“転売ヤー”今度は粉もの標的…小麦粉、ホットケーキミックス高値大量出品

[ 2020年5月2日 05:30 ]

都内のスーパーマーケットのホットケーキミックスの棚は空っぽになっていた
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 新型コロナウイルスの感染拡大により家庭で過ごす時間が増えた影響で、パンや菓子作りで用いる小麦粉やホットケーキミックスなどが品薄状態になっている。インターネット上で高値で転売されており、江藤拓農相が1日の閣議後の記者会見で言及する事態に発展。「極めてけしからんことだ。小麦の在庫は十分にある」と述べた。買い占めを招くとして「政府として何らかの対応をする必要がある」と警告した。

 4月21日にNHK総合の朝の情報番組「あさイチ」で“お餅の厚焼きパンケーキ”の作り方をアンコールで紹介。人気情報番組が紹介した食材が翌日からバカ売れとなる現象のままに、そこから一気にスーパーなどで粉もの商品が品薄状態となった。

 こうした粉もの人気に、機を見るに敏な“転売ヤー”たちが反応。ヤフオクやメルカリなどで定価の2倍以上の高値をつけたホットケーキミックスなどが大量に出品された。3月5日に安倍首相がマスクの高額転売の禁止を表明して以来、鳴りを潜めていた“転売ヤー”たちが再び動きだしたというわけだ。

 小麦については、安定供給のため、米国やオーストラリアなどから国が一元的に輸入している。農林水産省によると、外国産小麦の備蓄は現在約93万トンあり、国内需要の約70日分に上るという。

 江藤氏は、製粉メーカーも供給体制を強化していると指摘し「転売により、足りていないのではという誤った不安をあおることになる」と懸念を示した。菅義偉官房長官も記者会見で「メーカーは連休中もフル稼働で生産、供給すると聞いている」と説明し、落ち着いた購買行動を呼び掛けた。

 《体温計の電池も品薄に》新型コロナの影響で品薄になったのは、マスクや粉商品だけではない。2月下旬にはSNSへのデマ投稿が原因でトイレットペーパーの買い占め現象が起こり、ドラッグストアなどの棚が空に。投稿者が勤める鳥取県の団体の理事長がネットで謝罪する騒ぎとなった。ほかにも、消毒スプレー、ウエットティッシュ、体温計、マスク製作キット、粉商品関連でバターなどが品薄。また、体温計に使う小型ボタン電池「LR41」も3月下旬から品薄で、家電量販店の担当者は「同じ電池を使う小型ライトを購入して付け替える人も出てきた」と話した。

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