展示作品で5歳焼死、遺族が大学側と主催者を提訴

新屋絵理

2020年4月30日05時00分

火災の翌日、燃えた木製のジャングルジムを調べる捜査員ら=2016年11月7日、東京都新宿区

 2016年11月、東京・明治神宮外苑で開かれたイベントで木製のジャングルジム形の展示作品が燃え、遊んでいた男児(当時5)が死亡した火災で、男児の両親らが、作品を出展した日本工業大学側とイベントの主催会社に計約1億2千万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

 訴状などによると、火災は11月6日夕に発生。同大の学生が作った作品が燃えて男児が焼死。助けようとした父親もやけどを負うなどした。作品の中に置かれた白熱球を使った投光器の熱が、飾りの木くずに伝わって出火したとされる。

 遺族側は、学生らは木くずの近くに投光器を置き続ければ、高熱で発火する危険性を予見できたと指摘。投光器を点灯させないように指導する注意義務を怠った指導教員にも重大な過失があるほか、出展に積極的に関わった大学にも責任があると主張。さらに、イベント会社「東京デザインウィーク」は主催者として入場者の安全を確保する義務を怠ったと訴えている。

 火災を巡っては昨年8月、学生2人が重過失致死傷罪で在宅起訴されたが、指導教員やイベント会社の社長らは不起訴になった。

 遺族側の弁護士は「学生だけでなく教員やイベント会社など、それぞれが責任を果たしていれば火災は起きなかった」と指摘する。

 この訴訟とは別に、イベント会社は今年1月、同大を相手取り約2億6300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴。大学側に火気に注意するよう求めたにもかかわらず火災を発生させてイベントが中止になったなどと主張している。

 大学側の弁護士は取材に答えず、イベント会社の弁護士は「いずれの訴訟についても、誠意をもって対応していく」としている。(新屋絵理)

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