電気製品や雑貨などの日用品、家具、玩具、自動車など、私たちの身の回りには数多くのプラスチック製品や部品があふれています。そもそも、プラスチックとはどのような物質なのでしょうか?
プラスチックは「合成樹脂」とも呼ばれています。つまり、人工的に合成された樹脂という意味となります。元来、樹脂とは樹木から分泌される樹液が固まった物質。松脂、柿渋、漆などがその代表格です。これらの樹脂は水に溶けにくく、固まった(油分が揮発した)後には安定し、形を保持する性質があるため、古くから塗料や接着剤、充填材などとして使われていました。
このような性質を持ち、使い勝手の高い樹脂を材料として幅広く使うため、石油などを原料として化学的に合成したのが合成樹脂であり、プラスチックはその一部です。
ちなみにプラスチック(Plastic)の語源は、ギリシャ語の形容詞「plastikos(可塑性のある)」と言われています。
可塑性とは、物質に物理的な力を加えることで変形させ、その形を保持する性質。語源に基づけば、プラスチックは造形が容易な可塑性物質という意味になりますが、その定義は非常に曖昧です。
そこで、一般的にプラスチックは「主に石油(ナフサ)に由来する高分子物質(主に合成樹脂)を主原料とした可塑性の物質」と定義されています。
また、プラスチックは、加熱すると硬くなり元には戻らない性質の「熱硬化性樹脂」と、加熱すると軟らかくなり冷やすと固まる性質の「熱可塑性樹脂」に分類され、当社では、成形が容易で生産性に優れた「熱可塑性樹脂」を主に取り扱っています。
プラスチックを大まかに分類すると以下のようになります。
主に1930年代から50年代にかけて開発されたもので、大量生産が容易で比較的安価なため、日用品や電気製品などの筐体、住宅建材、フィルムシート、クッションなどの包装材緩衝材などとして、現在、最も普及しています。
汎用プラスチックの耐熱性という弱点を克服し、概ね100℃以上の耐熱性を実現したプラスチックです。
概ね150℃以上の耐熱性や難燃性などを実現し、金属の代替材料としての利用が可能な高機能プラスチックです。
別頁、「エンプラ、スーパーエンプラの基礎知識」で解説します。
一般的にプラスチック(主に汎用プラスチックの場合)には、次のような特徴があります。