新型コロナウイルスの影響で今年の日本のゴールデンウィーク(GW)は例年とは異なり、旅行など不要不急の外出は控え皆が外出自粛するという異例の事態となりましたね。
ゴールデンウィークという長期休暇に伴い普段はやむを得ず通勤などで外出していた方々も外出自粛で自宅にとどまることができたおかげで、新型コロナウイルスの感染拡大をある程度抑えることができたのではないでしょうか。
とは言え心配なのがゴールデンウィーク明け、特に電車やバスなど公共交通機関で通勤する場合ですね。
テレワーク(在宅勤務)で出勤せずに自宅から働いている人が以前よりも増えたとは言え、まだまだ出勤している方が多いのも事実。そういった方々はゴールデンウィーク明けには再び通勤し始めなければなりません。
元々車、自転車や徒歩で通勤している人や、普段は電車など公共交通機関で通勤しているけれど新型コロナウイルスの感染拡大を受け自転車や徒歩に通勤方法を切り替えることができた人は良いとして、気になるのは電車など公共交通機関でしか通勤できない人たちです。このようなご時世に公共交通機関で通勤は当然したくないけれど、電車に乗らざるを得ない距離だったり他に選択肢がないという人たちももちろん沢山いらっしゃると思います。
そう考えると、ゴールデンウィーク明けは電車やバスなど公共交通機関を利用した通勤者が増え、新型コロナウイルスの感染拡大が増加してしまうのではないかという懸念が浮上してきます。
実際、ゴールデンウィーク明けの通勤電車やバスなど公共交通機関はどのくらいの混雑状況なのでしょうか?
ゴールデンウィーク明けの通勤電車やバスなど公共交通機関の混雑状況
日本でゴールデンウィーク明けにあたる5月7日、通勤電車やバスなど公共交通機関の混雑状況について世間の声を調べてみました。
混んでいる・密状態と感じたケース
「通勤電車今までに比べると圧倒的に混んでいる」「朝の通勤電車は普通に『密』状態だった」「ざっと見た感じ80〜90%の乗車率」「ソーシャルディスタンスとか言ってる場合じゃない」「距離を取るのが無理」などなど、SNS・ネット上ではゴールデンウィーク前やゴールデンウィーク中よりも電車が混んでいる・密状態になっていると感じている人が大半だったようです。
思ったより空いていると感じたケース
一方で「通勤電車ガラガラでいい感じ」「通勤電車が混雑してる話も聞くけど私のところは空いている」「いつもの電車もこのくらい空いてたらなあ」などなど、思ったより空いていると感じている人たちもいらっしゃいました。
こればっかりはやはり利用している路線ごとに状況がかなり異なるようですね。首都圏だと都心は混んでいるけれど郊外ではそうでもない、といった状況が見られたりするようです。
ゴールデンウィーク中に緊急事態宣言(外出自粛要請)が延長になりましたが、ゴールデンウィーク中という事で対応できなかった会社や、元々テレワークや休業・自宅待機を5月6日までに設定していたため、5月7日には出勤せざるを得なかった会社もあるようです。
政府も緊急事態宣言(外出自粛要請)の延長をゴールデンウィーク開始前に宣言できていたら、ゴールデンウィーク明けの今の状況は少し違っていたかもしれませんね。
この電車やバスなどの公共交通機関を使った通勤問題はやむを得ない方が大半だとは思いますが、やはりコロナ禍で密を避けなければならない現在の状況にも関わらずいくつかの路線において実際に密の状態が起きてしまっているというのは、感染拡大に繋がってしまうのではと不安になります。
ドイツの場合
筆者の住むドイツでは、経済面よりも感染拡大を防ぐことを最優先にロックダウンの緩和策は非常に慎重に、焦らず段階的に施行されています。5月の3連休後、ドイツでも例えば美容院の営業が再開されるなど、少しずつロックダウンが緩和されてきた感じはします。それでも、外出時のマスク着用や他人との距離を少なくとも1、5メートル保つソーシャルディスタンスなど、これまでのルールは施行されたままでです。
また、ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワーク(ドイツでは “ホームオフィス” と言います)が急速に浸透したこともあり、通勤しなくて済む人が多いように感じます。
というかドイツ人の性格上、もし公共交通機関を利用しなければならないにも関わらず会社に出勤を命じられたら、社員は「こんな時期にリスクを冒してまで出勤しません」と抵抗すると思います。ドイツ人は日本人と違ってプライベート>仕事だという話を以前にも記事に書かせて頂きましたが、今回も仕事より自分や家族の健康の方が大事と考える方が多いように感じますし、筆者もその姿勢には共感します。
そのため日本のゴールデンウィーク明けのような「ほぼ満員電車」のような話は今のところ聞いたことがありません。
日本人も「人間は働くために生まれてきたのではなく、人生を健康に幸せに生きるために生まれてきた」という根本的な部分を忘れるべきではないと思います。
通勤電車やバスなど公共交通機関内での新型コロナ感染のリスクや対策は
新型コロナ感染のリスク
電車やバスなど公共交通機関を使用して通勤する人たちの新型コロナウイルス感染のリスクは、テレワークや自宅待機中の人たちに比べてもちろん高いはずです。
【「専門家会議」の内容を掲載しました】
4月1日の専門家会議で発表された、「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」を掲載しています(PDF版、全12ページ)。爆発的感染を防ぐため、国民の皆さまには、今一度「3つの密」を避ける取り組みの徹底をお願いします。https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf …
というのも、厚生労働省が避けるべきだと呼びかけている3密のうち①換気の悪い密閉空間②多くの人の密集する場所という2つの密が該当するからです。
日本には普段からマスク文化がありますし、皆マスクを着用してはいるでしょうが、ほぼ満員電車のような状況でソーシャルディスタンスを保つのは難しいですよね。
通勤電車やバスなど公共交通機関内での新型コロナウイルス感染対策
筆者は専門家ではないため、下記はこれまで集めてきた情報に基づき「今公共交通機関を利用して通勤しなければならない場合自分なら今まで以上にこれらを徹底するであろう」という対策案であることをご了承ください。
既に実施されている路線も多いとは思いますが、まず公共交通機関を運営する会社側は常に電車やバスの窓を少し開けておくことで車内が換気できるようにし、密を避けるよう努めるべきでしょう。
そして公共交通機関を利用する側の対策としては主に下記のポイントがあげられると思います:
- 鼻と口をきっちりと覆ってマスクをする
- 会社や家に着いたら石鹸で30秒以上かけて手洗いする、または殺菌ジェルを使う
- うがいは、するなら水ではなく殺菌効果のあるうがい薬を使う
- 混雑を避ける – 比較的空いている車両に移動する、混雑する時間帯を避けるなど。明らかに普通車よりも空いているのならグリーン車を利用する
- 外の空気が入ってくるところに移動する(ドアや開いている窓の近くなど)
- ソーシャルディスタンスを意識して他人との距離をできるだけ保つ
- 手すりや吊革など、他人が触れる場所をできる限り触らない
- 清潔でない手で自分の顔を触らない
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