートアップであり、僕たちの戦い方です。
僕たちは未来のロードマップから逆算し、進めるべき事業を決めています。今、力を入れて取り組んでいるのは、既存のドローンを「賢く」するIoTデバイスの開発です。搭載することでリモートコントロールも航空管制もできる、本当にドローンが空を飛び交う世界を実現するための基礎技術をまさに今、つくっているところです。

僕たちの会社名「CLUE」には「課題解決の手がかり」という意味がこめられています。「テクノロジーによって、革新的なソリューションを提供して課題を解決しよう」それが僕たちのテクノロジースタートアップとしてのアイデンティティです。
今はドローンの領域でチャレンジをしていますが、もしも他に自分たちのリソースを生かすことができ、より大きなチャンスがあれば、いつでもコミットしたい。そうして世界の課題を解決し、変革し続けていけるような組織を目指しています。