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「てるみくらぶ」社長ら逮捕へ 警視庁 銀行から2億円詐取か

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「てるみくらぶ」社長ら逮捕へ 警視庁 銀行から2億円詐取か

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山田千賀子社長 1/2枚

 今年3月に経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」(東京)が、決算書類などを改竄して銀行から現金約2億円をだまし取った疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が詐欺容疑で、同社の山田千賀子社長(67)ら幹部2人から8日にも聴取する方針を固めたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。容疑が固まり次第逮捕する。経営破綻の余波で多くの旅行客が宿泊先や帰国便を確保できなくなった問題は、刑事事件に発展する見通しとなった。

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 捜査関係者によると、山田社長と同社の会計責任者は、実際には平成26年ごろから債務超過状態に陥っていたにもかかわらず、決算書類を改竄して黒字に見せかけるなどし、銀行から融資名目で現金約1億9400万円をだまし取った疑いが持たれている。

 破産開始申立書などによると、同社は銀行や税務署、国際航空運送協会(IATA)などに数種類の決算書類を提出していた。

 同社は10年設立。「格安」をうたって海外旅行の販売を手掛け、28年9月期の売上高は195億円。若者の旅行離れや格安ツアーの競争激化に伴い、27年ごろから増加傾向にあった広告費や人件費が経営を圧迫したとみられる。

 同社をめぐっては今年3月24日、旅行ツアーの航空券が一部発券できなくなり、旅行客を海外に残したままツアーが中止になるなどのトラブルが発生。同月27日に東京地裁に破産手続きを申請した。破産申請時の負債は約150億円で、うち約100億円が一般旅行客約3万6千人からのものという。

 今月6日に都内で開かれた債権者集会で、山田社長は粉飾決算などを認めた上で「(経営が)悪循環に陥っていて嘘を重ねてしまった」などと話したという。

                  

 【用語解説】てるみくらぶ問題

 海外旅行を格安で提供していた旅行会社「てるみくらぶ」が平成29年、経営破綻状態となり、海外旅行客が宿泊先に泊まれなくなったり、帰国できなくなったりするトラブルが発生。代金支払い済みの旅行客への返金も行われなかった。旅行客への影響は約8万人に上ったとされる。4月に入社予定だった内定者が内定取り消しになるなど、影響は広範囲に及んだ。

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  • てるみくらぶをめぐる事件の構図

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