VTIが安全域を獲得したことについて
VTIが安全域を獲得したように見えますので、記念して記事を書いておきたいと思います。といっても、最近投資を始められた方にとっては「?」というタイトルでしょう。新型コロナウイルスによる動揺が見える相場ですから、安全ではないと思われるのではないでしょうか。
もともと「たぱぞうの米国株投資」は私が組織人として働いていたころに、「誰でもできる投資術」を伝えるために始めたものです。
私は投資をして、人生の選択肢を増やしていました。しかし、そんな人は職場に見当たらず、特に若い人は一生懸命に仕事に打ち込んでいたのです。
異動するときに、お世話になった同じ部署の若手に、資産運用を伝えるために始めたのがこのブログということになります。仕事はやりがいあるものですが、人生の安全域を担保するものではないですね。ならばどのように選択肢を増やしていくのかということです。私の場合は、それは資産運用だったということです。
このブログを2016年4月に始めたのは、そういうことです。その当時のVTIは90ドル~100ドル近辺をさまよっていました。おりしもチャイナショックの余韻がある頃でしたから、今見れば買いやすかった時期かもしれません。
しかし、リーマンショックからすでに年数を経た時期でもありました。そのため、以下のような話もありました。
「VTIの適正は90ドル。95ドル、100ドルというのは明らかにオーバーバリュー、買われすぎである」
たしかに、過去から判断すると、やや割高とされるものでした。しかし、米国株は基本的にオーバーバリューの状態がほとんどで、ITバブル以後はリーマンショックの一瞬を除いてほとんどフェアバリューでは買えないのです。
それでは、どうして先進国株の中で米国株だけが突出して、これほどまでに強いのでしょうか。恒常的なオーバーバリュー状態はどうしてなのでしょうか。これにはいくつか理由があります。
- 恒常的な金融緩和の時代を迎えている
- イノベーションが上手くいった
軽く触れてみましょう。
恒常的な金融緩和の時代を迎えている
これは、恒常的な金融緩和の時代を生きているからです。過去の目線とは違う価値観で運用していく必要があります。その典型例がPE/レシオで、かつての目線である15-17近辺では成長性ある優良株を買うのは難しくなっています。
その流れは今後も変わらないでしょう。米国株は資金流入先、運用先として非常に優れているからです。
21世紀の産業革命はインターネットだった
ITバブル時には先取りに過ぎなかったテクノロジー株が、収益を出して産業革命を達成したから、というのも大きいですね。徐々に売り上げ成長率自体は落ちてきているものの、次から次へと新しいサービスが生まれてはビジネスになっています。
かつてはオンライン書籍販売がメインだったアマゾンが、今や収益の中心はクラウドとなっています。また、この10年でS&P500で最もリターンの高い株がネットフリックスです。次から次へと、新しいサービスが生まれ、世界中に浸透していきます。こちらもほとんど永続的なものとして続いていくのでしょう。
VTIはすでに過去の水準に戻りえない位置まで到達した
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VTIのチャートです。2016年年頭に95ドル割れになることもあったVTIですが、160ドルをすでに突破しています。2018年末にやや動揺を見せ、下落したもののおおむね好調な推移と言ってよいでしょう。
2016年にVTIを買った人、つまり100ドル前後で買った人はこの間60%も値上がりしたことになります。分配金込みならばさらに上振れますね。
もう、この水準に戻ることはほとんどないでしょう。リーマンショック時でさえ、米国株式はおよそ40%の下落だったのです。たった4年で、安全域に到達したことになります。
2016年時点での投資初心者さんで、弊ブログを見てVTIを購入した方もいらっしゃるでしょう。その方は、初期投資の分はもうすでに安全域の財産化したというわけです。
株式による資産運用というと、ちょこちょこと銘柄を入れ替えてメンテナンスをしていくようなイメージがあるかもしれません。もちろん、それも立派な資産運用ですが、技術と知識が必要になります。
手間も時間もかけずに資産運用する、というやり方もあるのですね。「誰もができる資産運用術」というわけです。その場合、本当に良い商品を継続して買うことが大事になります。
VTIが安全域に達したということで、ひとまずのまとめを書きました。
為替リスクがある投資信託はまだまだですね。しかし、いずれ投資信託も安全域を獲得するのでしょう。多少の市場の動揺にお付き合いすることなく、価値あるものを淡々と積み上げていけばよいのですね。
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