押し入れにしまってある不用品、通帳が見つからない口座、増え続けるインターネット上のアカウント、これらが自分の死後どうなるのか、気になったことはないでしょうか。
相続のことを具体的に考えるのはまだ早くても、いつかくるその日に向けて、今日からでも始められる生前整理はあります。そこで今回は、「モノ」「お金」「デジタル情報」の項目に分けて、簡単にできる生前整理の方法をご紹介します。
自分にはまだ早いと感じる世代の方も、親世代が気にしている頃かもしれません。お互いに知っておいたほうが良いことも多いので、親子で話し合って整理を進めると良い場合も。
大和ネクスト銀行では、大切なお金に関するご相談も、銀行代理店である大和証券の窓口でしっかりサポート。より豊かな人生を実現するためのお手伝いをしていきます。
年齢を重ねていくにつれ、自身の老後や死後のことを考える機会が増えていくものです。
そこで気を煩わせるのが、モノやお金の整理。死んだ後のこととはいえ、大量にある不用品の処分や、契約関連の処理を遺族に任せるのは忍びないものです。また最近では、インターネット上のアカウントやスマートフォンに保存したデータなど、デジタル情報の扱いについても考えておかなくてはいけません。
いつかくるその日がまだ先であるほど、早めに生前整理に取り組んでおけば、残りの人生で余計な問題に悩まされる日々は少なく済むはずです。きちんと整理されている旨を、相続人に将来なる可能性のある親族などにそれとなく伝えておけば、相手もいくらか安心できるものです。
そして、数多くのモノやサービスが溢れる昨今、本当に必要なモノだけに囲まれてこれからの暮らしをシンプルに楽しむためにも、生前整理は有効です。早速今日から、生前整理を始めてみませんか ?
生前整理に対して、死後行われるモノの整理は、「遺品整理」と呼ばれます。遺品整理を専門の業者に依頼した場合、例えば1DKで5万円前後、3LDKで20万円前後といった金額がかかります。かといって、遺族自身が作業するにも大変な手間になりますし、粗大ゴミの処分にもある程度の費用はかかります。
早めにモノの生前整理をしておくことで、死後の遺族にかける負担や費用を減らすことができる上に、価値のあるものを売っておけば、その分プラスにできることもあります。
モノを減らせば広い家に住む必要もなくなり、思い切ってコンパクトな住居に引っ越すという選択肢を選ぶことも可能になってくるでしょう。
処分方法 | 特徴 |
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自治体の 粗大ゴミ |
比較的安価で回収してもらえます。自宅前や粗大ゴミ置き場など、指定された収集所まで自分で運び出す必要はあり。また、依頼から回収までに数日程度かかることが一般的です。 |
不用品回収 業者 |
自宅からトラックまでの運搬も対応してくれることが多く、最短当日に回収してもらえます。費用は数千円~と、自治体の粗大ゴミ回収よりも高額になります。 |
リサイクル ショップ |
自宅まで見積もりや回収に来てもらえる「出張買取」が便利です。不用品の状態によっては、買取できないモノも。その場合は、処分手数料を支払って回収してもらうことも可能です。 |
ネット販売 | フリマアプリやネットオークションなどを利用して、自分で販売する人が増えています。購入者とのやり取りや梱包、発送などに対応する必要があります。 |
銀行口座、証券口座や現金のありかは整理されていますか ? 口座が多過ぎる場合はまとめて、現金がタンスなどにしまわれている場合は、口座に入金するか、少なくとも一か所にまとめましょう。
また、契約している保険の内容を改めて見直し、保険証券や関連書類はわかりやすくファイリングしておきます。死亡保険金は受取人が連絡や手続きをすることになりますが、生命保険に入っていることに受取人が気付かなければ、最悪の場合保険金も支払われないままになってしまいます。
解約に必要な手続き | 本人が銀行窓口にて手続きをすることが一般的ですが、郵送やインターネットで手続きできる銀行もあります。 |
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解約に必要な書類等 |
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解約にあたっての注意点 | 定期預金の中途解約は、満期での解約に比べ利率が低くなります。 解約後にまた口座を開設したくなっても、何らかの理由で開設を断られてしまう可能性があります。 |
解約に必要な手続き | 窓口、もしくは郵送での手続きが一般的です。インターネットで解約できる場合もあります。 |
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解約に必要な書類等 |
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解約にあたっての注意点 | 株式などの証券残高、現金残高などをあらかじめ清算する必要があります。 |
インターネットやスマートフォンが普及し、急増するデジタル関連の契約やデータ。それらが自身の死後一体どうなるのか、答えられない人は多いでしょう。こういったデジタル情報は、所有者が死んだ後は「デジタル遺品」と呼ばれ、法整備がまだ十分でない中、どう取り扱えばいいのかと議論になることも多いようです。
例えば普及が進むスマホ決済サービスは、保有金額の上限が100万円程度と、かなりの額になります。昔は冊子のアルバムを残すのが普通だった写真も、スマートフォン端末の中にだけ保存されているのも普通になりました。
生前にアカウント情報を共有してしまえばいいという考えもありますが、サービスによっては「一身専属」が前提で他人との共有が認められなかったり、相続関係のトラブルやセキュリティ上のリスクに発展したりする可能性もあるので、慎重に考える必要があります。
生前整理の一環として、自身のデジタル情報を把握し、死後どうなるのか確かめておきましょう。
デジタル情報 の種類 |
今日から |
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携帯電話や パソコン本体 |
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SNS |
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ネット サービス (動画配信 サービス、 新聞の 電子版など) |
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スマホ決済 サービス |
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データ (動画や |
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今回は、遺言書を書くような、相続関連の手続きについてではなく、あくまでも今日からでも始められる生前整理についてお伝えしました。
それでも「しなくてはいけないことが、結構たくさんあるな」と面倒に感じる方もいるかもしれません。まずは自分が始めやすいところから実行してみましょう。ひとつ実行することで意識が変わり、あれもしておきたい、これもしておきたいとなり、気付けば生前整理を楽しんでいた……となるのが理想です。