地元っ子おすすめ!
一日で奥州の魅力を巡るモデルコース

日帰りで奥州市を満喫したい人という人へおすすめのコースを、奥州市の魅力を発信する「地域おこし協力隊」の隊員とともにセレクトしました。 自然やグルメ、パワースポットのほか、宮沢賢治もお気に入りだったという、宇宙を体感できるミュージアムなど、みどころが盛りだくさんです。

INDEX

10:00奥州湖(胆沢ダム)で自然豊かな景色に心洗われる

胆沢ダム

土や砂利、岩石でせき止められた奥州湖(胆沢ダム)

奥州市北西部に位置する胆沢地域。その山あいに奥州湖(胆沢ダム)はあります。土や砂利、岩石を積み上げて造られた「ロックフィルダム」としては国内最大級。眺望台からは、美しい山々や田園風景を眺められます。

まずは、奥州市中心部から続く国道397号沿いの「胆沢ダム管理支所」へ。ここには展示室があり、ダムの概要や周辺地域の自然環境などをパネルや模型で紹介しています。知識を深めたら外に出て、胆沢川をせき止めている「ダム堤体(ていたい)」の上を歩いてみましょう。

ダム堤体の上からも奥州湖を眺めることはできますが、車で10分ほどのところにある「奥州湖眺望台」も、ぜひとも訪れてほしい展望スポットです。ここからは、奥州湖(胆沢ダム)のスケールの大きさを俯瞰で見られるほか、晴れていれば、焼石連峰の山並みや、日本三大扇状地とも言われる胆沢平野の美しい田園風景も見渡すことができます。

なお奥州湖眺望台へ続く道路は、積雪により11月上旬~4月中旬頃まで閉鎖されます。おでかけの際は事前に確認を。

DATA

奥州湖(胆沢ダム)/おうしゅうこ(いさわだむ)
問合せ:北上川ダム統合管理事務所胆沢ダム管理支所
電話:0197-49-2981
住所:岩手県奥州市胆沢若柳横岳前山6
アクセス: JR水沢駅から車で30分、東北新幹線水沢江刺駅から車で40分、東北自動車道水沢ICから車で40分
料金:見学無料
時間:9~17時
定休日:無休
駐車場:50台

11:30農家レストラン「まだ来すた」で胆沢地域の恵みを味わう

まだ来すた

豆腐やおから、豆乳など、地元産大豆を使った豆太郎セット1080円

農家の女性たちが運営する農家レストラン「まだ来すた」。「農家が手間暇かけた作物を上手に使い、胆沢の心を伝えたい」と、野菜や米、大豆、肉、味噌まで、地元産にこだわり、家庭の味を手作りで提供しています。

胆沢産大豆を使った「豆太郎セット」は、2004年の開業時から人気のメニュー。小鉢や漬物、ドレッシングまで、手作りの優しい味わいです。

ご飯は、胆沢産ひとめぼれを天日干しした自然乾燥米を、もみ殻を燃料にした昔ながらの糠釜で炊き上げます。火力が強いもみ殻で炊くと、1粒1粒がふっくら立ち上がり、米本来のおいしさが際立つのだそう。

GROWの外観

糠釜で炊いたごはんは絶品と評判です

店名には、「何度も訪ねてほしい」という願いが込められています。

食べ終わって「まだございね(また来てね)」と送り出されると、「まだ来すた(また来たよ)」ともう一度来たくなる、あたたかみあふれる農家レストランです。

DATA

農家レストラン まだ来すた
(のうかれすとらん まだきすた)
電話:0197-46-4241
住所:岩手県奥州市胆沢若柳大立目19
アクセス:JR水沢駅から車で21分、東北自動車道水沢ICから車で22分、奥州SICから車で26分
営業時間:11時30分~14時30分LO、1・2月は金~日曜のみ営業
定休日:3~12月は月曜と第1・3日曜、1・2月は月~木曜
駐車場:30台

13:00レトロな洋館で宇宙を体感!「奥州宇宙遊学館」

奥州宇宙遊学館

木造2階建ての奥州宇宙遊学館。望楼付きのドイツ風建築として大正時代に建てられました

「奥州宇宙遊学館」は、大人から子どもまで、宇宙について楽しく学べる施設。国立天文台水沢キャンパスの敷地内にあります。

趣のあるレトロな建物はもともと、「緯度観測所」の本館として大正10年(1921)に建てられたもの。昭和42年(1967)まで使われた後、耐震改修工事などを経て再構築され、2008年に奥州宇宙遊学館としてオープンしました。

奥州宇宙遊学館

階段や窓のデザイン、色使いからもレトロな雰囲気がただよう

現在館内では、緯度観測所として使われていた当時の貴重な機材や、月探査機「かぐや」の模型が展示されています。月と地球の砂の比較や、惑星の重力比較ができるコーナー、迫力ある立体映像が見られる「4次元デジタル宇宙シアター」などもあり、楽しみながら宇宙のあれこれを学べます。

奥州宇宙遊学館

月の砂と地球の海の砂を比較。間近でながめたり、砂時計を動かしたりしながら違いを観察できます

かつてここが「緯度観測所」だったころ、たびたび足を運んだ有名人がいました。岩手県出身の童話作家、詩人として知られる宮沢賢治です。

宇宙への造詣も深かった賢治。『銀河鉄道の夜』『風野又三郎』にも、緯度観測所で受けたインスピレーションが反映されていると考えられています。

こうしたつながりから、建物が緯度観測所としての役割を終え、老朽化により解体されてしまいそうになったときには、市民と賢治ファンたちのはたらきによって保存への道が開けました。

「奥州宇宙遊学館」と併せて見学したいのが、すぐ向かいにたたずむ「木村榮(ひさし)記念館」。緯度観測所の初代所長・木村榮博士の業績を称える施設で、無料公開されています。

木村榮(ひさし)記念館

奥州宇宙遊学館の向かいにある「木村榮記念館」。もとは明治32年(1899)に「臨時緯度観測所」として建てられました

木村博士は、地球の自転に関する「Z項」という世紀の大発見をしました。館内では、Z項発見時に使用していた眼視天頂儀(望遠鏡)や、その後使われた歴代の観測装置、木村博士に授与された文化勲章など、貴重な資料を見ることができます。

木村榮(ひさし)記念館

木村博士が使っていた所長室も再現されています

大正時代に建てられた奥州宇宙遊学館も、明治時代に建てられた木村榮記念館も、国の登録有形文化財。宇宙やその研究の歴史はもちろんのこと、建築にもロマンを感じられるスポットです。

DATA

奥州宇宙遊学館(おうしゅううちゅうゆうがくかん)
電話:0197-24-2020
住所:岩手県奥州市水沢星ガ丘町2-12
アクセス:東北新幹線水沢江刺駅から車で15分、JR水沢駅から車で5分、東北自動車道水沢ICから車で15分、奥州SICから車で15分
観覧時間:9~17時(最終入館16時30分)
休館日:火曜(祝日の場合翌日)、12月29日~1月3日
観覧料:大人・学生200円、生徒・児童100円
駐車場:20台

14:30「正法寺」で古刹のパワーをもらう

正法寺

江戸時代は仙台藩・伊達家の庇護を受けていた正法寺。法堂の棟飾りには伊達家の家紋である竹に雀、三引両、九曜の紋が配されています

「正法寺」最大のみどころは法堂(本堂)の茅葺屋根。

屋根の高さが約26mもあり、思わず「おぉー!」と声を上げてしまうほどの迫力です。

また、七不思議が伝わるお寺としても知られています。いくら湯を汲んでも、湯量が減らずどんどん底から湯が沸いてくる「文福茶釜」や、掛け軸を開くとたちまち雨が降ったという「飛竜観音図」など、言い伝えの奥に潜む教えに想像を巡らせてみて。

庫裡内の「茶處」では、お茶やコーヒー、お茶菓子を自由に楽しむこともできます。

古刹のパワーを感じるひとときを楽しんでみてください。

DATA

大梅拈華山 圓通 正法寺(だいばいねんげざん えんづう しょうぼうじ)
電話:0197-26-4041
住所:岩手県奥州市水沢黒石町正法寺129
アクセス:JR水沢駅から車で20分、東北自動車道水沢ICから車で23分、奥州SICから車で30分
時間:9~17時(11~3月は~16時)
定休日:無休
料金:拝観500円
駐車場:50台
URL:https://shoboji.net/

16:00モダンな南部鉄器を求めて「及源」へ

及源

工場併設のファクトリーショップ。食卓にそのまま出せるおしゃれな南部鉄器は、幅広い世代に人気だそう

古くから鉄器の生産が盛んな水沢地域で、160年以上も前から続く「及源鋳造」は、老舗ながら、デザイナーらとコラボレーションしたモダンなアイテムで注目を集める鋳造所です。

及源

工場見学も可能。平日13時30分~16時(無料、前日までに要予約)

熟練の職人によって作られた鉄器は、併設のファクトリーショップで手に入れることができます。
店内にはさまざまなコレクションが並びますが、なかでも話題を呼んでいるのが、イギリスのプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソン氏とのコレクション「Palma(パルマ)」。洗練されたデザインと使いやすさを追求した逸品です。

及源

Palmaティーポット(1ℓ)1万6200円(手前)、Palmaキャセロール(24cm)2万3760円、木台1万2960円(奥)

ジャスパー・モリソン氏のほか、社内外のデザイナーや料理研究家らとも手を組んで新商品を次々と生み出している及源鋳造。
ファクトリーショップには、ここでしかお目にかかれない限定アイテムも並びます。

使うほどに風合いが増す南部鉄器には、“育てる”楽しさもあります。お気に入りを見つけて、長く大切に使い続けたいですね。

DATA

及源鋳造(おいげんちゅうぞう)
電話:0197-24-2411
住所:岩手県奥州市水沢羽田町堀ノ内45
アクセス:東北新幹線水沢江刺駅から徒歩10分
営業時間:9~17時
定休日:無休
駐車場:10台