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福島の川俣に帰ってきた裕一。
諦めかけていた夢の道が開かれ最愛の人とも結ばれまさに夢見心地でした。
あのバカ息子　帰ってきたぞ。
（頭をたたく音）いてっ！　何すんだべ。
バカなのは　おめえだ。はっ？
賞金やら何やらで　合計…。
８，０００円！？バカ！　声でけえ。
賞金に加えて　「竹取物語」の版権料も支払われることになり現在のお金で　およそ２，５００万円の大金が贈られることになっていました。
♪～
♪「泣いて　生まれて　響く命」
♪「きっと嬉しくて　笑っているんだ」
♪「僕らはきっと　出逢うでしょう」
♪「手を引き　背を押し　出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って　ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を　超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を」
♪「知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで　響くはエール」
♪「朝も昼も夜もずっと　そこにある」
♪「暗闇にほら響け　一番星」
♪「愛する人よ　親愛なる友よ」
♪「星影に響くはエール」
（桑田）ただいま戻りました。
あれ？　ま～た　やっかい事ですか？
（大河原）いや　今回は荒れっぞ～。
（桑田）何も　しゃべんねえですね。
（大河原）いや～　坊ちゃんがよ今日　帰ってくんだろ。
あ～　そりゃ　いがった…なんて　とても言えねえ。
そう！　いやいや　それがよ　どうも…。
（及川）文通相手と結婚するらしいんです。ええっ！？
恵まれた家庭に生まれておっきな家の跡継ぎに養子になり夢に進むことも許してもらい何が不足なんですか？
及川…　おめえ　どうした？
長男なんだ。家のこと　第一に考えるべきでしょ。
僕たちの家族や人生も懸かってんだ。
坊ちゃんは　少々無責任すぎます。
おうおう…　口が過ぎるぞ。
おい　及川！おうおう…。
構うな。何だ　あいつ。
ハハハ…　昌子さんは？パス～。
おっ　おっ　おっ…？（裕一）あ～　長い間　すいませんでした。
（一同）おお～！豊橋のお土産です。
うん？（落合）まさか…　実家さ　寄ってこなかったの？
うん？
（茂兵衛）遅い！
（三郎）ちっと見てきます。
（まさ）兄さん　ごめんなさい。（浩二）母さんが謝ることじゃねえ。
あいつが悪いんだ。「あいつ」は駄目。　兄さんよ。
あいつだよ！　今度の全部の騒動の原因があいつの　わがままのせいなんだよ。
今回のことは　そうかもしれないけど…留学は　裕一の努力もあっから。
努力？　あれ　努力なの？
ただ好きなことやってるだけでねえの？努力って…もっと苦しいもんなんじゃねえの？
裕一だって苦労して作曲した…。
もう　嫌なんだよ！
何で…　何も勉強してねえ田舎者がそんな　すげえ賞取るってことになんの？
何か…　間違ってる。
浩二！　結果だ。　過程など　どうでもいい。
結果が全てだ！おめえも商売するなら覚えとけ。
浩二！
俺と似てんな…。
賢いが　殻が破れん。
結婚相手は俺が選ぶ。
別れさせろ。
何で　うそついたの？
すまねえ。　おめえを帰すにはこれしかねがったんだ。
茂兵衛だけなら　なんとかできたんだがまさか　母さんが反対するって思わなかったからよ～。
それなら　そう伝えてほしかった。
そうか？正直に伝えたら　おめえ　帰ってきたか？
結婚許すまで帰ってこねえってことになったら　大変なことになる。
大変なことって何？
（三郎）留学に間に合わなくなんだろうが。
課題の曲も作ってねえし外国行くのに　いろいろと手続きもあるし。
俺に任せとけって言ったよね？　父さん。
俺に任せとけ　ハハッ！
俺は…　あの子のこと知ってるしおめえの思いも知ってる。ただ　それを　俺が　まさに伝えてもいまひとつ伝わんねえんだ。
あの　まさが　絶対駄目だっつうんだ。
言い訳だよ。
父さんを信用したのに…。
すまねえ…。ハハッ　とりあえず家に帰るべ。
母さんに　お願いすっぺ。俺も　頭　下げっから。
それは父さんの役割だよ。
だけど　おめえの結婚だ！最後は自分で尻を拭くもんだろう。
結局　逃げんだ　父さんは。
逃げてねえ！一緒に頭下げるっつってんだろうが。
もういい。そんなこと言わねえで　俺は　おめえの…。
明日帰るから。おう　そうか！
ほほっ　俺も頑張っから。景気づけに飲みにでも行ぐか。
帰って。　一人で考えたい。
あんまし　根　詰めんな。
「明日は明日の風が吹く」だ。ハハハハ…。
この学校は　１０年前に新しい日本の音楽を創造するために設立されました。
伝統を重んじながらも　世界に通用する人材を育成することを目的としています。
言いかえれば　世界に通用しない人材は必要ありません。
自信のない人は　すぐに出ていって下さい。
吟と音は　東京の親戚の家にいました。
空いていた離れの部屋を貸してもらったのです。
（音）ただいま～。
（吟）面接　どうだった？
御手洗ティーチャー　「私が推薦したから絶対大丈夫」って言っとったけど…。
（御手洗）アブソリュートリー　オーケーよ。
かなり厳しそうだった。
お遊びみたいなとこじゃ嫌でしょう？
そんでも　不安…。
大丈夫って言いたいけど　不安だよね。
私も不安…。
不安…。
あっ！　ちょっと　それ　どういう意味！？
コチョコチョ…。アハハ！
ただいま。　母さんは？　奥？
母さん　話がある。
母さん　聞いてますよね？なぜ反対なんですか？
あなたの幸せを考えてのことよ。
僕の望みは結婚です。お許し下さい。
まさ　俺からも頼む。　このとおりだ。
あなたは　外国に何をしに行くの？音楽の勉強です。
そこに結婚は必要？必要です。
彼女がいないと曲が書けません。
フッ…。
（まさ）裕一。はい。
（まさ）あなたの目指す世界は全ての人生をささげたとしても一流になれんのは　ごく一部の人なのよ。想像もできない　過酷な戦いを勝ち抜かなければならないのよ。
分かってる。　その力の源が彼女なんだ。
じゃあ　もし　彼女の心が変わってあなたの目の前から　いなくなったらあなたは　どうすんの！？
音さんは　そんな人じゃない！
人の心は分かんないわ。母さん…　ひどいよ！
音さんは信頼できる唯一の人なんだ！
プッ…　ククク…。
アハハハハ…！
浩二　大丈夫か？
俺の心配？　心配するなら兄さんだよ。
おめでたいよ…つくづく　おめでたい男だよ。
兄さんさ　自分がどれだけ恵まれてっか分がってる？
みんな　兄さんの心配してんだよ。
それなのに…　文通で知り合った女を唯一信頼できる人だ？
あっ…。（浩二）何だよ　それ。それじゃ家族は信頼できねえってことか！？
父さんや母さんに　これだけ愛されて信用できねえってこと？なあ…　確かに兄さんは音楽諦めて　養子に行ったよ。
けど　結局　また戻ってきて勝手に留学決めてそれをみんな　何にも言わずに応援しようって言ってんのに女にうつつ抜かして　結婚するだなんてどうかしてるよ。
周りの愛を当たり前だと思うなよ！
もっと感謝しろよ！
これまで　ずっと我慢してきたけど俺…　兄さんが嫌いだ。
何で…　何で…何で　いつも家族の中心で…。
いや…　こ　こ…　浩二　ごめんな。
本当に　そんなつもりじゃ…。気付いてよ！もっと俺にも関心持ってよ。
浩二　もういいべ。
父さん…。
俺　家　立て直そうって頑張ってんだ。　分がってる？
分がってるよ　うん。
もっと分かってよ！
（すすり泣き）
　回想　（浩二）当たり前だと思うなよ！これまで　ずっと我慢してきたけど俺…　兄さんが嫌いだ。
（襖が開く音）
覚えてねえかもしんねえけど兄さんが唯一　僕にくれたもんだ。
お土産　買ってきたよ！
うわ～！　やった～！
お帰り。父ちゃん　川俣　すごかったよ！
教会で…。そんな話は後だ。　これ見ろ。
すげえ！
浩二…。
本当に…　ごめんな。
謝んなら…家族の幸せを第一に考えて下さい。
♪～