安倍晋三政権の最大の不幸は、「景気10年サイクル」の「不況期」(2012年秋~2022年夏)に浸かっていて、2020年春を待たずに、「桜散る」が如く、散り始めの暗示。

2019/11/20 ブログ
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「歴史教科書に残る業績(レガシー)は、何もなく、安倍晋三首相の通算在任
日数が11月19日、計2886日となり、歴代最長記録を持つ戦前の桂太郎
元首相(1847~1913)と並んだ」―朝日新聞社が11月16、17日
に実施した全国世論調査(電話)で、首相主催の「桜を見る会」に安倍晋三首
相の支援者が多く招待されていたことについて聞くと、「大きな問題だ」が5
5%で、「それほどでもない」39%を上回った。首相の説明には68%が
「納得できない」と答え、「納得できる」は23%にとどまったと報じてお
り、安倍晋三政権は、2020年春を待たずに、『桜散る』が如く、散り始め
の暗示が見て取れる。
安倍晋三政権の最大の不幸は、「景気10年サイクル」の「不況期」(201
2年秋~2022年夏)にドップリ浸かっていて、そのうえ、米共和党重鎮
キッシンジャー博士とロシアのプーチン大統領が築いた世界「新機軸」潮流か
ら外されてきたことだ。このため、「安倍外交」は、完全に失敗している。


 長州藩上士出身(大江広元の子孫)桂太郎元首相は、第11・13・15代 内閣総
理大臣を務めた。第1次桂太郎内閣は、1901年6月、海相・山本権兵衛と陸相
・児玉源太郎の留任を除いて、小粒な内閣として発足した。初めて大臣になる
という官僚が大半で、しかも、内務省出身の山県閥官僚であった。このため、
国民は「小山縣内閣」「第二流内閣」と揶揄した。それでも、9月に小村寿太
郎を外相に起用し、日英同盟締結(1902年1月30日署名~1923年8月17日失効)を
推進、日露戦争(1904年2月8日~1905年9月5日にかけて大日本帝国とロシア帝
国との間で行われた戦争)において日本に有利に作用した。しかし、戦争の実
状を国民に秘匿していたため、賠償金は取れず、割譲されて得た領土が樺太南
部だけという結果に、国民が不満を抱き、第1次桂太郎内閣末、日比谷焼打事
件が起きた。第2次桂太郎内閣では、韓国併合や大逆事件による社会主義者へ
の弾圧、関税自主権の回復による条約改正の達成などの業績を残した。第3次
桂太郎内閣では、第1次護憲運動が起こり、桂太郎首相は新政党(後の立憲同
志会)を立ち上げて対抗しようとしたが、達成できず、わずか62日で退陣し
た。

 桂太郎首相と米国タフト国務長官(後の大統領)との密約により、韓国併合
(1910年8月29日) を行い、大日本帝国による統治は1945年9月9日に朝鮮
総督府が米国に降伏するまで、35年間続いた。
 日韓併合の密約を桂太郎首相に持ちかけたのは、米国タフト国務長官(後の
大統領)で、大日本帝国が、軍隊を派遣して植民地にしたというのは、誤りで
ある。ロシア帝国からの侵略に備えて「保護国」にしたのだ。タフト国務長官
は、米西戦争で勝利して、初代のフィリピン総督に就任したけれど、フィリピ
ン人の反乱に手こずり、朝鮮半島に軍隊を派遣できなかったため、大日本帝国
に救援を求めてきた。
 1910年8月29日、大韓帝国の李完用首相(韓国・北朝鮮では、国賊と
言われている)にワシントンで日韓併合条約を締結させたセオドア・ルーズベ
ルト大統領は、「日本による野蛮国朝鮮の解放は人類にとって幸福になるばか
りか、それはWhite burdenならぬYellow burdenを担う日本の明らかな運命・
Minifest Destinyではないのか、ましてこれに対する一撃すら与えることので
きない無能で野蛮な民族、集まれば争い分裂することを事にしている朝鮮人、
かりに統一国家が形成できたにせよ、朝鮮がアジアにおいて何の脅威にもなら
ないと、判断した」と演説した。

 安倍晋三首相は、北朝鮮(金正恩党委員長)により拉致されている日本人救出
問題と日朝国交正常化・国交樹立・平和友好条約問題を抱えている。だが、米
朝が進めている朝鮮戦争終戦・朝鮮半島統一が間近と言われているにもかかわ
らず、世界「新機軸」潮流から外されてきたうえに、北朝鮮に対して敵視政策
を続けているため、これらの外交課題を解決できない。
 安倍晋三首相は、「アベノミクス政策」の失敗、「地球儀を俯瞰する外交」
の「空回り」により、目だった「結果」を出していない。戦後残され外交課題
「北方領土返還・日ロ平和友好条約締結」「日朝国交正常化・国交樹立・平和
友好条約締結」「国連憲章の敵国条項削除」「日本国憲法改正」などを未だ実
現していない。
 「景気サイクル10年説」に基づく「好況・不況サイクル」は、現在「201
2年10月~2022年7月の不況サイクル」のなかにあり、「2022年1
0月」からの好況サイクルに入るには、後3年かかる。安倍晋三政権は、第2
次安倍内閣以来、不幸なことに「不況サイクル」のなかにドップリと漬かって
いるので、「デフレ」から抜け出すことも、「物価上昇2%」を達成すること
もできなかった。完全失業率3%を超えると「危険水域」と言われているけれ
ど、現在は「4~5%台」で推移している。有効求人倍率は「1.4~1.5」を維持
している。人手不足だが、安倍晋三内閣の「働き方改革」は、労働者にとって
必ずしも、「良好な働き方」を保証していない。過重労働の強制が続いてい
る。
 さらに悪いことに、安倍晋三政権は、年金の支給開始年齢を「75歳」に送
らせようとしている。高齢者を働かせて、年金財政を維持しようとしているの
だ。さらに、全国の公立病院を統廃合して、国民医療費の支出を抑制しようと
計画中だ。高齢者の医療費の自己負担も引き上げようとしているという。高齢
者の生活は、苦しくなるばかりだ。