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米国の食肉価格高騰、来年まで続く恐れ-コロナ禍で供給混乱

  • Tボーンステーキは前年比13%上昇、牛肩ひき肉は28%値上がり
  • 「供給はかなり急速に減少している」-小売業者

米国ではTボーンステーキ肉の値段が昨年より13%上昇し、1ポンド(約454グラム)当たり7.47ドル(約800円)。牛肩ひき肉は28%、ポークソーセージなどは13%のそれぞれ値上がりだ。米国で肉を食べる市民にとってこれが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下での新たな現実だ。

  トランプ大統領は感染拡大を受けて休業する食肉加工施設に操業再開を命じたが、社会的距離を保つ措置の影響で食肉処理場の生産率は低迷中。パーデュー米農務長官は、工場が稼働を再開した後も生産量不足は最大15%に及ぶ可能性があると予想した。

  マクガイアウッズ・コンサルティングのシニアバイスプレジデント、ライアン・バーンスタイン氏は「影響は今見えるが、将来的にも一時的な急上昇は予想される。2021年までこの状態は続く可能性がある」と話す。

  米国の食肉供給網の混乱はわずか1カ月で生じた。4月上旬に始まった主要食肉処理工場の閉鎖は十数件だけだったものの、生産者を相当圧迫し、対応策はほとんどなかった。食料品店の棚は空になり、農家は何万もの家畜の殺処分を余儀なくされた。

  カリフォルニア州レディングにあるR&Rクオリティー・ミート・アンド・シーフードのリテールマネジャー、C・J・レフォート氏は、「供給がかなり急速に減少している」と述べ、一部商品で仕入価格が数週間前の2倍に値上がりしたと指摘。顧客への価格転嫁を抑えているが、それをいつまで続けられるかは分からないと語った。

原題:
Get Used to Expensive Meat With Supply Woes Lasting All Year(抜粋)

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