世界銀行は8日改定した世界経済見通し(GEP)で、2020年の世界全体の成長率を2.5%と予測し、 19年6月時点から0.2ポイント下方修正した。

2020/01/10 ブログ
logo

関税合戦の影響で米国と中国の成長率がともに減速し、世界全体の貿易量も大きく落ち込むと指摘した。
中東情勢が一段と悪化すれば、世界景気はさらに下振れが避けられない。
19年の世界全体の成長率は2.4%と推定し、金融危機の影響を脱し始めた10年以降では最低の伸び率となった。
19年の貿易量は前年比1.4%増にとどまり、18年(4.0%増)から急減速した。
  日本経済新聞 1月9日 

★世界経済全体の成長率は、3%台が多く続いてきました。
ただ、世界金融危機や2003年のイラク戦争のような外的ショックがあると
2%半ば以下に低下するというパターンが半世紀ほど続いてきました。
https://data.worldbank.org/indicator/NY.GDP.MKTP.KD.ZG?end=2018&start=1997

今回のように、2019年が2.4%成長、2020年が2.5%と不況入りギリギリの数字が続くのは異例です。

理由としては米中貿易戦争に見られるように、世界の貿易量が減少する動きが相次いでいるとの説明です。

しかし、それだけではありません。

世界的に労働力の投入人数が減っており、これは2000年に1.8%増というピークを付けた後、
大きく減る傾向にあり、2100年にはゼロ成長となる見込みです

経済成長は、労働力投入数と資金投資額と生産性向上の3つの掛け算で求められます。
3つの中で最もお寄与度が大きいのは、過去1世紀は労働人口の増加によるものでした。

つまり、世界経済は人口増が大きかったので、年3%を超える高成長が可能だったのです。
しかし、この20年の間に世界の労働力投入数は減り続けてきました。

これが、世界経済の潜在成長率を下げているのです。

日本に限らず、世界も労働力人口の減少によって経済成長率が長期的に低下しているのです。

ま、この分野では日本は最先端を走っていますが。

尚、2020年の世界経済見通しはIMFも発表しておりそちらは3.4%成長見通しです。
この理由は、IMFが為替レートを、新興国のウェートが高くなるようになる
購買力平価換算レートを使っているために、新興国の成長率の高さが大きいからです。
実態を見るなら、世界銀行の2.4%と言う成長率の方がしっくりきます。