旭化成の吉野彰名誉フェローらが発明した「リチウムイオン電池」技術が、 「新機軸」の柱の1つ「世界の原発443基の廃炉」実現に向けて、前途に明 るい光明を俄かに差してきた

2019/10/17 ブログ
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米共和党重鎮キッシンジャー博士とロシアのプーチン大統領が2016年2
月3日にモスクワ市で世界恒久の平和と?栄を築くために合意した「新機軸」
(第3次世界大戦の回避、世界の原発443基の廃炉、地球環境の改善、AI
の産業化)の柱の1つ「世界の原発443基の廃炉」の実現に向けて、前途に
明るい光明が俄かに差してきた。旭化成の吉野彰名誉フェロー(名城大学大学
院理工学研究科・教授、九州大学エネルギー基盤技術国際教育研究センター客
員教授、71歳)はじめ、ジョン・グッドイナフ米テキサス大学教授(97)、
スタンリー・ウィッティンガム米ニューヨーク州立大学特別教授(77)リチウ
ムイオン電池発明者3人が2019年ノーベル化学賞の栄光に輝いたからであ
る。原発を全廃しても、大丈夫な道が開けてきたのは、心強い。


 高浜原発がある福井県高浜町の元助役から幹部役員らが3億2000万円も
の多額の金品を受け取っていた問題が発覚し、関西電力は八木誠会長と岩根茂
樹社長のツートップを含む6人の現職役員が10月9日、辞任し、今回の問題解明
にあたる但木敬一弁護士(元検事総長)を委員長とする第三者委員会を設置し
徹底的に解明することを発表した。
 原発マネーは大きい。これまでは、原発がなければ地域経済が立ち行かない
と言っていたのが、実際は裏であんなことをやっていたのかということが、白
日のもとにさらされたわけだから、もう後戻りはできない。
 関西電力は、受注も発注も、元助役が関係している企業が担っている。そこ
から発生した資金が政治家に流れている。そのお金はどこから出ているか。税
金に決まっている。そういうことが解明されていくため、原発再稼働だとか、
原発を主力電源にするといったことは、絶対にできなくなる。他の原発も誘致
するときに同じようなことをしているので、それが出てくる。どこも同じ構図
がある。これで、監督官庁である経済産業省・資源エネルギー庁が推進してき
た日本の原発政策は、完全に終焉を迎える。
リチウムイオンは、携帯電話やスマートフォン、飛行機だとか自動車だと
か、パソコンだとか、あらゆる分野に使われているけれど、これからさらに進
化させる。要するに風力発電だとか、水力発電だとか、太陽光発電、これらは
天候によって供給量が変わり不安定だ。それをリチウムイオン電池に蓄電する
ことによって安定的に供給できるようになる。これによって原発に頼らなくて
いいという指針が今後出てくる。
 なぜ、今年のノーベル化学賞の受賞が、リチウムイオンだったのかと言え
ば、「新機軸」実現に向けて、今後のエネルギー政策を見越しての今回のノー
ベル賞受賞だった。ノーベル賞はこれまでロスチャイルド財閥が決めてきたけ
れど、いまは上皇陛下を戴く世界支配層「ゴールマン・ファミリーズ・グルー
プ」が決めている。
これからの課題は、いつでも、どこでも、欲しい情報にアクセスできるスマ
ホやノートパソコンに電気エネルギーを供給し続けて支えている「大容量電
池」に止まらず、安全でクリーンな電気エネルギーを蓄電できる「電池」の実
用化を図ることである。
 ただ、いま蓄電池というのは大きくて、価格が高い。電気自動車、いま一番
進んでいるのは、ニッサンのリーフだが、今後、家庭に一台、電気自動車があ
れば蓄電しているだけで、極端な話、家に太陽光パネルをつけて自動車に蓄電
をしておけば、停電になってもある程度はそれで賄えるし、東京電力管内の千
葉県では、台風15号被害に見舞われて、停電が続くなか、実際に、自動車の
蓄電池に蓄電された電気で近隣住民に電気を分けて助けてあげた例が聞かれて
いる。これからどんどん、防災対策として各家庭で蓄電する方向にもっていこ
うということだ。そして自動車は、自動運転にしていく。自動運転にすれば、
高齢者の事故もなくなる。自動反射システムをAIでコントロールしていくこ
とで、技術的にはすべて確立されている。それが5Gになるとスマホで操作が
できるようになる。スマホは4Gの100倍だ。それをこの2年間で一気に実現して
行く。
 吉野彰名誉フェローは、現在の日本の産業を河川に例え、日本、材料や部品
といった「川上」は世界の中で強さを保っており、自身が開発したリチウムイ
オン電池の分野でも、旭化成が作る正極と負極を隔てる膜や、電極の材料につ
いて、「優位性を保っている。品質が良く値段が高い製品であり、今後も競争
力を発揮できる」と高く評価した。その半面、最終製品やサービス業など「川
下」に当たる部分、つまりリチウムイオン電池を搭載するスマートフォンなど
に関しては、日本企業が衰退していると認めている。要するに「基礎化学」で
は、優れているけれど、「応用化学」に弱いということだ。
 たとえば、東京工業大学の加藤与五郎博士(1872年8月5日~1967年8月13
日)と武井武博士(1899年7月15日~1992年3月12日)の研究により、世界に先
駆けて発見されたフェライトは、複合酸化物で、磁性材料として幅広く利用さ
れている。1930年(昭和5年)、武井武は亜鉛と鉄の複合酸化物が強い磁気を
帯びることを実験室にて偶然発見した。さらに研究を進めるうちに、高周波領
域で従来材料よりもはるかに電気的損失の少ない磁性材料が得られることを発
見したが、これがフェライトである。「フェライトの父」と呼ばれる。
 しかし、フェライトの応用では、米国に先んじられた。日本では、黒板にピ
タリと吸い付く文房具製品に使われていたけれど、米国では、テープレコー
ダーが開発し、凌駕されてしまった。「川上」と「川下」の関係は、吉野彰名
誉フェローが、嘆いているようにいまでも続いている。
 現在のテープレコーダーやコンパクトカセット(ビデオカセット)、ビデオ
テープレコーダなどの磁性記録等多くの電子機器の基礎となっているフェライ
ト理論や、新永久磁石の「OP磁石」(コバルトフェライト)の発明で国際的に
評価された。1978年文化功労者。
 1935年(昭和10年)、フェライトの事業化を目的として東京電気化学工業
(現TDK)が設立され、加藤与五郎と武井武の指導の下で世界初のフェライト
コア「オキサイドコア」が製品化された。フェライトは、現在でも先端技術で
イノベーションを起こし、新製品・新技術を生み出している。エレクトロニク
スを根底から支える電子材料として、テレビ、ビデオ、ゲーム機、携帯電話を
始めとする高速通信機器やハイブリッドカーなど、幅広い分野にわたって利用
されている。このフェライトは1938年にフィリップス社に輸出され、1941年に
フィリップス社はオランダ国内で特許を出願した。その後、1949年にフィリッ
プス社は日本でも特許を出願し、1950年に認められた。