北上川舟運の集散地として栄えた江刺地域には、かつて商家の蔵が立ち並んでいました。
そんな歴史を今に伝えようと、白壁の蔵が残る地域に、石畳の歩行者専用道路を設け、散策したり、イベントを開催したりできるようにしたのが「蔵まちモール」。青々とした街路樹と白壁のコントラストを楽しみながら、のんびり観光できるエリアです。
おでかけしたら、やっぱり素敵な写真も残したい!そんな人におすすめのスポットを、奥州で探してみました。クラシックな街並みに、美しい田園風景、一面のヒマワリ畑、奥州市を舞台にした映画のロケ地と、奥州市の“懐深さ”を象徴するように、個性的なスポットが揃いました。
カメラ片手の奥州旅を、お楽しみください。
街灯にはステンドグラスの装飾が施されています
北上川舟運の集散地として栄えた江刺地域には、かつて商家の蔵が立ち並んでいました。
そんな歴史を今に伝えようと、白壁の蔵が残る地域に、石畳の歩行者専用道路を設け、散策したり、イベントを開催したりできるようにしたのが「蔵まちモール」。青々とした街路樹と白壁のコントラストを楽しみながら、のんびり観光できるエリアです。
石畳の遊歩道とクラシックな蔵が続く「蔵まちモール」
「蔵まちモール」は一大観光名所「歴史公園えさし藤原の郷」から車で3分ほどの場所にあり、幕藩時代の歴史を感じられる場所として、観光客の注目を集めています。
「蔵まちモール」のみどころは何といっても重厚な蔵。リノベーションした蔵を利用したショップのほか、昔ながらのレトロな雰囲気を残す白壁の蔵も目にすることができます。
いたるところから重厚感が醸し出されています
全長200mほどの遊歩道は石畳で、クラシックな雰囲気。夕暮れには街灯が灯り、一層雰囲気が増します。
黒と白の幾何学模様が美しい、なまこ壁も見られます
また「蔵まちモール」では、食事やショッピングも楽しめます。昔からこの地域で愛されてきた「岩谷堂羊羹」や「亀の子せんべい」などを販売しているお店もあり、散策しながらお土産を探すのも楽しみです。
見分森公園展望台から見た胆沢平野。散居集落が美しい田園風景を織りなす
胆沢平野(扇状地)唯一の丘陵地に広がる「見分森公園」の東側にある、コンクリート製の建物が「見分森公園展望台」です。海抜113mに位置する展望台からは、胆沢平野はもちろん、JR水沢駅周辺や奥羽山脈なども見晴らせ、奥州の大パノラマが楽しめるビュースポットになっています。
純粋に、開放的な眺めを楽しむのも良いのですが、ここから眺めると“日本三大散居集落”のひとつといわれている「胆沢平野の散居集落」の特徴がよく分かります。田畑の中に点在する屋敷や、各屋敷の北と西に茂る防風林「えぐね」といった、散居集落ならではの特徴を、意識して眺めてみるのも良さそうです。
散居集落は、現在では全国で数カ所しか見ることができない貴重なもの。このどこか懐かしく感じる風景を求めて、展望台を訪れる人も多いそうです。
また、夜景も見逃せません。胆沢平野に浮かび上がる散居集落のポツポツとした明かり、JR水沢駅やJR陸中折居駅のキラキラ輝く街明かりなどが楽しめます。展望台からの夜景は、「ふるさと名所50景」にも選ばれています。
園内には外灯がほとんどないので、夜間に訪れる際は懐中電灯などを持参すると安心ですよ。
のどかな風景にアクセントを添えるかのように咲き誇るひまわり
夏の風物詩といえば、ひまわりを挙げる人も多いのではないでしょうか。青い空と黄色いひまわりのコントラストは、夏にしか見られない絶景ですよね。
奥州にも、そんな絶景が見られるスポットがあります。
JR水沢駅から車で30分ほどの場所にある「江刺米里鳴瀬のひまわり畑」では、例年8月上~中旬に、まるで黄色いじゅうたんを敷き詰めたかのような、一面に広がるひまわり畑を楽しむことができます。
「江刺米里鳴瀬のひまわり畑」は約6000㎡あり、30万本ほどのひまわりが植えられています。道路沿いに広がっていて、車窓からも色鮮やかな姿を見ることができます。
山をバックに咲くひまわりの姿だけでも十分美しいですが、SNS映えを狙うなら、晴れの日に訪れましょう。青空に映える黄色のひまわりは、まさにフォトジェニックですよ!
いち子(橋本愛さん)とユウ太(三浦貴大さん)が、イワナの塩焼きや味噌汁を食べた場所
2014年に夏・秋編、翌年に冬・春編が公開された映画『リトル・フォレスト』は、ヒロインのいち子(橋本愛さん)が自給自足の農村暮らしをしながら成長する姿を描き、根強いファンの多い作品です。絶え間なく手を動かし、動植物の命を手間と時間をかけて味わう料理の豊かなこと!
いち子の食べっぷりも見事で、「生きる、食べる、つくる」を丸ごと表現していました。
そんな映画『リトル・フォレスト』には、五十嵐大介さんの原作漫画の舞台である衣川の大森地区を中心に、奥州市の美しい風景が多数、登場します。
まず訪れたいのが、キャンプ場「衣川ふるさと自然塾」です。森や川など奥州の自然の中に、広場やロッジ、旧分校などが点在しています。
餅つき大会が行われた分校。この時食べた「つきたて餅の納豆餅」が、いち子の「一番のごちそう」です。要予約で見学も可能
施設内には、五十嵐さんの原画や映画の絵コンテ、実際に使った調理台や薪割り台などが展示されており、ロケ地マップも置かれていますよ。
いち子とキッコ(松岡茉優さん)が並んでアケビを食べ、「人と獣との競争で、すぐに取り尽くされてしまいがち」なアケビを増やすため、種を飛ばす縁側
地区を流れる下大森川の水は透き通り、静かな集落に瀬音が響きます。映画では、小川でクレソンを摘み、サラダを作っていました。上流で採ったミズは、叩いて粘り気を出したミズとろろがおいしそうでした!
いち子が稲刈りの昼休憩に、前の年の米で炊いたくるみご飯のおにぎりを食べた土手
このあたりはリスやシカ、キツネなど、いろんな動物がいるそうです。
厳しくも魅力的な本物の自然や、心優しい住民の方々とふれあうなら、ぜひ「衣川ふるさと自然塾」に宿泊し、いち子の歩みをじっくりたどってみてください。