「まだ来すた」は、農家の女性たちが運営する農家レストラン。
“農家が手間ひまかけた作物を上手に使い、胆沢の心を伝えたい”と、野菜や米、大豆、肉、味噌まで、地元産にこだわり、家庭の味を手作りで提供しています。
旅の楽しみといえば、おいしいごはんですよね。奥州には、おいしい料理はもちろん、田んぼや果樹園など、のどかな田園風景とゆったり流れる時間も楽しめる食事処があります。
そんな食事処で、日常から離れてリラックスしてみませんか。奥州ならではの空気感の中で食べる、大地の恵みたっぷりのごはんは、心にじんわり効いてくるはずです。
地元産大豆を使った「豆太郎セット」1080円。メインは「豆腐と野菜のハンバーグ」または「豆腐のはさみ揚げ」から選べます
「まだ来すた」は、農家の女性たちが運営する農家レストラン。
“農家が手間ひまかけた作物を上手に使い、胆沢の心を伝えたい”と、野菜や米、大豆、肉、味噌まで、地元産にこだわり、家庭の味を手作りで提供しています。
古民家の農作業場を改築した店内は、梁や柱、欄間が昔のまま。照明は暗渠排水管やすだれを使うなど、斬新なアイデアが光ります
民芸の趣のなかにシックな魅力がある木造りの店内は、目線を合わせて話せる低いカウンターや半円風テーブルなどが置かれ、心の通う交流の場。BGMは地元のミュージシャンの作品です。
いろいろな「地元産」に彩られ、ここだけ別次元のゆったりした時が流れるようです。
豆腐やおから、豆乳など使ったヘルシーメニューとこだわりのご飯が大好評。漬物やドレッシングまで、手作りの優しい味わいです
「まだ来すた」でぜひ味わいたいのが、胆沢産大豆を使った「豆太郎セット」です。2004年の開業時からの人気メニューで、豆腐たっぷりのふわふわハンバーグや、豆乳を使ったおからサラダやプリンなど、滋味深い品々が揃います。
また、「豆」以外のメニューにも一切、手抜きはありません。取材時に驚いたのは、「ピーマンの辛子漬け」の甘みの豊かさ! そのおいしさに、隣接する農産物直売所でピーマンを買って帰る人もいるそうです。
天日干しした胆沢産ひとめぼれを、もみ殻が燃料の釜で炊き上げ。ひと粒ずつふっくら立ち上がり、米本来のおいしさが際立ちます
そして何より、お膳の“主役”が、昔ながらの釜で炊き上げたツヤツヤごはん! 甘みがじんわり口中に広がる、これぞ本物の贅沢、至福の味わいです。新米の季節でなくても「絶品」と評判のご飯です。お代わりもできますよ。
田んぼの中にたたずむ、懐かしい趣の古民家。「古き良きものと新しいものが融合」した農家レストランです
「何度も訪ねてほしい」という願いが込められた店名の通り、食べ終わって「まだございね(また来てね)」と送り出されると、「まだ来すた(また来たよ)」ともう一度来たくなってしまうのが、こちらのお店。
遠方からも、わざわざ目指して来るリピーターは多数とのこと。奥州のおいしい思い出ができそうです。
農家を改築した建物は和の趣たっぷり。農道沿いの小さな看板から入って行くと、「日本昔話」を思わせる姿が現れます
かつて、ほたるがたくさん飛び交っていた胆沢。
「ほたるの宿」は、その風景を復活させようという地域の活動に合わせて名付けられました。店主の佐藤カヨ子さんは、奥州市水沢で12年間喫茶店を営んだ後、生まれ育ったこの地が「やっぱり一番」と、2005年に開業したそうです。
農家の土間を改築したテーブル席の大きな窓から、のどかな田園風景を見渡せます
「ほたるの宿」は、静かな田んぼのなかの一軒家。開放的なのに、知る人ぞ知る隠れ家的な雰囲気もある。だからこそ、ゆったり和める場であり続け、多くの人たちから愛されているのだと思います。
店内は天井が高く開放感があり、太い梁が歴史を感じさせる30畳の座敷や、洋風のフロアから田園風景を眺めるひとときは格別です。また待合スペースには、野点傘や縁台がある和の空間と、ホテルのフロント風のカウンターが融合し、「宿」の雰囲気が漂います。
「ほたるランチ」は個数限定のため、ぜひ予約を
自家製のきんぴらやひじきなど、桶に並ぶ小鉢の多さに驚く「ほたるランチ」は、「いろいろな物をお腹いっぱい食べたい」という店主の願望を桶に盛り込んだ、華やかな看板メニュー。目で愛で、味わい尽くしましょう。
ご飯、味噌汁、お新香、デザート付きの大ボリュームながら1080円と、リーズナブルなことにも驚きますよね。
チーズたっぷりナポリタン972円
また、農家レストランのイメージを覆す、カレーやナポリタンなども注目です。なぜこんなにもたくさんのメニューが?というと、赤ちゃんから100歳までのリクエストに応えるうち、メニューが花盛りになったそう。
理屈抜きにおいしいものを!という気持ちがうれしいですね。
とろとろのチーズ2種類が入った、チーズたっぷりナポリタンは甘め&濃いめで、懐かしい喫茶店の味。鉄板でアツアツのうちに完食しましょう。
昼は味噌田楽コンニャクの食べ放題サービスもあります。空間、お値段、そしてメニューの数まで、どれをとってもサービス精神旺盛な「ほたるの宿」で、すてきな奥州旅の思い出を作ってください。
赤や黄色など、さまざまなりんごがなる様子を眺めながら過ごせます
「水先」という土地にあるから「Mizusaki Note(ミズサキ ノート)」。
りんご畑に立つ小さなカフェは、まさにりんごの名産地であるこの地区を「note=記録」するかのようなお店です。
「Mizusaki Note(ミズサキ ノート)」は、仙台のクリエイター夫婦が江刺地域に移住して始めたお店。きっかけは、りんご農園を営んでいた夫・及川健児さんのご両親の体調が思わしくなかったこと。
「いままで地域の人たちが育んできた江刺りんごを私たちの手で守り、たくさんの人に知ってもらいたい」と、りんごジュースやスイーツを扱ったカフェ&ギャラリーを始めました。
店内では、オーナー手作りの椅子に腰かけ、りんご農園を眺めながら、りんごをまるごと絞ったジュースを味わう…なんて、ここでしか体験できない、贅沢な時間が過ごせます。
ジュースは6種類がラインアップ
カフェの自慢は、自分たちの農場で収穫したりんごをまるごと使用したフレッシュジュース。水で割らないため、江刺りんごそのもののコクや甘みを楽しむことができます。
「サンふじ」や「ジョナゴールド」など6種類のなかから3品種を選んで飲み比べられる「りんごジュース・3品種の飲み比べ」450円が人気です。
店内で焼き上げるスイーツの甘い香りが漂います。テイクアウトもOK
ジュースだけでなく、デザートももちろん、りんご尽くしです。
アップルパイなどのケーキプレート700円~は、とにかくりんごがたっぷり!妻・由希子さんの手作りで、りんごの味わいが存分に楽しめるメニューです。
自家製りんごのフランボワーズのクランブルケーキ730円。奥はりんごジュース・3品種の飲み比べ
キッシュ&スコーンランチ1000円。地場の野菜を中心に使用しています
「自分たちにしかできないことを、マイペースでやりたいんです」と話す由希子さん。「Mizusaki Note(ミズサキ ノート)」は、こだわりが詰まった空間で、手塩にかけて育てたりんごをのんびり楽しめる素敵なカフェでした。
家具職人でもある健児さんが手がけた椅子やテーブルも、あたたかな雰囲気作りにひと役買っています。カフェはギャラリーも兼ねているので、お気に入りの家具があったら注文してみるのもいいかもしれません。
部屋に一脚置けば、気持ちが良い奥州の風を、感じられそうです。