スカーレット 総集編(後編)戸田恵梨香、松下洸平、伊藤健太郎、富田靖子、大島優子… ドラマの原作・キャスト… New!
出典:『【連続テレビ小説】スカーレット 総集編(後編)』の番組情報(EPGから引用)
【連続テレビ小説】スカーレット 総集編(後編)[解][字]
信楽の工房で八郎(松下洸平)の陶芸を支える喜美子(戸田恵梨香)は、大切にしてきた信楽焼のカケラから思いたち穴窯に挑戦する。しかし、八郎と意見が対立し別れることに
番組内容
信楽の工房で八郎(松下洸平)の陶芸を支える喜美子(戸田恵梨香)のもとに三津(黒島結菜)という若い弟子がやってきて波乱を巻き起こす。喜美子は大切にしてきた信楽焼のカケラから思いたち穴窯に挑戦するが八郎と意見が対立し別れることに。炎と向き合い続けた末に独自の信楽焼を見出し陶芸家として成功する。時がたち陶芸家を目指していた息子の武志(伊藤健太郎)に病気が判明する。喜美子は武志が生きる日々にともに向き合う
出演者
【出演】戸田恵梨香,松下洸平,伊藤健太郎,富田靖子,大島優子,林遣都,桜庭ななみ,福田麻由子,黒島結菜,稲垣吾郎,マギー,財前直見,佐藤隆太,水野美紀,正門良規,本田大輔,紺野まひる,中村育二ほか
原作・脚本
【作】水橋文美江
『【連続テレビ小説】スカーレット 総集編(後編)』のテキストマイニング結果(ワードクラウド&キーワード出現数ベスト20)
- 武志
- 喜美子
- お母ちゃん
- 穴窯
- 八郎
- ハチ
- 直子
- 陶芸家
- 作品
- 鮫島
- 信楽
- 百合子
- お願い
- 慶乃川
- 大丈夫
- お金
- ギュ
- バラ
- 元気
- 失敗
『【連続テレビ小説】スカーレット 総集編(後編)』の解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?
☆無料で民放各局の動画視聴ができるTVer(ティーバー)!まずはココから!
他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、以下バナーから各社のラインナップを調べてみるのもいいかもしれませんね。
(直子)海やぁ~!
(信作)おっ ほんまや! 海やぁ!
百合子 海やでえ。
♬~
(喜美子)武志。
(武志)おう。
日本一の湖や。 うん。
よう見とけぇ こっちの心も大きなるで。
♬~
信楽で女性陶芸家の道を切り開いた
川原喜美子の物語が始まります。
♬~
喜美子 31歳になりました。
おはよう。
おはよう 百合叔母ちゃん。
テレビ欲しいなあ?
もうええから。
お義兄さんは? もう作業場?
うん。
おととい あかまつに行ってやったやろ。
ああ 美術商の佐久間さんに誘われてな。
何で?
昨日 あかまつのおやじさんが
お義兄さん来てた言うてたもん。
百合子 あかまつ行ってるん。
(マツ)ああ 最近 行くようになってなあ?
へえ~。
誰と行ってんの?
ともちゃん 結婚したやろ。
信にいや。
信作!? あんた 信作と飲んでんのん
いつから?
2人で飲むようになったん 最近やな。
知ってた?
うん 知ってたよ。
陶芸家として世に出た八郎が
新しい作品を模索している中
かわはら工房に弟子が入りました。
東京から来た 松永三津です。
よろしくお願いします!
ほな やるからには
厳しゅうやらせて頂きます。
はい!
1…。
(2人)2 3 4 5 6 7…。
痛っ。
すいません。 近いなぁ。
(2人)2 2 3 4…。
まあ ちょっとずつ進んできたな。
はい。
ああっ!
もっかい やってみぃ。
基本が大事や。 な?
以前 声をかけてくれた橘さんが
喜美子に連絡をくれました。
(陽子)いらっしゃいませ~。
(大野)いらっしゃい。
ご無沙汰しておりますぅ。
(橘)ご無沙汰してますぅ。
橘さんが依頼してくれたのは
引き出物用の絵付け小皿200枚でした。
♬~
イカしてますね!
うん?
かっこいいです!
あっという間に何十枚も。
まだまだやん。
先生の言ってたことが分かりました。
えっ? 何か言うてた?
喜美子さんには才能があります。
えっ?
私も そう思います
もう 見てて そう思いました!
すっごい集中力で 無心で作り続けて…。
えっ 何 そんな才能なんか分かんの?
いや~ よく分からないですけど
かなわないなぁっていう感じは
分かります。
横にいられると
しんどいなぁっていうのも分かります。
しんどい?
ハチさん そんなこと言うてた?
何でやろ…。
何で?
あ… 才能のある人が横にいると
息苦しさを感じることだって
ありますよね。
あっ 一般的な話ですけど。
うちは
そんなふうに感じたことないけどなあ…。
喜美子さんは そっち側の人だから。
そっち側?
できる人間です。
何や それ。
努力しても 努力しても
駄目だなあって人間もいるんです。
ハチさんは違うで。
(三津)はい。
優しいけどな そんな弱い人ちゃうで。
繊細なんです。
繊細な人だなあって思います。
そうか。
電話かけんでええの?
ほんま 何も言わんと いきなり行くのん?
(信作)前もって言うたら
喜美子らも構えるやろ。
ここは ふだんどおり
ふらっと顔出す感じで行ってな
ほんで さりげなく 結婚のことを切り出す
その方が俺らしい。
分かりました。
うん。 うん。
(笑い声)
おう! ほな 行ってくんでえ!
(大野)おう。 (陽子)行くでえ。
行こか。
何や その格好…。
川原家に ご挨拶に行くでえ。
行こか。
えっ 行くん?
えっ 一緒に行かんの?
行ったらおかしいやろ。
おかしい言うてるで?
おかしい?
俺に任せとけ。
もう目ぇそらさんで。
ほんま?
しっかり 頭下げてくる。
ほんまやな?
あの! 反対されるわけないです。
まあ 驚くとは思うけど
反対なんてされるわけありません。
いやいや そんなん分からんで
喜美子やで?
大丈夫! 絶対 大丈夫。
何の問題もありません。
それは それで つまらんな。
ほな わしが反対しよ。
うちが反対するわ。
ほな 2人で反対する…。
な… な… 何で そうなんねん もう!
もう ほっといてくれ もう!
ようやく気付いたわ
「此の親にして此の子あり」やな!
今頃 気ぃ付いたん?
うちは ずっと前から分かってたわ。
ほんで うち
大野家 面白くて 大好きや~!
や~!
百合ちゃ~ん!
その気になった大野家一同でしたが
思わぬ邪魔が入りました。
(直子)ほんまにやるで?
(鮫島)ああ。
え~っと 5か月でして…。
え~ 産まれんのは まだ先やけど…
あ… 先ですけど
あの…。
(せきばらい)
(鮫島)あっ もちろん入籍はします。
ご報告が遅くなってしまったこと
申し訳なく…
すんませんです。
えっと… 今 住んでるアパートも手狭やし
引っ越したいし…
子どものために! え~ すいません
少し 少し…
用立てて頂けないでしょうか。
お願いします!
その前にな…。
(鮫島)はい。
おめでとう。
鮫島さん
直子のこと よろしくお願いします。
直子もな…
子どもを持って 家庭を持ったら
好き好き言ってるだけやったらあかんで?
鮫島さんのこと
大事に大事にせな あかんねんで?
赤ちゃん どっちやろなあ? 楽しみやな。
おめでとう。
おめでとう。
(百合子)おめでとう 直姉ちゃん。
鮫島さんも。
あ… ありがとうございます。
(百合子)お母ちゃん?
お母ちゃんな 合唱団で喉痛めて
声出えへんの いらだってんねん。
(鮫島)ああ そやったんですか。
この前もな
ネズミに いらだちぶつけてなあ。
へえ~。
もう ほうきで…
そうそう こうやって ほうきでな…。
おおっ! お母ちゃん!
(八郎)お義母さん…。
お母ちゃん! お義母さん…。
何すんの お母ちゃん! やめてえや!
(八郎)お義母さん…!
お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
はあ…。
(直子)はあ…。
うそ…?
僕ですぅ! 言いだしたんは 僕です!
子どもでも理由にせんと
お金 用立ててもらえんやろう言うて…
僕が! 僕が! すいませんでした!
ふぅ…。
何 これ…。
こんなんで よう だましたな?
見てみぃ 百合子 こんなんやで?
ハハハッ…。
ハハハハッ!
アホやな。
そっちこそ
よう そんなんで だまされたな。
何 言うてんねん!
わあ!
(笑い声)
きゃ~! アホ~!
アホや! アハハッ。
うわあ~!
もう! 砂 入った!
直子
お金 なんぼ必要なん?
うちが出す。
うちも働いてるし 出せるで。
百合子はええ 貯金しとき。
うちも 絵付け小皿の注文受けたしな。
ほやから お金の心配はせんでええ。
ほやから 頼むで
二度と あんな小細工したらあかんで?
次に だますようなことしたら
敷居またがせへんからな。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ほな 楽しい思い出 話そうや。
さっきある言うてたやん。 百合子 何?
イチゴ食べたことや。
それ 今やん。
久しぶりに そろって食べたら楽しいわあ。
昔 スイカ食べたん思い出した。
ああ 食べたな。
楽しい思い出や。
(百合子)ほや お風呂入る? 沸かそか。
今から?
(百合子)砂まみれやん!
ほんまや。
八郎に呼ばれた喜美子を待っていたのは
憧れの あの人。
いらっしゃいませ。 喜美ちゃん!
来てるで 来てるで。
(八郎・小声で)喜美子。
(八郎)あの…。
(ジョージ富士川)うん?
あの いつぞやは
ありがとうございました! 川原です!
(ジョージ)あ~! 座りぃ?
(柴田)仕事の話は済んださけ。
また実演会やってもらおう思てな。
ええやん。 座りぃ?
すんません ありがとうございます。
失礼します。
(小声で)着替えてきたん?
(小声で)そら 着替えるやろ…。
着替えてきたん?
すんません。
着替えて こんなんで すんません!
ハッハッハッ。 ほんま すんません!
いや いや いや 謝らんでも。
ありがとうございます。
(笑い声)
おお~ はあ~。
前に来た時に見てな 気になってたんや。
アッハハッ。
室町時代のものらしいです。
室町時代。
調べてもろたんです
専門の方に見て頂いて。
へえ~。
何や 心惹かれるなあ この色合い。
はい。
ええなあ。
はい。
「芸術が ここにも宿る」やな。
(柴田)室町時代の ただの焼きもんが
昭和の時代に芸術と呼ばれるやなんて
持ち主も驚いてるでしょうな。
ハハッ。
当時やったら 何でもないかけらかあ。
日用品でしょう。
そのころは 日常生活で使うものは
焼いて作ってたんやし。
(ジョージ)薪でな?
(柴田)ほら そうですわ。
薪だけ? 薪だけで
こういう色合いが出るんですか?
ほやで。
ほな こんなふうなん できる?
う~ん… これは…
灰がええ感じで かぶさったんやろうなあ。
どういうことですか?
あのな
薪を焼いて出た灰が
これに かぶさって 溶けて
ほんで こういう色合いを出すんや。
(八郎)灰が釉薬の代わりに。
(柴田)そういうことですわ。
(ジョージ)はあ… ほやけど
よそでは そうそう見かけん色合いや。
(柴田)そら 土の違いでしょうな。
(ジョージ)土の違い?
例えば 鉄分。
信楽の土に含まれる鉄分の割合は
ほかの土とはちゃいます。
ほな これは
信楽の土ならではの色合いや。
♬~
タヌキの道をな…。
うん?
タヌキの道あるやん。
うん。
あの道を左に折れて
ず~っとず~っと登っていくねん。
うちが大阪行く前の日や。
道は荒れてて 足元悪くてなあ…。
この道でええんやろか…
道 間違えてへんやろか…
歩いて歩いて 歩き続けて…
細い道を歩いていくと
ようやっとパアッと開ける。
そこから見える夕日が きれいや…。
お父ちゃんに教えてもろた。
そこで見つけたんが
このかけらや。
きれいな夕日が映ってた…。
(八郎)映ってた…?
映ってたように見えてん。
頑張りぃ言われてるみたいでなあ…。
明日から大阪や 負けんときぃて…。
よ~し 行くでえ思うた。
うちの熱い瞬間や。
「明日から一人で頑張るでえ」。
あの…
あん時の あの気持ちを残したい。
何かに残したい。
それが この色や。 このかけらの色や。
ほな 薪で焼き物やられているところは
もうありませんか?
ほやから 芸術品作ろういう
陶芸家の先生やったらやってるんちゃう?
穴窯いうの 造ってな。
穴窯…。
そない大きなもんでもないで。
この庭でもできるぐらいのよ。
言うたら たき口があって
燃焼室 焼成室やらがあって
煙が通って 煙突… みたいなよ。
どうやって 造るんでしょう?
いや そら 実際に造った
陶芸家の先生とこ行って聞くんが
手っとり早いで。
詳しいことも教えてもろてよ。
この辺りで いらっしゃいますかね?
この辺りには いやらへんなあ…。
あっ 前にな 穴窯やってたいう人の話
聞いたことあるな。
えっ ほんまですか!?
お名前 分かりますか?
何ちゅう名前やったかなあ…。
≪(武志)ただいま!
お帰り。 お帰り。
ご挨拶して。
こんにちは!
こんにちは。
あ… ほやほや
武志君に聞きたいことあったんや。
はい!
あんな 武志君
お父ちゃんの後 継ぐんけ?
陶芸 興味あるか?
アッハッハッハッ まだ小学生やもんな
先のことは分からんな。
はい! 分かりません。
ハッハッハッ… 今は元気なんが一番や。
よし。
よし? よし… よし…。
慶乃川さんや!
慶乃川さん!?
(大野)いらっしゃい。
(陽子)いらっしゃいませ。
(純平)川原さんですか?
はい。
あっ すんません。 これ 穴窯設計図や
見取り図もろもろ 全部入ってます。
仕事の途中なんで
ゆっくりしてられへんのですけど…。
いらっしゃいませ ご注文は?
コーヒーを。
はい。
お仕事中 すみません。
川原八郎と申します。 妻の喜美子です。
僕は 保険の営業やってます。
あの 慶乃川さんは…?
僕の伯父にあたります。
おいっ子さん…。
伯父は 去年 亡くなりました。
慶乃川さんが残した資料には
穴窯にかかった多額の経費と
行き詰まった様子が書かれていました。
(マツ)喜美子。
お母ちゃん。
ずっと ためてきたもんや。
ようやっと使える時が来た。
何で お金?
穴窯を造るんやろ?
造りたいんやろ?
俺も出したる。
靴下の穴 塞いで稼いだ 36円や。
ありがとう。
ありがとうございます。
大事に使わせてもらいます。
穴窯造りが始まりました。
ここ 置いときます。
ああ おおきに。
♬~
もっと いっぱい 手ぇにつけ。
よいしょ…。
ハハッ。
おっ 頑張ってんな。
すごいな…。
ほんまに出来たんやなあ…。
ありがとう。
(照子)穴窯完成…!
(一同)おめでとうございま~す!
(八郎)ありがとうございます。
(緑)せ~の!
(一同)♬「バラが咲いた バラが咲いた
まっかなバラが」
♬「淋しかった僕の庭に バラが咲いた」
♬「バラよバラよ 小さなバラ」
♬「いつまでも そこに咲いてておくれ」
目標温度は 1, 200度。
窯たきの日数は 3日。
3日でいける?
計算した。 うん。
3日でいけんかった場合は?
何度も計算した。
慶乃川さんが残した資料と
昔の文献と ほかにも いろいろ調べたで。
分かった。
♬~
いよいよ 窯に火をいれます。
♬~
(3人)よろしゅう頼みます!
♬~
まずは 窯全体を ゆっくりと温めていき
600度になったところで
たき口から薪を入れます。
1, 200度まで
上げていかなければなりません。
♬~
予定の3日がたちましたが
1, 200度には届いていませんでした。
♬~
どうする?
まだ続ける?
続ける。
このまま上がらんかもしれんで。
続ける。 ここでやめるわけにはいかん。
4日目の朝。
交代するで。
大丈夫や。
さっきも そう言うてたやん。
もう半日以上やってるで。
平気や 寝んでも。
倒れてまうで。 大丈夫やて。
あかん。
ほな 1時間ほど寝てくるわ。
喜美子。
分かった 2時間。
怒るで? 最低でも 5時間。
5時間は寝過ぎやわ。
5時間は 交代せんからな。
はあ…。
もっかい やってごらん。
そこが怖いねんもん…。
ええ…。 何なん…。
えっ ヘヘヘッ。 何で こうなんねん…。
(八郎と三津の笑い声)
ご苦労さん。
温度上がった?
まだや。
ほな 交代しよ。 ありがとう。
大丈夫?
何が?
寝たんか しっかり。
寝たよ 大丈夫。
ほな 5時間で また交代な。
ちょっと寝るわ。
温度が上がらないまま
5日目の朝を迎えました。
♬~
用意していた薪は あと僅か。
♬~
喜美子は 思いました。
薪を細くすれば
早く温度が上がるかもしれない。
♬~
そして…
1, 200度に到達しました。
♬~
八郎への思いに気付いた三津は
信楽を後にしました。
♬~
(佐久間)やっぱり見に来てはりましたな。
ああ。
気になりますわなあ。 そら そうや。
楽しみですぅ。 ああ。
♬~
気ぃ付けや。
焼きが足らず
望んでいた色は出ませんでした。
失敗です。
ただいま。
あっ お帰りなさい。 お茶…。
ああ ええよ ええよ。 続きやりぃ。
うん。
はい。
ありがとう。 うん。
ほな 言うで。
おう。
今回 使用した薪 420束。
おお… 派手に使たな…。
予備も 全部 使てしもた。
うん…。
金額にして 15万。
15万。
こんな金額 いっぺんに使たん
生まれて初めてや。
次も使うで。
ざっと見積もって 600束。 予備も含めて
700束以上は用意せんとあかんな。
金額にして。
25万。
貯金下ろして ぎりぎりや。
失敗は許されへんな。
許されへん。
失敗はできひん…。
頂きま~す!
頂きます。
頂きます。
どうかしたん?
うまいこといかへんかってん… 穴窯。
知ってる。 お母ちゃん言うてた。
お父ちゃんも ごはんいらん言うてたよ。
何してた?
お父ちゃんは仕事。
お母ちゃんは 穴窯の勉強や。
(マツ)穴窯…。
うまいこといかんかったから
また勉強してるでえ。
お母ちゃんは
シクシク泣いたりしいひんから
心配せんでええよ。
武志! 今 何 食べた?
ニンジン食べたよなあ! ニンジン!
ニンジン食べたん? 食べたん!
(2人)武志~!
2回目も 失敗に終わりました。
分かった…! 分かった ハチさん!
2回目 何で失敗したか!
あんな?
2回目は 急激な温度の上昇が起きたんや
それで割れてしもた。
ほやから 次は
じっくり焼けるよう調整したらええねん。
そう難しいことやないで。
次はないで?
えっ。
25万 またいっぺんに とんでしもた。
次は当分ないで。
積み立てたお金がある。
武志のお金ちゃうんか。
武志が いずれ高校 大学行く時のために
お金ためる言うてた。
いざという時のためや。
せやから それは
武志の いざという時のための
お金ちゃうんか。
喜美子。
ほな 借りてくる。
何 言うてんねん。
なかったら借りるしかないやん。
借金してまで やることちゃうやろ!?
ここで 一旦やめや。
穴窯は おしまいや。 やったら あかん。
喜美子と八郎は 穴窯を巡って
何度も話し合いを重ねました。
穴窯やりたい。
やめたくない。
次は成功させる。 次こそは。
分かってくれたんちゃうんか。
次は どうやったらええかも考えてんねん。
また… おんなじこと また繰り返すで。
もっかいだけ。
もう ええ加減にせえや。
お金は なんとかするから。
借金は あかん。
薪は 山行って拾てくる。
薪の代金ないんやったら
拾てきたらええんよ。
拾てくるような量ちゃうやろ。
何回も行って拾てくる。
何で分かってくれへんねん!?
分かってくれへんの ハチさんやん!
何で うちの気持ち分かってくれへんの!?
ハチさんも陶芸家やん!
何で分からへん?
穴窯のたき口に火ぃつけて
燃えてる火ぃ
あの向こうで 燃えてる火ぃ!
止められへん もっかい見たいねん!
やらせて下さい お願いします!
感情で突っ走っても
うまいこといかへんて
冷静になれや。
もう何べんも言いたないけどな
お金…。
お金やないよ ハチさん。
ハチさんに足りひんのは信じる力や。
♬~
信じて下さい。
うちのこと 信じて下さい。
お願いします。
やらせて下さい お願いします!
八郎は 家を出ていきました。
♬~
(薪を切る音)
何してんねん。
何してんねん!
きったない格好して。
ぶざまな顔して! 顔拭け 顔。
寒なったなあ 一段と。
なあ どういうつもりや
ハチさんも 喜美子も。
別れるの? 離婚でもする気か!?
そんな選択肢ないで?
離婚なんて選択肢ないんやで
分かってんのか!?
♬~
これをな…
お金ないから これを拾いに行ったんよ。
朝 起きて 今日は薪を拾いに行きますぅて
誰に言う必要もなかってん。
薪を拾いながらな
立ち上がったら
冬の風がな… ヒュ~ッと吹いて
そん時 思てん。
ああ 気持ちええなあ…。
一人も
ええなあ…。
そんなこと思てしもてん。
火の流れを考えて
作品を置く位置を変え
温度の上げ方も調整しましたが…。
今回も失敗に終わりました。
じゃ~ん!
大阪の動物園の入場券 用意してくれた。
武志と行ってきて。
えっ…。
じゃじゃ~ん!
うちからは 武志にお小遣い。
ボーナス出たんよ。
えっ 用意してくれたて 何…?
ポパイが用意してくれてん。
ポパイ…? 信にい。
信作 ポパイ!?
ふん!
う~ん!
うちはな オリーブ呼ばれてる。
オ… オリ… オリ…。
どう呼び合おうかなあって
言い合ってるうちに
ポパイとオリーブになってん。
ホホッ。
フフッ。
ポパイ 言うてたでえ。
信楽以外の空気吸って
これからのこと考えてこいって。
ぞうさん でかかったなあ。
でかかった~。 ほんで楽しかった。
楽しかったな。
住所 合うてる?
合うてるはずや。
おおっ。
(ちや子)おおっ!
あっ。
(ちや子)喜美ちゃん! ちや子さん!
遅いから見に行こう思てたんよ。
武志君か? 大きなったなあ。
こんにちは。
よう来てくれたな。
(雄太郎)喜美ちゃ~ん!
雄太郎さん!
あっ 信楽太郎さん!
♬「喜美ちゃ~ん」
やめぇ やめぇ やめぇ やめぇ
せんでええ せんでええ。
(大久保)久しぶりやな。
大久保さん…! ご無沙汰してます!
いくつなりました? 大久保さん。
知らん。
ハハッ。
えっ 荒木荘おった頃 60…?
60過ぎたら
70も 80も 90も 120も一緒やん。
ハハッ。
ほな 120歳で。
ハハハハッ。 よっしゃ 大久保 120歳や。
(笑い声)
まあ 僕も ええ年なったわあ。
ようやっと 約束果たせるわ。
ん?
喜美ちゃんのお父さんに
オート三輪 山のように買うたる言うてた。
ほんまや! 妹にテレビジョンも。
売れたら買うたる 言うた。
そや! ほな お願いしますぅ。
はい。
えっ…。
うん。 いや
オート三輪 山ほどには足らんけど
テレビジョンの足しくらいには。
ええっ お金やん!
こんなん もらえません こんなん!
おかしいやん!
いや おかしないわ。
半年 家賃ためたことあったやん。
え…。
追い出されてもしゃあないのに
内職のお金で助けてくれて…
おいしいごはんも作ってくれて…。
ほんでも あれは…。
利息 払てへん。
もろときなはれ。 雄太郎の恩返しや。
名付け親や。
信楽太郎になって恩返しや。
いや… ほやけど こんなん もらえません
こんなん。
ええから ええから。
ちゃっちゃと しもうときなはれ。
ああ もろとき もろとき。 はい。
あ~ 気持ちええわ。
やっと 人様にお金渡せる身分になった。
ハハハ…。
うちも お金貸してたよな 確か100万ほど。
借りてない 借りてない。
フフフフ…。
ええんですか? ほんまに…。
ええネタにすんのやろ。
ああ。 ラジオで話さしてもらうで。
ありがとうございます。
大阪から戻った喜美子は
再び 穴窯に挑戦することにしました。
♬~
色が出ないのは 一体 何が問題なのか。
[ 回想 ] (柴田)これは… 灰がええ感じで
かぶさったんやろうなあ。
♬~
灰が煙突から抜け過ぎないように
穴の大きさを調整しました。
♬~
土の配合を変えて
何度も試し焼きを重ねていきました。
♬~
次第に 目指す色が出るようになりました。
♬~
京都の陶磁器研究所に空きが出た。
えっ…。
このまま ここにおっても
息苦しいだけちゃう?
京都やったら 電車で すぐや。
信楽 離れぇ。
(鈴の音)
喜美子を心配して
草間さんが訪ねてくれました。
お母さんが手紙に
慶乃川さんのことも書いてきてね。
ああ そやったんですか?
「穴窯をやってた」っていう。
あっ そう! そうなんですよ
何や 変な縁いうか…。
慶乃川さんが今の喜美ちゃんを知ったら…
何て言うだろうね。
陶芸家はやめとけ
言うてはりましたからねえ。 (笑い声)
笑わはるんちゃいますか キキキキキィて。
(笑い声)
アホや言われそうです。
それでもやるんでしょう。
やります。
そうか。
はい。
穴窯を見守ってもらおう
この方に…。
このお方は!
[ 回想 ]
(慶乃川)今日 行かはると聞いて。
これ… 邪魔かのう?
タヌキや!
信楽のお土産として。
(草間)ありがとうございます。
♬~
小さな焼き物だけど… 敬意を表して。
敬意を表して。
見守ってもらおう。
昼間の火の番を交代でお願いしたいねん。
昼だけでええの?
夜は しんどいやろ。
お姉ちゃんかて しんどいやろ
もう ええ年やん。
はあ… もう何べんもやってきたから。
夜も鮫島にやらしぃ。
あっ やります。
直子 結婚したのに
まだ鮫島言うてんのん?
あ~ 癖でな。
フッフッフッフッフッ…。
何?
何?
こう見えて
2人っきりになると
ダーリンって呼んできます。
ちょ… 黙れ!
どこの言葉?
直子! やめぇやめぇ!
これ ちょっと…。 何やってんねん。
あっ これ お土産で持ってきたんで
よかったら お義姉さん着て下さい。
直子! お土産…。
(鮫島)ごめんて。
こら もう やめな…! (戸が開く音)
2週間 たき続けるいうんは ほんまか?
ほんまや。
どっから2週間て数字が。
失敗を積み重ねた結果 出した答えや。
1, 150度で2週間。
1, 150度で2週間 たき続けたら
どないなる思う。
窯が もたんで。
崩れ落ちるで? 焼き過ぎて
下手したら火ぃが燃え移って火事になる。
そこまで燃え移って火事になってまうで?
危険やから やめとけ。
うちが出した答えや。
やらせてもらいます。
前に言うたな。
おんなじ陶芸家やのに
何で気持ち分かれへんのって。
僕にとって 喜美子は女や。
陶芸家やない。
ずっと 男と女やった…。
危ないことせんといてほしい…。
やめてほしい…。
心配してくれて ありがとう。
うちは… ハチさんに出会うて…
陶芸を教えてもろて…
やりたいこと見つけて 見つけられて
ほんまに幸せです。
幸せやから 作品を作りたいねん。
作りたいんです。
うちは 陶芸家になります。
♬~
2週間目を迎えました。
♬~
♬~
喜美子!
火事やぁ 消すでぇ~!
消したらあかん!
水より薪や。 もっと燃やす。
もっともっと 火 たくんや!
♬~
これでええ… これでええんや。
もっと燃やす。 もっともっと燃やすんや。
♬~
♬~
喜美子が望んでいた色が
ようやく出ました。
♬~
八郎は信楽から去り
その後 2人は離婚しました。
♬~
穴窯で作られる作品は 自然釉と呼ばれ
喜美子の代表作になりました。
あの~。
あ… あの
お写真 ご一緒に撮って頂けますぅ?
ああ はい。
あ~! いいって言うてはるわ。
撮りますよ。
陶芸家 川原喜美子が誕生したのです。
♬~
母 マツが亡くなり
喜美子は1人暮らしになりました。
(学)和室にベッドは
空間が ゆがみますよ。
(武志)ただいま。
(学)おお! 武志や~! (大輔)武志!
何 何 何 何…!
(大輔)武志!
(学)久しぶりやな!
ただいま。
お帰り。
息子の武志は 京都の美術大学を卒業後
信楽の研究所で学びながら
陶芸家の道を歩み始めました。
ここの 大体 1センチくらいの
内側まで広げていきます。
まず この高台を作ります。
手のひらで トントン トントン…。
また こっから ひも取ってもろて
左手を上に 右手でつけていきます。
ここを…。
あれ?
親指で つけていきます。
間違えた…。
いや~ おもろかった。
あれ? 武志?
あ~ 何してんの 武志
いつの間に来てたん 寝てたん。
あ…。
どないしたんよ。
ああ 声かけよ思たけど…
あれ… 陶芸教室?
ああ。
どうした? 朝 電話したんやで。
あ… 病院行ってたんや。
あっ そうなん
また風邪か 熱でもあるん?
いや 熱は 今はない。
うん。
何か食べたん?
いや…。
食べるか? 何か作るで。
お母ちゃん。
うん?
話あんねん。
ああ 何?
うん…。
(せきばらい)
どないした。
前にな ひどい風邪ひいてしもて。
もう それ知らんかった… 堪忍な。
で なかなか治らんかったし
医者 行ったんや。
おう どやった 風邪やった?
分からん…。
分からんて どういうこと?
まあ 風邪にしては長引いてるないうて
血ぃ採って調べるか言われた。
えっ。
先生を紹介してもろた。
また くしゃくしゃにして…。
県立病院。
大崎先生や言うてた。
武志の病名を調べるために
詳しい検査を受けました。
(山ノ根)川原武志さん お待たせしました。
はい。
ご一緒に どうぞ。
はい。
♬~
入院せんでもええんですか?
通院でかまいません。
お薬を出しますので。
ほんで 治るんですか?
しっかりと 治療をやっていきましょう。
これまでと変わりなく生活して
大丈夫ですよ?
はい。 ありがとうございます。
ありがとうございます。
ほな 血液検査お願いします。
はい。
失礼します。
すいません。
すいません。
ほんま大丈夫なんかな…。
うん 血液検査行ってきぃ。 うん…。
では 改めて ご説明させて頂きます。
お願いします。
先日の検査結果です。
やはり 白血球の数値に異常が見られ
骨髄検査で
染色体の異常も確認されました。
武志君の病気は
慢性骨髄性白血病と判明しました。
あ…。
武志 県立病院 連れていき。
診てもらいぃや。
嫌 言うても連れてって 血液検査とか…。
分かった。
分かった?
ほんまに連れてかなあかんで
ほっといたら…。
分かったから もう… 帰って…。
うちも分かったで。
何かあったな?
何もないわ。
何年のつきあいや思うてんの。
武志か。 どないした。
うん?
怒るで?
うち 怒ってまうで?
何で あの子が。
何で あの子が病気に…。
病気なん…?
うそや。
うそでも何でも言えや。 うちに ぶつけろ。
怒ったらええやん
うちに怒れや うちに どなれや。
何でも聞いたる。
1人で抱えんなや!
何が大阪や!
のんきでええな あんたは!
おう 言え言え 吐き出せ!
何でなん!? 何で武志が!
何か悪いことしたか!?
してへんで? 何も悪いことしてへん。
ほやのに 何で 武志が…!
あの子 ええ子やで?
ほんま ええ子やで?
ほやのに 何で…。
何で 武志が… 何で…。
何もしてへん
何も悪いことしてへんのやで?
そやのに… そやのに…。
♬~
何でや…。
(泣き声)
ほい。 ほい。 まだいけるやろ。 ほらな。
わんこそばかて。 俺ら ようけ食うたし
お母ちゃん 食べえや。
俺 焼いたるし ほら。
えっ。
もうええて。 ほい。
あの~ うち そろそろ帰ります。
ああ…。 ごちそうさまでした。
あら…。
まだ早くない? 8時にもなってないよ。
門限あんねん。 平日は7時。 週末は8時。
あっ 今日は お正月休みやから特別に…。
ふ~ん…。
ほな 送ってきぃ。
うん。
ああ いいです いいです いいです。
えっ…。
1人で帰れますし。 ごちそうさまです。
ありがとうございました。
ありがとう。
ほな また来週。 来週?
あ… 研究所で。
あ… ハハッ はい。 失礼します。
ほな また。
うん 気ぃ付けてな。
さいなら。
さいなら。
なあ。
うん? 何で来たん。
言いたいことあったんちゃうん。
ここ座り。
うん。
武志。
お母ちゃんが武志のこと
どう思てるか知ってる?
[ 回想 ] 知ってる。 好きや。
好きちゃうわ 大好きや。 おう!
お母ちゃんはな
武志のこと大好きやで。
そのことを ここに置いて よう聞きぃ?
おう!
武志の病名はな… 白血病や。
(やかんのお湯が沸く音)
あ…。
(火を止める音)
そうかぁ…。
そうやないかなぁ思てたんや。
ちょっとな 調べてん。
やっぱり そやったか。 ほい。
♬~
あと どんだけ…
あと何年… 生きられるん。
俺の場合 どうなっていくん?
いつまで元気でいられるん。
先生 何て言うてた?
3年から5年や言うてた。
それが… 俺の余命か…。
そや。
♬~
あ… お母ちゃん ほんまに免許取るん?
今年の目標 100個言うてたな。
俺 まだ2個しかないわ。
大変な道を行く。
あと ゆっくり生きてく。
あ… ゆっくりしてられへんやん。
3年から5年いうんやったら
ゆっくりしてる間に終わってしまうわ。
今年の目標 100個 もっかい考え直さなな。
ヘヘッ。
なにが 3年から5年や。
生きるで。
もっともっと生かしたる。
それを言いに来たんや。
死なさへん。
絶対 死なさへんからな。
お母ちゃんが生かしたる。
なっ。
♬~
骨髄移植の可能性に望みをかけて
喜美子は 適合検査を受けました。
(ノック)
≪はい どうぞ。
失礼します。
じゃあ しっかり押さえといて下さい。
はい。
八郎にも受けてもらいました。
(ノック)
先生。 川原さんです。
おはようございます。
おはようございます。
どうぞ お掛け下さい。
はい。
残念ですが…
検査の結果
武志君と喜美子さんのHLA
つまり 白血球の型は
一致していませんでした。
参ったな ハチさんもあかんかったか。
結果 聞かされて… 診察室出たあと
どうやって帰ったか よう覚えてへん。
気ぃ付いたら 駅前で…
武志と おんなじような年頃の子ぉら
おってな…。
罰金とることにしよか。
はい? 後ろ向きなこと言うたらな。
情けないこと しんどいこと
ひどいこと言うたらな 今度から罰金や。
フッ…。
これ。
これ これ。 これにしよか。
ハハ…。
うちと信作と…
あとな 敏春さんも検査受けるで。
ありがとう。 検査料金 出させてな。
もちろん お礼もさせてもらいます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そんなんするんやったら帰るで?
いや 敏春さんにも声かけてもろて
ほんまにありがたいねん。
2人とも ほんまに…。
(信作)おいおい…。
ありがとう。
何してん それ。 やめろ そんなん。
白血球の型が合うてからにせえ
そういうのは。
そや なかなか合わへんのやろ?
検査を受けたい?
はい。 骨髄移植いうのを聞きました。
武志から聞いたん?
病名教えてもろたあと 調べました。
ほんで… 病院で骨髄移植が
どういうものなのか ちゃんと聞きました。
ドナーになれるかどうか 検査します。
うちも検査します。
俺も。
(大輔)今日来たんは
ほかの人に言ってええか 聞こうと思て。
友達関係は 俺らがまとめます。
(大輔)任せて下さい。
(学)任せて下さい。
ありがとうございます。
☎
や…。
もしもし 川原です。
ああ 直子。 うん。
そうか…
うん。 いやいや ありがとう。 ごめんな。
あかんなあ。
あかんわあ。
全滅やな。
全滅や。
(2人)ありがとうございました。
♬~
武志は 家で治療を続けながら
自分にしかできない作品を
作ろうとしていました。
何してんのん。
お帰り。
あ… ただいま。
何 作ってんの?
うん? 姉貴に茶わんや。
姉貴?
大阪の。 お父ちゃんのお姉ちゃん。
えっ 会うたことある?
うん 小さい頃にな お年玉もうてたで。
覚えてないなぁ。
白血球の型 調べてくれた。
ほんで 新しい茶わん欲しい言うてたから
お礼に贈ったる。
あ… 申し訳ないな。 俺が作ろうか?
ええ ええ… もう…
陶芸やめたこと叱られたから。
最近 またやるようになって
喜んでくれてんねん。
フッ 叱られたん 大人のくせに。
大人どころか中年や。
中年にもなって叱られるて どないやねん。
ほんまや。
フフッ。
離婚した時な
どつかれて 骨折するか思た。
怖いな…。
武志のことだけやのうて
そういう… いろいろ ひっくるめた
お礼の茶わんやさかい。
俺もな お礼のつもりなんやで。
うん?
この作品。
ああ…。
方向性が決まったら 大皿にする。
お世話になった人 みんなに見せたい。
なあ 皿ん中に水の波紋があるんやで
水が生きてるんやで?
こんなん見たら みんな「わあ~!」言うわ。
元気んなる。
元気の出る大皿か。
ううん 「元気ですぅ」いう大皿や。
それが 俺のお礼や。 フフッ。
♬~
ハハ…。
大皿の中に 水が生きていました。
♬~
お母ちゃんの心 今 いっぱいや…。
幸せやなぁ。
武志にしか出来へん作品が 出来たな。
おう。 フフッ。
♬~
信楽で陶芸をしている人たち
誰もが出品できる展覧会が開かれました。
♬~
(芽ぐみ)いやいや…
お米屋畳め言うてんのとちゃうで?
お米以外にも売ってこう言うてんのや。
あっ!
おお~!
きれいやな。 これか。
ええなあ。 すごっ。
堀中ヤスエ先生の。
あっ やっぱり そうですよね?
市議会議員の。
庵堂です。 暮れでしたっけ。
暮れの… え~ 出版記念パーティー。
先生の本の台湾版 担当されて。
あっ 翻訳を頼まれて。
出版社社長の挨拶が えろう長くて…
で あくびしてたら…。
目が合いましたね。 目が合いました。
(笑い声)
草間さ~ん!
アハハハッ。 あ~!
来てはったんですか。
うん。 ご無沙汰してます。
照子ちゃん。 あっ 照子さん。
いや 照ちゃんでええですよ 照ちゃんで。
あっ 敏春さん 草間流柔道の。
(敏春)あかまつで一度。 それ以来ですね。
ご無沙汰してます。
ご無沙汰してます。
(敏春)息子の竜也です。
あ~ そうですか。 初めまして。
(竜也)どうも。
いや ちゃんと挨拶せえ。
ありがとうございます。
今のは 庵堂さんから。 今度は 僕から。
ああっ 強い。
ああ… ごめん。
いえ ありがとうございます。
作品 心惹かれる とてもいい作品ですね。
ありがとう。
いえ。 ほんま ありがとうございます。
ほな 行こか。
失礼します。
失礼します。
ありがとうございます。
ありがとうございました。 いえ。
元気そうだね。
草間さんも元気そうで。
変わりませんねえ。
2人は…。
あっ 助けてもろてます。
時々 名古屋から来てもろて
支えられてます。
僕の方が支えられてるとこありますけど。
(にぎやかな声)
展覧会の特別ゲストは あの人…。
「今日が私の1日なら」
私は どんな1日にしますか。
さあ 好きに書いてや
何でも好きに書いてやぁ。
さあ 来~い!
(子どもたちのはしゃぐ声)
何でもいい?
(ジョージ)ええよ ええよ 何でも。
どこでも ええからな。 どんどん書きやあ。
♬~
お~ほほっ。 すごいな。
う~ん…。
ギュ~したろか。
えっ。
ギュ~したる。
えっ…。
ギュ~してええ?
お母ちゃん。
うん。
ええに決まってるやん。
ほな。
あっ いや 待って うそ うそ うそ うそ!
やっぱ 取り消しや。 うそ うそや。
何で!?
いや もう年やで 気恥ずかしい。
ええ言うたやん。
いや~…。
そ… いや…。 あっ… あ~ もう。
ギュ~!
うわ~! 苦しい うお~!
ハハハ… ギュ~!
い~や もう分かったて。
アッハッハッ。
幸せや。
えっ。
幸せやで。
幸せか?
幸せや。
幸せやなあ…。
ありがとう。
何? 何 何?
ギュ~!
何で… もう苦しいって もう!
幸せやなあ 武志!
もうやり過ぎやで もう!
幸せや~!
ギュ~!
いや~! 無理 無理 無理 無理!
おなら出せや おなら。
おなら出るて ほんまに。
二年後 武志は旅立ちました。
あんな…。
うん?
うち 武志に… 死なさへん言うてしもた。
絶対 死なさへん。
お母ちゃんが生かしたる言うた…。
エゴやな。
うちの悪いとこや。
なんとかしたかった…
なんとかしてやりたい思うてた。
そんなん無理やのにな。
うん…。
あんな 武志に
お義父さんと あかまつで飲んだ話 した。
いつ?
武志が産まれた日。
うん…。
うれしゅうてなぁ
武志が産まれたんが うれしゅうて…。
おしぼり つまみにして食べるとこまで
いったで。
(笑い声)
武志 何て?
うん? 聞いて笑うてた。 フッ。
ほんで…
「お母ちゃんに言うといてほしい。
俺を産んでくれて ありがとう。
ああ やっぱ 言わんでええ。
言わんでええ 言わんでええ!
気恥ずかしい なし なし なし!
取り消しや!」。
言うてしもうた。 聞いてしもた。
ハハハ…。
ありがとう。
また会って 話 しよな?
うん。
♬~
♬「失う度に 嫉妬するものね」
♬「雨雲たちに 少し怯えてる」
♬「炎の声よ」
♬「聞かせてくれる?」
♬「私のままでいいと」
♬~
♬「日々 育てたい 信じるって気持ち」
♬「迷いも不安も 怯んで飛んでゆけ」
♬「日々 立ち上がれ 赤い太陽のように」
♬「やさしい風に吹かれて」
♬「炎は再び舞い上がる」
- 関連記事
-
- 素敵な選TAXI 第4話 竹野内豊、勝地涼、真野恵里菜、バカリズム… ドラマの原作・キャスト・主題歌など…(05/05)
- 壬生義士伝 新選組でいちばん強かった男 第5話 渡辺謙、高島礼子、内藤剛志… ドラマの原作・キャストなど…(05/05)
- スカーレット 総集編(後編)戸田恵梨香、松下洸平、伊藤健太郎、富田靖子、大島優子… ドラマの原作・キャスト…(05/05)
- 離婚弁護士Ⅱ~ハンサムウーマン~ 第7話 天海祐希、瀬戸朝香、玉山鉄二… ドラマの原作・キャスト・主題歌など…(05/05)
- スカーレット 総集編(前編)戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、大島優子、林遣都… ドラマの原作・キャストなど…(05/05)