―国会― 国会が設けられている最大の目的は、国を守ることにあり、「外交防衛の任 務」を最優先に果たさなければなりません。

2019/09/29 ブログ
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国会

 国の旧字は國で、国は〈□(い)と域(わく)〉を組み合わせた文字です。域は
□と戈(ほこ)からなり、□は都巴の城郭を示しており、戈でこれを守ることを
意味しています。会の旧字は會で、蓋のある食器の形を示しています。器の下
部にある甑(こしき)に蓋をすることを會といいます。
 会は「器蓋があう、ふたする→あう、あつまる、会合の、相会する、祝祷や
盟誓の際のこと→人のつどい、もののあつまるところ、終計→であい、めぐり
あわせ、たまたま」などを意味しています。

 国という文字が、示しているように国会が設けられている最大の目的は、国
を守ることにあり、「外交防衛の任務」を最優先に果たさなければなりませ
ん。
 民主政治の理想形態は、直接民主政です。しかし、一億二千万人もの国民
が、一所に集まり会議を開いて、「外交防衛」について議論して、重大な政策
を決定することは物理的に不可能です。そこで、日本国憲法は、選挙で選ばれ
た国民の代表者による「間接政治」を採用しています。
 戦後、日本を占領した連合国軍最高司令官・マッカーサー元帥は「日本は、
東洋のスイスになれ」と日本国民に勧めました。「永世中立国」を目指せとい
う提案です。憲法第九条で「戦争の放棄」「戦力および国の交戦権の否認」を
定め、世界に向って宣言したので、マッカーサー元帥の提案は、一瞬、実現可
能に思われました。
 ところが、マッカーサー元帥は、スイスが「武装国家」、「国民皆兵」であ
るうえに、各家庭に「銃器が配置」されていて、いざというときに一斉に立ち
上がることを見逃していました。このため、日本が「東洋のスイスになる」の
は、儚(はかな)い夢物語に終りました。その後、日本国民は、安全保障を米軍
に依存し、自らの手で国をどう守ればよいかをめぐり、悩み続けることになっ
たのです。