「掘った芋いじるな」とはどういう意味か
■「掘った芋いじるな」が、英語に聞こえる?
実際は聞こえていないのに、なぜか聞こえたような気がする「空耳」。誰かが発した言葉が、まったく違う意味の言葉で聞こえるときに用いられる。
この特性を用いて、英語力アップに生かそうというのが「空耳英語」である。私たちは日本語を話しているつもりだが、ネーティブには英語として理解できる表現も、確かに存在するのだ。
たとえば日本語の「掘った芋いじるな」という文。これは英語のWhat time is it now?(今、何時ですか?)に発音が近い。
単語を1つずつカタカナ読みすると「ホワット・タイム・イズ・イット・ナウ」だが、ネーティブは1つずつ発音をしているわけではなく、「掘った芋いじるな」のほうが流暢な発音としてネーティブの耳に入りやすい。
また、What can I ~?(私は何を~できますか?)の発音は、北海道の地名「稚内」に近い。canはアメリカ英語では「キャン」と発音するのが通例だが、イギリス英語では「カン」に発音が近くなる。
発音上、canのnとIは音の連結(リンキング)が起こり、「カナイ」と発音される。頭にwhatという疑問詞を付ければ、「ワッカナイ」に限りなく近づくというわけだ。
What can I ~?という表現はよく使うので、覚えておいて損はない。
さらに、使用頻度の高い英語表現の代表格といえば、Please~.(~してください)。これはお菓子の「プリン」という言葉を連想させる。ネーティブに向かって何かをお願いするときは、ぜひ「プリン」を思い出しておきたい。
■英会話の中に紛れこませるのがコツ
これらの「空耳英語」を使ううえでの注意点がある。
いきなりネーティブに向かって「掘った芋いじるな」と話しかけてはいけない。彼らは日本語で話しかけられていると思い、英語での解釈は不可能だ。
ポイントは、英会話の途中で、さらっと空耳英語を使うこと。そうすることで、話の文脈から、より理解することができる。
また空耳の日本語は、はっきりと滑舌よく話しても、相手に理解されにくい。ネーティブの理解度を上げるためには、やや早口で、口をあまりあけずに不明瞭気味に話すのがいいだろう。
空耳を語学学習に利用しているのは、日本人だけではない。ネーティブたちに話を聞けば、彼らも空耳を使って日本語を覚えることがあるそうだ。
日本語に聞こえる英語も存在する。たとえば、日本語の「問題ない」は、Monday night(月曜の夜)、「どういたしまして」はDon,t touch my moustache.(私の口ひげに触らないで)と似ているというのだから興味深い。
空耳は、グローバルなコミュニケーションを円滑にする1つの手段となりそうだ。
実用性の高い空耳英語リストをご紹介する。
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(プレジデント編集部 写真=PIXTA、iStock.com)