「ロキソニン」や「カロナール」は、どんな痛みでも服用して大丈夫? 2020/04/30
急な痛みが起こったとき、診療時間外だったり病院に行く時間がないときは、市販の痛み止めの薬を利用することが多いのではないでしょうか。痛みはさまざまな原因で起こるもの。果たして、どんな痛みにも、市販の痛み止めを使って大丈夫なのでしょうか。痛み止めについての素朴な疑問について、痛みのプロであるペインクリニック専門医の土橋富美子先生にお答えいただきました。
監修医師:
土橋 富美子(どばし泌尿器科クリニック)
痛みの原因と合わない市販薬の服用は要注意!
編集部
どんな痛みでも、市販の痛み止めを服用して大丈夫なのでしょうか?
土橋先生
痛みには、急性痛と慢性痛がありますが、急性の痛みであれば、忙しいときや夜間などで病院に行けない場合は、とりあえずの処置として市販薬を飲むのも仕方ありません。ただ、痛みの種類によっては、余計に悪化することがありますから、できれば、時間があるときはペインクリニックにきてご相談いただいたほうが安全に、的確に、痛みを抑えることができます。
編集部
市販薬を飲んで、余計に症状が悪化するのはどんなときでしょう。
土橋先生
たとえば頭痛のときは、炎症や痛みを抑えるイブプロフェンという成分の入った薬が市販薬としてよく売られていますが、実は頭痛にも、3~4種類のタイプがあります。そのため、頭痛の種類によっては、イブプロフェンを飲むことでかえって悪化することもあります。また、おなかが痛いとき、原因が胃の粘膜の荒れの場合、痛み止め薬のロキソニンを飲んでしまうと、ロキソニンには胃を荒らす副作用があるため、さらに胃の粘膜を荒らして症状が悪化する場合もあります。副作用を避けるためには、できれば薬を飲む前に、何が原因の痛みなのがはっきりさせることが大切です。
ロキソニンをお守りにしてもOK。ただし、用法用量は厳守を
編集部
「痛みにはとりあえずロキソニン」という方が多い気がしますが。
土橋先生
そうですね。とくに、頭痛や生理痛などに悩まされることが多い女性で常備されている方は多いですね。実は、私も持ち歩いていますよ。頭痛や生理痛などの痛みを繰り返す方は、その痛みを抑えるのに、ロキソニンが適しているのであれば、飲んでいただいても構わないと思います。ただ、先ほどもお話したように、ロキソニンは飲み過ぎると胃を荒らしますから注意していただきたいですね。
編集部
痛み止めのロキソニンに依存性は?
土橋先生
依存性が出るのは、覚せい剤などの多幸感があるものですから、薬物学上では、ロキソニンに依存性はありません。持ち歩いている方は、急に痛みが出ると不安なので、お守りのように持っている方が多いようです。それは依存とは違いますから、いざというときの安心のために、持ち歩くことはよいと思います。
編集部
ロキソニンを使うにあたっての注意点はありますか?
土橋先生
前述した胃痛の場合と、ロキソニンはあまり多様すると血が止まりづらくなるという粘膜障害が起こる可能性がありますので、それだけは注意していただきたいですね。病院で処方された薬であれば、医師のほうで量がわかっていますから飲み過ぎにならないようチェックができますが、市販薬ではチェックができませんから。用法用量を守っていただくことが大事ですね。また、ロキソニンは急性痛には効果がありますが、痛みが3ヶ月以上続くような慢性痛には効きにくいので、その場合は痛みの原因となっている部分の専門医か、ペインクリニックを早めに受診していただくことをおすすめします。
編集部
急性の痛みの場合、薬はどれくらいで効果が表れますか?
土橋先生
ロキソニンなど飲み薬の場合は、服用から30分から40分ぐらいで効果が現れてきます。坐薬ならもっと早くて15分ぐらいで効いてきます。痛みが緩和されている時間は、たとえば市販薬の場合、1日に3回飲む薬なら、8時間ぐらい、1日1回の薬なら、24時間ぐらいというのがおよその目安です。
慢性痛に急性痛の薬はNG。神経を鎮める神経痛の薬が必要
編集部
慢性痛にはロキソニンが効きにくいのはなぜでしょう?
土橋先生
急性の痛みの原因は、ほとんどが炎症によるものですが、3ヶ月以上続く痛みは、神経痛に変わってきます。そうすると、痛みの原因が違いますから、効く薬も違ってきます。神経痛の場合、一般的にはリリカやトラムセットという薬が処方されます。神経痛の薬は、めまいやふらつき、眠気など、意識に影響する副作用があるため、市販では購入できません。また、神経痛の薬と一緒に使うことの多い睡眠薬も、市販はされていません。
編集部
神経痛とはどういう痛みなのでしょう?
土橋先生
編集部まとめ
医師の立場からすると、急な痛みにとりあえず市販薬を飲むことは、やむをえない場合は仕方がないとしても、おすすめはできないとのこと。理由は、原因と異なる目的の薬を飲むと、かえって症状が悪化してしまうためです。できれば、痛みの原因をはっきりさせてから、医師が処方する薬を飲んだほうが安全なので、まずは専門医を受診することが推奨されています。
ただ、頭痛や生理痛に悩まされがちな女性の中には、痛み止めの中でもロキソニンを常備している人を結構みかけます。その場合、その人の痛みにロキソニンが合っていれば、お守り的に持ち歩くことは否定できないものの、用法用量を守ることは必須です。
また、ロキソニンは急性痛には効果があっても、3ヶ月以上続く慢性痛には効きません。急性痛はおもに炎症からくる痛みが原因ですが、慢性痛は、長引く痛みで神経が過敏になった神経痛だからとのこと。神経痛のための薬は、意識障害の副作用があるため、市販薬としては購入できず、医師の処方が必要です。痛みの原因によって、飲むべき薬が変わること、副作用は極力避けたいこと、を考えると、やはり、できるだけまずは病院に行くことを心がけたいと思いました。
医院情報
| 所在地 | 〒413-0015 静岡県熱海市中央町17−15 K’sメディカル3階 |
| アクセス | 熱海駅から徒歩17分/来宮駅から徒歩13分 JR熱海駅よりバスにて清水町バス停下車 |
| 診療科目 | 泌尿器科・腎臓外科・ペインクリニック内科・麻酔科 |