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「てるみくらぶ」山田千賀子社長らを逮捕 2億円詐取の疑い 警視庁 

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「てるみくらぶ」山田千賀子社長らを逮捕 2億円詐取の疑い 警視庁 

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警視庁渋谷署に入る「てるみくらぶ」社長の山田千賀子容疑者=8日午前10時19分 1/4枚

 今年3月に経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」(東京)をめぐり、虚偽の決算書類を作成し、銀行から融資名目で現金約2億円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は8日、詐欺などの疑いで、同社社長の山田千賀子容疑者(67)=東京都町田市=と、元経理責任者の笹井利幸容疑者(36)=埼玉県春日部市=を逮捕した。

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 逮捕容疑は、2人で共謀し、経営状態が良好であるように見せかけた決算書類を数回にわたり三井住友銀行に提出。融資名目で約2億円をだまし取ったとしている。山田容疑者は6日に都内で開かれた債権者集会で粉飾決算を認めていた。

 破産開始申立書などによると、同社は平成26年9月期以降、慢性的な赤字が続いていたが、利益を水増ししたり支出を過小計上したりするなどの手口で、黒字に見せかける粉飾決算を繰り返していた。28年9月期では、決算書類上は1億2000万円の営業利益を計上したが、実際には50億円の営業損失を計上していた。

 捜査2課は、同社は詐取した融資金を運転資金に充てていたとみて、詳しい資金の流れを調べている。

 同社は、破綻直前まで「現金一括入金キャンペーン」とする広告を出したり、契約者に早期に旅行代金を支払うよう求めたりしており、資金繰りが悪化した“自転車操業”の状態だったとみられる。破綻により、同社は契約者ら約3万6000人に約100億円の負債を抱え、計8~9万人に影響が出たとされる。

 同社は10年設立。大型旅客機の空席を安く仕入れてインターネットで販売する手法で急成長したが、近年は航空会社が需要に応じて旅客機を小型化したり、旅行客が代理店を通さずに航空便やホテルを予約する傾向が強まったりしたことで業績が低迷していた。

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  • 山田千賀子容疑者
  • 経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」が入居していたビル=8日午前、東京都渋谷区(松本健吾撮影)
  • 経営破綻した旅行会社「てるみくらぶ」が入居していたビル=8日午前、東京都渋谷区(松本健吾撮影)

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