アベベ・ビキラの足の裏
裸足で走ると 必ず言われる言葉の一つに、
「あっ、アベベだ!」がある。
ローマ五輪から半世紀以上が過ぎても、裸足ランナーといえば今なおアベベ・ビキラなのである。
Abebe Bikila Marathon 1960 Rome Olympics ...
言うまでもないが、裸足ランナーの永遠のアイドル、アイコン、アベベ・ビキラは、ローマ五輪マラソンを裸足で走って金メダルをとったエチオピアの国民的英雄。これは何度見ても見飽きない裸足ランナーのバイブル的なその当時の記録映像だ。
アベベの足の皮膚がタイヤの様に見えたけど触っただけで飛び退くほど神経が敏感だったというエピソード。象徴的。
ベアフットランナーの足裏の皮膚状態は最も関心があつまるポイント。往々にして裸足ランナーの足裏はシューズのソールの様に肥厚して硬くなっていると思われがち。でも実際は皮が厚いというよりは皮下脂肪に厚みがある足になるようだ。あの『BORN TO RUN』のベアフット・テッドが来日した時に足の裏を触らせてもらったが、決して硬くはなく、もちもちした弾性の塊といった感じであった。
こんな誤解からか、裸足ランの駆け出しの頃に、意外と勘違いされやすいポイントとして、足裏全体を摩擦させて肥厚させ、足裏の痛み鈍感になることが
「足裏を鍛える」ことだ、と頑張ってしまうことがある。
実際は真逆で、足裏をいかに摩擦させず、足裏の痛みに敏感になり、痛みを感じないフォームを見つけ出せるかどうかが、裸足ラン上達進捗の鍵となる。
具体的に摩擦させないためにはどうしたらよいかについては、前エントリーで少し取りあげた。
アベベは ローマ五輪の42.195kmをゴールした後に「まだ余力はある。走れと言われればもう20kmぐらい走れる」と話したというが、動画のゴール後もバネのかたまりみたいに飛び跳ね、整理体操をはじめる様子から、このことばがただのやせ我慢、つよがりのビッグマウスではないことがわかる。
足裏を摩擦させなければ、毎日、どんな長距離でも裸足で走れるように、人間はデザインされている。