伊勢物語 第23段 「筒井筒」 品詞分解
Sponsored Links
「伊勢物語」 第23段 「筒井筒」の品詞分解です。助動詞・用言(動詞・形容詞・形容動詞)を品詞別に色分け表示。
音便も別途色分け表示。
助動詞=赤
動詞=青
形容詞=黄
形容動詞=紫 ※なし
音便=橙
■現代語訳や語句・文法などの解説は別サイトからどうぞ。
《⇒解説サイトへ行く》
伊勢物語 筒井筒
作者=「未詳」 ジャンル=「歌物語」 成立=「平安時代中期」
◆昔、田舎わたらひしける人の子ども、井のもとに出でて遊びけるを、大人になりにければ、男も女も恥ぢかはしてありけれど、男はこの女をこそ得めと思ふ。
昔 【名詞】
田舎わたらひ 【名詞】
し 【動詞】 サ行変格活用「す」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
人 【名詞】
の 【格助詞】
子ども 【名詞】
井 【名詞】
の 【格助詞】
もと 【名詞】
に 【格助詞】
出で 【動詞】 ダ行下二段活用「いづ」の連用形
て 【接続助詞】
遊び 【動詞】 バ行四段活用「あそぶ」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
を 【接続助詞】
大人 【名詞】
に 【格助詞】
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ば 【接続助詞】
男 【名詞】
も 【係助詞】
女 【名詞】
も 【係助詞】
恥ぢかはし 【動詞】 サ行四段活用「はぢかはす」の連用形
て 【接続助詞】
あり 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ど 【接続助詞】
男 【名詞】
は 【係助詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
を 【格助詞】
こそ 【係助詞】
得 【動詞】 ア行下二段活用「う」の未然形
め 【助動詞】 意志「む」の已然形
と 【格助詞】
思ふ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の終止形
◆女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける。
女 【名詞】
は 【係助詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
男 【名詞】
を 【格助詞】
と 【格助詞】
思ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の連用形
つつ 【接続助詞】
親 【名詞】
の 【格助詞】
あはすれ 【動詞】 サ行下二段活用「あはす」の已然形
ども 【接続助詞】
聞か 【動詞】 カ行四段活用「きく」の未然形
で 【接続助詞】
なむ 【係助詞】
あり 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
◆さて、この隣の男のもとより、かくなむ、
さて 【接続詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
隣 【名詞】
の 【格助詞】
男 【名詞】
の 【格助詞】
もと 【名詞】
より 【格助詞】
かく 【副詞】
なむ 【係助詞】
◆筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
筒井筒 【名詞】
井筒 【名詞】
に 【格助詞】
かけ 【動詞】 カ行下二段活用「かく」の連用形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
まろ 【代名詞】
が 【格助詞】
たけ 【名詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けらし 【助動詞】 過去推定「けらし」の終止形
な 【終助詞】
妹 【名詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の未然形
ざる 【助動詞】 打消「ず」の連体形
ま 【名詞】
に 【格助詞】
◆女、返し、
女 【名詞】
返し 【名詞】
◆くらべこし振分髪も肩すぎぬ君ならずして誰かあぐべき
くらべ 【動詞】 バ行下二段活用「くらぶ」の連用形
こ 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
振分髪 【名詞】
も 【係助詞】
肩 【名詞】
すぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬ 【助動詞】 完了「ぬ」の終止形
君 【代名詞】
なら 【助動詞】 断定「なり」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
して 【接続助詞】
誰 【代名詞】
か 【係助詞】
あぐ 【動詞】 ガ行下二段活用「あぐ」の終止形
べき 【助動詞】 意志(推量)「べし」の連体形
◆など言ひ言ひて、つひに本意のごとくあひにけり。
など 【副助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
て 【接続助詞】
つひに 【副詞】
本意 【名詞】
の 【格助詞】
ごとく 【助動詞】 比況「ごとし」の連用形
あひ 【動詞】 ハ行四段活用「あふ」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さて、年ごろ経るほどに、女、親なく、頼りなくなるままに、もろともに言ふかひなくてあらむやはとて、河内の国高安の郡に、行き通ふ所出で来にけり。
さて 【接続詞】
年ごろ 【名詞】
経る 【動詞】 ハ行下二段活用「ふ」の連体形
ほど 【名詞】
に 【格助詞】
女 【名詞】
親 【名詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
頼り 【名詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
なる 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連体形
まま 【名詞】
に 【格助詞】
もろともに 【副詞】
言ふかひなく 【形容詞】 ク活用「いふかひなし」の連用形
て 【接続助詞】
あら 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の未然形
む 【助動詞】 推量「む」の終止形
やは 【終助詞】 OR 【係助詞】
と 【格助詞】
て 【接続助詞】 OR とて【格助詞】
河内の国 【名詞】
高安の郡 【名詞】
に 【格助詞】
行き通ふ 【動詞】 ハ行四段活用「いきかよふ」の連体形
所 【名詞】
出で来 【動詞】 カ行変格活用「いでく」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さりけれど、このもとの女、悪しと思へるけしきもなくて、出だしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと、思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へ往ぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、
さり 【動詞】 ラ行変格活用「さり」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ど 【接続助詞】 OR さりけれど【接続詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
もと 【名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
悪し 【形容詞】 シク活用「あし」の終止形
と 【格助詞】
思へ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の已然形
る 【助動詞】 存続「り」の連体形
けしき 【名詞】
も 【係助詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
て 【接続助詞】
出だしやり 【動詞】 ラ行四段活用「いだしやる」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ば 【接続助詞】
男 【名詞】
異心 【名詞】
あり 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の連用形
て 【接続助詞】
かかる 【動詞】 ラ行変格活用「かかり」の連体形 OR 【連体詞】
に 【助動詞】 断定「なり」の連用形
や 【係助詞】
あら 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の未然形
む 【助動詞】 推量「む」の連体形
と 【格助詞】
思ひ疑ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもひうたがふ」の連用形
て 【接続助詞】
前栽 【名詞】
の 【格助詞】
中 【名詞】
に 【格助詞】
隠れゐ 【動詞】 ワ行上一段活用「かくれゐる」の連用形
て 【接続助詞】
河内 【名詞】
へ 【格助詞】
往ぬる 【動詞】 ナ行変格活用「いぬ」の連体形
顔 【名詞】
にて 【格助詞】
見れ 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の已然形
ば 【接続助詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
いと 【副詞】
よう 【形容詞】 ク活用「よし」の連用形「よく」のウ音便
化粧じ 【動詞】 サ行変格活用「けさうず」の連用形
て 【接続助詞】
うちながめ 【動詞】 マ行下二段活用「うちながむ」の連用形
て 【接続助詞】
◆風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとりこゆらむ
風 【名詞】
吹け 【動詞】 カ行四段活用「ふく」の已然形
ば 【接続助詞】
沖 【名詞】
つ 【格助詞】
白波 【名詞】
たつた山 【名詞】
夜半 【名詞】
に 【格助詞】
や 【係助詞】
君 【代名詞】
が 【格助詞】
ひとり 【名詞】 OR 【副詞】
こゆ 【動詞】 ヤ行下二段活用「こゆ」の終止形
らむ 【助動詞】 現在推量「らむ」の連体形
◆とよみけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。
と 【格助詞】
よみ 【動詞】 マ行四段活用「よむ」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
を 【格助詞】
聞き 【動詞】 カ行四段活用「きく」の連用形
て 【接続助詞】
限りなく 【形容詞】 ク活用「かぎりなし」の連用形
かなし 【形容詞】 シク活用「かなし」の終止形
と 【格助詞】
思ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の連用形
て 【接続助詞】
河内 【名詞】
へ 【格助詞】
も 【係助詞】
行か 【動詞】 カ行四段活用「いく」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆まれまれかの高安に来てみれば、初めこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて、笥子のうつはものに盛りけるを見て、心うがりて行かずなりにけり。
まれまれ 【副詞】
か 【代名詞】
の 【格助詞】
高安 【名詞】
に 【格助詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の連用形
て 【接続助詞】
みれ 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の已然形
ば 【接続助詞】
初め 【名詞】
こそ 【係助詞】
心にくく 【形容詞】 ク活用「こころにくし」の連用形
も 【係助詞】
つくり 【動詞】 ラ行四段活用「つくる」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
今 【名詞】
は 【係助詞】
うちとけ 【動詞】 カ行下二段活用「うちとく」の連用形
て 【接続助詞】
手づから 【副詞】
いひがひ 【名詞】
取り 【動詞】 ラ行四段活用「とる」の連用形
て 【接続助詞】
笥子 【名詞】
の 【格助詞】
うつはもの 【名詞】
に 【格助詞】
盛り 【動詞】 ラ行四段活用「もる」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
を 【格助詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の連用形
て 【接続助詞】
心うがり 【動詞】 ラ行四段活用「こころうがる」の連用形
て 【接続助詞】
行か 【動詞】 カ行四段活用「いく」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
さり 【動詞】 ラ行変格活用「さり」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ば 【接続助詞】 OR さりければ【接続詞】
か 【代名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
大和 【名詞】
の 【格助詞】
方 【名詞】
を 【格助詞】
見やり 【動詞】 ラ行四段活用「みやる」の連用形
て 【接続助詞】
◆君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
君 【名詞】
が 【格助詞】
あたり 【名詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の連用形
つつ 【接続助詞】
を 【間投助詞】
居ら 【動詞】 ラ行変格活用「をり」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
生駒山 【名詞】
雲 【名詞】
な 【副詞】
かくし 【動詞】 サ行四段活用「かくす」の連用形
そ 【終助詞】
雨 【名詞】
は 【係助詞】
降る 【動詞】 ラ行四段活用「ふる」の終止形
とも 【接続助詞】
◆と言ひて見出だすに、からうじて、大和人、来むと言へり。
と 【格助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
て 【接続助詞】
見出だす 【動詞】 サ行四段活用「みいだす」の連体形
に 【接続助詞】
からうじて 【副詞】
大和人 【名詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
と 【格助詞】
言へ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の已然形
り 【助動詞】 完了「り」の終止形
◆喜びて待つに、たびたび過ぎぬれば、
喜び 【動詞】 バ行四段活用「よろこぶ」の連用形
て 【接続助詞】
待つ 【動詞】 タ行四段活用「まつ」の連体形
に 【接続助詞】
たびたび 【副詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬれ 【助動詞】 完了「ぬ」の已然形
ば 【接続助詞】
◆君来むといひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる
君 【名詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
と 【格助詞】
いひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
夜ごと 【名詞】
に 【格助詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬれ 【助動詞】 完了「ぬ」の已然形
ば 【接続助詞】
頼ま 【動詞】 マ行四段活用「頼む」の未然形
ぬ 【助動詞】 打消「ず」の連体形
ものの 【接続助詞】
恋ひ 【動詞】 ハ行上二段活用「こふ」の連用形
つつ 【接続助詞】
ぞ 【係助詞】
ふる 【動詞】 ハ行下二段活用「ふ」の連体形
◆と言ひけれど、男住まずなりにけり。
と 【格助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ど 【接続助詞】
男 【名詞】
住ま 【動詞】 マ行四段活用「すむ」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
女 【名詞】
は 【係助詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
男 【名詞】
を 【格助詞】
と 【格助詞】
思ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の連用形
つつ 【接続助詞】
親 【名詞】
の 【格助詞】
あはすれ 【動詞】 サ行下二段活用「あはす」の已然形
ども 【接続助詞】
聞か 【動詞】 カ行四段活用「きく」の未然形
で 【接続助詞】
なむ 【係助詞】
あり 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
◆さて、この隣の男のもとより、かくなむ、
さて 【接続詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
隣 【名詞】
の 【格助詞】
男 【名詞】
の 【格助詞】
もと 【名詞】
より 【格助詞】
かく 【副詞】
なむ 【係助詞】
◆筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
筒井筒 【名詞】
井筒 【名詞】
に 【格助詞】
かけ 【動詞】 カ行下二段活用「かく」の連用形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
まろ 【代名詞】
が 【格助詞】
たけ 【名詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けらし 【助動詞】 過去推定「けらし」の終止形
な 【終助詞】
妹 【名詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の未然形
ざる 【助動詞】 打消「ず」の連体形
ま 【名詞】
に 【格助詞】
◆女、返し、
女 【名詞】
返し 【名詞】
◆くらべこし振分髪も肩すぎぬ君ならずして誰かあぐべき
くらべ 【動詞】 バ行下二段活用「くらぶ」の連用形
こ 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
振分髪 【名詞】
も 【係助詞】
肩 【名詞】
すぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬ 【助動詞】 完了「ぬ」の終止形
君 【代名詞】
なら 【助動詞】 断定「なり」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
して 【接続助詞】
誰 【代名詞】
か 【係助詞】
あぐ 【動詞】 ガ行下二段活用「あぐ」の終止形
べき 【助動詞】 意志(推量)「べし」の連体形
◆など言ひ言ひて、つひに本意のごとくあひにけり。
など 【副助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
て 【接続助詞】
つひに 【副詞】
本意 【名詞】
の 【格助詞】
ごとく 【助動詞】 比況「ごとし」の連用形
あひ 【動詞】 ハ行四段活用「あふ」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さて、年ごろ経るほどに、女、親なく、頼りなくなるままに、もろともに言ふかひなくてあらむやはとて、河内の国高安の郡に、行き通ふ所出で来にけり。
さて 【接続詞】
年ごろ 【名詞】
経る 【動詞】 ハ行下二段活用「ふ」の連体形
ほど 【名詞】
に 【格助詞】
女 【名詞】
親 【名詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
頼り 【名詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
なる 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連体形
まま 【名詞】
に 【格助詞】
もろともに 【副詞】
言ふかひなく 【形容詞】 ク活用「いふかひなし」の連用形
て 【接続助詞】
あら 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の未然形
む 【助動詞】 推量「む」の終止形
やは 【終助詞】 OR 【係助詞】
と 【格助詞】
て 【接続助詞】 OR とて【格助詞】
河内の国 【名詞】
高安の郡 【名詞】
に 【格助詞】
行き通ふ 【動詞】 ハ行四段活用「いきかよふ」の連体形
所 【名詞】
出で来 【動詞】 カ行変格活用「いでく」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さりけれど、このもとの女、悪しと思へるけしきもなくて、出だしやりければ、男、異心ありてかかるにやあらむと、思ひ疑ひて、前栽の中に隠れゐて、河内へ往ぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、
さり 【動詞】 ラ行変格活用「さり」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ど 【接続助詞】 OR さりけれど【接続詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
もと 【名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
悪し 【形容詞】 シク活用「あし」の終止形
と 【格助詞】
思へ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の已然形
る 【助動詞】 存続「り」の連体形
けしき 【名詞】
も 【係助詞】
なく 【形容詞】 ク活用「なし」の連用形
て 【接続助詞】
出だしやり 【動詞】 ラ行四段活用「いだしやる」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ば 【接続助詞】
男 【名詞】
異心 【名詞】
あり 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の連用形
て 【接続助詞】
かかる 【動詞】 ラ行変格活用「かかり」の連体形 OR 【連体詞】
に 【助動詞】 断定「なり」の連用形
や 【係助詞】
あら 【動詞】 ラ行変格活用「あり」の未然形
む 【助動詞】 推量「む」の連体形
と 【格助詞】
思ひ疑ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもひうたがふ」の連用形
て 【接続助詞】
前栽 【名詞】
の 【格助詞】
中 【名詞】
に 【格助詞】
隠れゐ 【動詞】 ワ行上一段活用「かくれゐる」の連用形
て 【接続助詞】
河内 【名詞】
へ 【格助詞】
往ぬる 【動詞】 ナ行変格活用「いぬ」の連体形
顔 【名詞】
にて 【格助詞】
見れ 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の已然形
ば 【接続助詞】
こ 【代名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
いと 【副詞】
よう 【形容詞】 ク活用「よし」の連用形「よく」のウ音便
化粧じ 【動詞】 サ行変格活用「けさうず」の連用形
て 【接続助詞】
うちながめ 【動詞】 マ行下二段活用「うちながむ」の連用形
て 【接続助詞】
◆風吹けば沖つ白波たつた山夜半にや君がひとりこゆらむ
風 【名詞】
吹け 【動詞】 カ行四段活用「ふく」の已然形
ば 【接続助詞】
沖 【名詞】
つ 【格助詞】
白波 【名詞】
たつた山 【名詞】
夜半 【名詞】
に 【格助詞】
や 【係助詞】
君 【代名詞】
が 【格助詞】
ひとり 【名詞】 OR 【副詞】
こゆ 【動詞】 ヤ行下二段活用「こゆ」の終止形
らむ 【助動詞】 現在推量「らむ」の連体形
◆とよみけるを聞きて、限りなくかなしと思ひて、河内へも行かずなりにけり。
と 【格助詞】
よみ 【動詞】 マ行四段活用「よむ」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
を 【格助詞】
聞き 【動詞】 カ行四段活用「きく」の連用形
て 【接続助詞】
限りなく 【形容詞】 ク活用「かぎりなし」の連用形
かなし 【形容詞】 シク活用「かなし」の終止形
と 【格助詞】
思ひ 【動詞】 ハ行四段活用「おもふ」の連用形
て 【接続助詞】
河内 【名詞】
へ 【格助詞】
も 【係助詞】
行か 【動詞】 カ行四段活用「いく」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆まれまれかの高安に来てみれば、初めこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて、笥子のうつはものに盛りけるを見て、心うがりて行かずなりにけり。
まれまれ 【副詞】
か 【代名詞】
の 【格助詞】
高安 【名詞】
に 【格助詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の連用形
て 【接続助詞】
みれ 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の已然形
ば 【接続助詞】
初め 【名詞】
こそ 【係助詞】
心にくく 【形容詞】 ク活用「こころにくし」の連用形
も 【係助詞】
つくり 【動詞】 ラ行四段活用「つくる」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
今 【名詞】
は 【係助詞】
うちとけ 【動詞】 カ行下二段活用「うちとく」の連用形
て 【接続助詞】
手づから 【副詞】
いひがひ 【名詞】
取り 【動詞】 ラ行四段活用「とる」の連用形
て 【接続助詞】
笥子 【名詞】
の 【格助詞】
うつはもの 【名詞】
に 【格助詞】
盛り 【動詞】 ラ行四段活用「もる」の連用形
ける 【助動詞】 過去「けり」の連体形
を 【格助詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の連用形
て 【接続助詞】
心うがり 【動詞】 ラ行四段活用「こころうがる」の連用形
て 【接続助詞】
行か 【動詞】 カ行四段活用「いく」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
◆さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
さり 【動詞】 ラ行変格活用「さり」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ば 【接続助詞】 OR さりければ【接続詞】
か 【代名詞】
の 【格助詞】
女 【名詞】
大和 【名詞】
の 【格助詞】
方 【名詞】
を 【格助詞】
見やり 【動詞】 ラ行四段活用「みやる」の連用形
て 【接続助詞】
◆君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
君 【名詞】
が 【格助詞】
あたり 【名詞】
見 【動詞】 マ行上一段活用「みる」の連用形
つつ 【接続助詞】
を 【間投助詞】
居ら 【動詞】 ラ行変格活用「をり」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
生駒山 【名詞】
雲 【名詞】
な 【副詞】
かくし 【動詞】 サ行四段活用「かくす」の連用形
そ 【終助詞】
雨 【名詞】
は 【係助詞】
降る 【動詞】 ラ行四段活用「ふる」の終止形
とも 【接続助詞】
◆と言ひて見出だすに、からうじて、大和人、来むと言へり。
と 【格助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
て 【接続助詞】
見出だす 【動詞】 サ行四段活用「みいだす」の連体形
に 【接続助詞】
からうじて 【副詞】
大和人 【名詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
と 【格助詞】
言へ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の已然形
り 【助動詞】 完了「り」の終止形
◆喜びて待つに、たびたび過ぎぬれば、
喜び 【動詞】 バ行四段活用「よろこぶ」の連用形
て 【接続助詞】
待つ 【動詞】 タ行四段活用「まつ」の連体形
に 【接続助詞】
たびたび 【副詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬれ 【助動詞】 完了「ぬ」の已然形
ば 【接続助詞】
◆君来むといひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる
君 【名詞】
来 【動詞】 カ行変格活用「く」の未然形
む 【助動詞】 意志「む」の終止形
と 【格助詞】
いひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
し 【助動詞】 過去「き」の連体形
夜ごと 【名詞】
に 【格助詞】
過ぎ 【動詞】 ガ行上二段活用「すぐ」の連用形
ぬれ 【助動詞】 完了「ぬ」の已然形
ば 【接続助詞】
頼ま 【動詞】 マ行四段活用「頼む」の未然形
ぬ 【助動詞】 打消「ず」の連体形
ものの 【接続助詞】
恋ひ 【動詞】 ハ行上二段活用「こふ」の連用形
つつ 【接続助詞】
ぞ 【係助詞】
ふる 【動詞】 ハ行下二段活用「ふ」の連体形
◆と言ひけれど、男住まずなりにけり。
と 【格助詞】
言ひ 【動詞】 ハ行四段活用「いふ」の連用形
けれ 【助動詞】 過去「けり」の已然形
ど 【接続助詞】
男 【名詞】
住ま 【動詞】 マ行四段活用「すむ」の未然形
ず 【助動詞】 打消「ず」の連用形
なり 【動詞】 ラ行四段活用「なる」の連用形
に 【助動詞】 完了「ぬ」の連用形
けり 【助動詞】 過去「けり」の終止形
Sponsored Links
- 関連記事
-
- 伊勢物語 第6段 「芥川」 品詞分解
- 伊勢物語 第9段 「東下り」 品詞分解
- 伊勢物語 第23段 「筒井筒」 品詞分解
- 伊勢物語 第1段 「初冠」 品詞分解
- 伊勢物語 第83段 「小野の雪」 品詞分解
- 伊勢物語 第24段 「梓弓」 品詞分解