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(落合)今日は喜ばしいお知らせがあります。とうとう 鈴木君が結婚することになりました!
お~!(拍手)
(鈴木)ありがとうございます!(昌子)相手は? どんな人?
実は… 古山君を初めてダンスホールさ 連れていった時に最初に声をかけろと言った女性でして…。
あの辺にしよう。あのぐらいが ちょうどいい。
(裕一)あ~! 鈴木さんが「あのぐらいがちょうどいい」って言ってた…。
古山君 古山君…。
あっ… 違う 違う! いい意味でいい意味で ちょうどいいだから!あの… いい意味で愛してるって。
失敗は誰にでもあるが失敗から学ぶ人間は少ねえ。
逃げんなよ 自分の心から。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
(杉山)既に断った案件です。 以上です。
(音)よろしいんですか?
ビクトリーレコードさんと契約しますよ。
あっ うそです。
イットウレコードさんもご興味を持たれています。
もちろん うそです。
しかしながらコロンブスレコードさんは姉の見合いの席でご紹介された義理があるのでわざわざ 参った次第です。
少々… お待ち下さい。
(廿日市)こちらから連絡させて頂こうと思っていた次第です。
1年で 3,500円。
ひとつきに2曲以上書いて頂くということで いかがでございましょう?
(吟)3,500円!? 今まで私が見合いした誰よりも高給取りじゃん。
どうやって勝ち取ったの?突然なの。 訳が分からん。
契約書は?
ある。
だまされとる心配は どこにもないわ。
裕一さん 喜ぶかな?当たり前じゃん!
これ持って 早く福島に行っといでん。
「善は急げ」よ!
はい!
(戸をたたく音)
(及川)はい。
おはようございます。 関内 音と申します。朝早くから申し訳ありません。
一刻も早くお伝えしたいことがあり参りました。
(大河原)あの~ どちらさんで?
大手レコード会社が裕一さんと契約すると言っています。
ここに 契約書もあります。
裕一さん 音楽を続けられるんです。
♪~
裕一さんに 音楽を捨てさせないで下さい。
お願いします。
もし… 私が お気に召さないなら身を引きます。
それでも どうか…それでも 裕一さんに音楽を捨ててほしくないんです。
お願いします。
(まさ)頭を上げて。
私は 裕一の母です。
厳しい世界で あの子が傷つく姿をもう… 見たくない。
諦めた今が一番傷ついています。
それでも… やめれば これで終わります。
音楽が そばにある限り裕一の心は傷つき続けます。
もう… 傷つく裕一を見たくないんです!
(まさ)分かってくれる?
あなたも 子どもを持てば分かってくれる。
成功を求めて傷つくより身の丈に合った幸せをつかんでほしいの。
彼の身の丈は 世界にとどろく音楽家です。
ありがとう。 うれしいわ。
でもね… 選ばれる人って…導かれていくものだと思うの。
留学が決まった時 もしかしたら裕一も そういう人なのかもしれないって思ったわ。
なのに…。
こんなに大きな夢 見せられて…世界が不況だからって留学を取り消されて…。
(まさ)裕一は傷つけられた。
どうか… お引き取り下さい!
ああ… 頂きます。
うん!
(三郎)ハァ… あっ あっ…!
どうしました?裕一は!?
茂兵衛さんが連れていきましたけど。
どこに!?
(茂兵衛)もう10年になる。
何度か危ない時があったが持ちこたえた。
どうして 僕をここに?
お母さんになる人だろう。
そ… そうですね。
今 目 動いたか?いや… 気付きませんでした。
いや 動いた!裕一 手 握ってやってくれ。
あっ… ゆ… 裕一です。
ほら。ああ… ありがとうございます。
舶来品だ! 返せよ。
伯父さんは?先生に 話 聞いてくる。
帰りは 車 呼ぶから 心配ねえ。
それじゃあ。
フフッ。
おっ!何?
音さんが来た。 母さんと話してる。
そう。 僕には関係ない。
そんなわけねえだろ! 音さんおめえのために来たんだ。 すぐ帰るぞ。
父さん…もう お願いだから来ないでほしい。
もう… ほっといて。
僕は権藤裕一になる。
裕一は 淡々と 銀行の仕事をこなすようになっていました。
おい テツ。
あの天才の留学 世界恐慌の影響で取り消しになったらしいぞ。
(鉄男)えっ?
♪~
村野さん。
あいつは?恐らく 教会でしょう。
あいつは大丈夫ですか?
今日は弾かないんですか?
もう やめようと思ってて。
お客様が来てます。許可をもらってから会いたいと。
誰ですか?
関内 音さんと申されてました。
♪~
ごめん また来て。
ううん… どうしたの?
怒っとる?
ううん… 何も。 何?
私 レコード会社を回ったの。
裕一さんを作曲家として雇ってもらえないかって。
いや… こんな田舎の音楽学校も出てないやつ誰も相手にしないよ。
コロンブスレコードが契約してくれるって。
裕一さん 認められたんだよ!音楽 作れるんだよ!
もう一回 挑戦しよう!
裕一さんなら やれる… きっと やれる!
ありがとう。じゃあ…。
それだけで…。
これ 断ったら 終わっちゃうよ。
本当に終わっちゃうんだよ。いいの? 裕一さん!
音さんは… 音さんの人生 歩んで下さい。
おめえ 何言ってんだ!?誰?
小学校からの知り合い。昔 よく いじめられてた。
おい! おめえ どうした?
何で そんなに ひねくれてんだ!
せっかく この人が見つけてくれた契約何で断んだ?
東京に行け… なっ?
俺も行く! 作詞する!
お前は曲作る! なっ?
何で…?
何で?
何で みんな… みんな僕のこと ほっといてくれないんだ。
救われたからよ!
励まされたからよ!
元気をくれたからよ!
みんなあなたに幸せになってもらいたいの。
自分の人生を歩んでほしいの!
♪~
自分の人生…。
自分の人生… 自分の人生…。
家族の幸せ…家族の幸せ 家族の幸せ…。
(雷鳴)