安倍晋三首相は、サウジアラビア、UAE、オマーン訪問を中止、野党などから「逃げるなら海上自衛隊護衛艦1隻とP3C哨戒機2機の中東派遣も見直せ」という批判の声が噴出

2020/01/09 ブログ
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「子年は政変が起こる」というジンクスが、日本だけでなく国際社会でも現
実化し始めた。トランプ大統領が1月3日、イラク・バグダッドでドローン攻撃
によりイラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官をイラクの首都バグダッ
ドで殺害させた。イランの最高指導者ハメネイ師は8日未明、米軍が駐留する
イラクのアル・アサド空軍基地に15発の弾道ミサイルを発射し、80人死
亡、200人負傷させた。この事件で安倍晋三首相は8日、中東情勢の緊迫化
を受けて、11日に出発を予定していたサウジアラビア、UAE=アラブ首長
国連邦、オマーン訪問を中止した。これに対して、野党や一般市民から「逃げ
るなら海上自衛隊護衛艦1隻とP3C哨戒機2機の中東派遣も見直せ」という批
判の声が噴出。保釈中に中東のレバノンに逃亡した日産自動車のカルロス・
ゴーン元会長が、日本時間の8日午後10時からレバノンの首都ベイルートで記
者会見を行い、カルロス・ゴーン元会長をワナにかけて失脚させた「裏切り
者」の実名を明らかにした。また、立憲民主党、国民民主党、共産党など主要
野党は8日の国対委員長会談で、中東への海上自衛隊派遣の閣議決定撤回を求
めることで一致、加えて、安倍晋三首相が成長戦略の中心に据えてきたカジノ
を含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件を受け、IR実施法の廃
止法案を通常国会召集が予定される20日に提出することも確認した。安倍晋
三首相の政権基盤が、相次いでぐらつき続けている。上皇陛下の側近である吉
備太秦は、「安倍晋三首相は、退陣に向けて、急速にころがりつつある」と判
断して、次のように解説している。


 カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる汚職事件IR汚職は時間の問題
だ。いま国会議員5人の名前が出ていて、日本維新の会は8日、中国企業顧問
から現金100万円を受領したと認めている下地幹郎元郵政担当相(比例九州)
について、離党届は受理せず、同日付で除名処分とし、議員辞職も勧告する。
最も重い除名処分が相当と判断したのは、現金受領が政治資金収支報告書に記
載されていなかったからだ。
 あとの自民党の4人はもらっていないと否認している。しかし、そんなこと
はあり得ないし、このほかに11人いる。それも、いまわかっているだけで1
1人ということで、さらに広がるだろう。しかも100万円単位のレベルでは
なくて何千万円の規模のお金を間違いなくもらっている。

 とりあえずは、中国の500.comから出たお金の原資がどこから出てい
るかが問題になってくる。500.comというのはペーパーカンパニーみた
いなものなのだし、中国はカジノのライランスを持っていない。
 500.comを使って日本のカジノに参入したいということなのだが、日
本のパチンコ業界もカジノに参入したい。パチンコは、昔は一球40円だった
のが、いまは一球1円の1円パチンコになってしまっている。スロットも20
円だったのが5円とかになっている。ホールの大きさも設置台数もそのまま変
わらないなかで、球の単価が下がるということは、それだけ単純に売り上げが
減る。換金についても、昔は等価だったのが6掛けとかになっている。いわゆ
るパチンコやパチスロを生業としているプロの人たちが、昔は10万円や20
万円勝てたのが、マックス勝てても数万円になってしまっていて、プロとして
の生活が成り立たなくなっている。
 パチカコ産業は、一時は30兆円産業といわれて、自動車産業を越える一大
市場だったが、それがいまは3分の1以下になっている。パチンコメーカーと
してもここは起死回生でカジノに参入したい。そして今回のIR汚職では、マ
ルハンの本社やハン社長のところが家宅捜索されている。要するに、500.
comに原資を出していたのは、カジノに参入したい在日のパチンコメーカー
が出している可能性が高い。マルハンというのは、パチンコ業界のなかではダ
ントツトップで最大手だ。大手5社、パチスロだったらサミーとか、ユニバー
サルとか、そういったところに家宅捜索が入っているので、今回のIR汚職に
関する500.comへの原資の出どころは炙り出されてくるだろう。

 中国政府は関係ない。マカオがカジノで伸びてきたのは、習近平国家主席の
中国政府が、人民元の海外への持ち出しを禁止していたため、中国の共産党政
治局員で、裏金で何十億円も何百億円も持っていた人たちはカジノを使って裏
金を海外へ持ち出し移住に成功してきている。その仕組みは、中国共産党政治
局員をジャケットという地下銀行が裏金をいくら持っているかを調べていて、
彼らがフェリーでマカオのカジノに行くと、まずは事前調査でわかっている裏
金相当の資金をその場で貸す。そのカネを使ってバカラで、プレーヤーとバン
カーにそれぞれ、ずっと賭け続ける。そのとき5%しか負けない。そこでカジ
ノが勝ちましよという証明書を出す。たとえば、10億円(実際には元)賭け
て95%、9億5千万円勝ったという証明書を出す。その証明書を持って香港に
行き、香港のHSBCでUSドルに両替することができる。その資金とグリー
ンカードを持って、米国に移住する。そういうことで、マカオのカジノは、ラ
スベガスを抜いて世界一になった。
 ところが、それを仕切っていたのが、スタンレー・ホーだったが、事業を親
族に譲って退任しカナダに移住している。習近平国家主席は、カジノを使った
換金を禁止して、ジャンケットも賄賂も徹底的に取り締まった。ただ、マカオ
には世界遺産もあるし、観光地としては維持しているが、そうしたことがあっ
て、マカオは習近平政権に対しては快く思っていない。賄賂もダメ、闇経済も
ダメと厳しく取り締まっている割には、ウイグル地区や香港でどんどん人権侵
害をしているではないかと、批判に拍車がかかる要因にもなっている。子年の
政変は、中国も例外ではなさそうだ。