安倍晋三首相は、英国に遅れること100年にして始められた日本の政治改革は、25年を経て水泡に帰させており、「外遊日程」を次々に組み込み、海外逃亡しようとしている。
「『桜を見る会』をめぐるこの間の安倍政権の対応を見ていると、ミルのい
う『衰退』の徴候は明らかであるように思う。いまや憲政史上最長となったこ
の政権は、与党との関係から『抵抗を受ける可能性』を一掃し、官僚組織から
も官僚制ならではの合理性を奪い、『忖度』を強いている。この問題について
は野党が本腰を入れているのがかろうじての救いである」―これは、朝日新聞
12月5日付け朝刊「31面=文化・文芸欄」に掲載された早稲田大学の齋藤
純一教授(政治学者)の寄稿文「桜を見る会 危うい選挙独裁」「抵抗の可能
性を排除 民主主義に傷」の一節である。「ミル」とは、英国の哲学者・政治
哲学者ジョン・スチュアート・ミル(1806年5月20日から1873年5
月8日)である。経済思想家でもあり、政治哲学においては自由主義・リバタ
リアニズムばかりでなく社会民主主義の思潮にも多大な影響を与え、晩年は自
ら社会主義者を名乗っていたという。齋藤純一教授の目から見ると、安倍晋三
首相は、1994年に日本で成立した小選挙区比例代表並立制と政党交付金の
導入を柱とする政治改革のための法律群、つまり公職選挙法の一部を改正する
法律、衆議院議員選挙区画定審議会設置法、政治資金規正法の一部を改正する
法律、政党助成法の政治改革4法を台無しにしている。つまり、英国に遅れる
こと100年にして始められた日本の政治改革は、25年を経て、水泡に帰し
ているように映っているに違いない。そればかりではない。安倍晋三首相は、
国会で野党に追及されるのを怖がり、「外遊日程」を次々に組み込み、海外逃
亡しようとしている。しかし、「外交成果」を少しも上げられず、「外交の安
倍」を信ずる者は、国内外ともにどこにもいない。以下は、上皇陛下の側近・
吉備太秦の見解である。
日本は唯一の被爆国なのに核兵器廃絶も批准していないし、COP25も米
国に追随してしまっている。しかも、石炭火力発電所を新たに作ろうとしてい
るのは、世界中で日本だけだ。国連の会議「COP25」が開幕し、地球温暖化
対策が話し合われるなか、梶山弘志経済産業相は「石炭火力発電所は選択肢と
して残していきたい」と述べ、石炭火力発電を続けたうえで、技術開発によっ
て温室効果ガスの削減を目指す考えを示した。NHKが報道している。
コップ25には、小泉進次郎環境相が行く。いまCOP25に行っている世界
中の国々から日本は物凄い批判を受けている。スウェーデンの16歳の環境活
動家グレタ・トゥーンベリさんが、温暖化ガスを出さないために2週間かけて
ヨットで大西洋を横断して、12月4スペインのマドリッドに着いた。彼女
は、日本が石炭火力発電所は選択肢として残し新たにつくろうとしていること
を、ものすごく批判している。彼女の言動は世界中から注目されているだけ
に、彼女の日本に対する批判の発信力はすごいものがあって、まさにインフル
エンサーで影響力がある。
こうしたところで、今回、小泉進次郎環境相が行くわけだが、間違いなく世
界中から袋叩きに合う。これに先駆けて安倍晋三首相は、国連のアントニオ・
グテーレス事務総長から「COP25」での演説を断られていたことが報道され
たが、あれが伏線だったということだ。だから、世界中から批判を浴びて、集
中砲火になるだろう。そこでインフルエンサーのグレタさんが、コメントする
ことは目に見えている。
いま、イランやコンゴが物凄いことになっている。イランは国内での石油価
格が3倍になって、漁師が漁船で漁にも出られなくなっている。完全に経済が
崩壊しており、民衆のデモが「ハメネイ師を殺せ」と、物凄いことになってい
る。それに対して、イランも中国と同じように、言論の自由はないし、基本的
はイスラム原理主義なので、革命前夜のような様相で、それを最高指導者のハ
メネイ師直属の革命防衛軍が徹底的に「ならず者は皆殺しにする」と言ってい
る。
中東では、大規模な反政府デモが続くイラクで12月1日、アブドルマハ
ディ首相が責任を取る形で辞任したので、イランの革命防衛隊がほぼ占領して
しまっている。イラン、イラク、シリアの全てシーア派で、いわゆる「シーア
派ベルト」ができてしまっている。ここをトルコが取り崩していく。その流れ
はできている。
しかし、トルコに対して経済制裁を課すということをトランプ大統領が決め
た。北朝鮮に対しても軍事攻撃を辞さないと急に言い出した。