富士フイルムホールディングスは1日、米マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の財団などが立ち上げた新型コロナ治療薬の開発プロジェクトから薬の製造を受託したと発表した。バイオ医薬品の一種である抗体医薬品をつくり、2021年以降に量産を目指す。
ゲイツ氏のビル&メリンダ・ゲイツ財団は、英ウェルカム財団や米クレジットカード大手のマスターカードと新型コロナ治療薬の開発を後押しするプロジェクトを立ち上げ、製薬会社の開発を支援している。富士フイルムは薬の量産技術を開発する生産プロセスや薬の製造を受託する。
富士フイルムによると「薬の詳細や、製造を開始する時期は未定」という。同プロジェクトは富士フイルム子会社のデンマーク拠点の生産設備の2~3割を21年から数年にわたって確保し、すぐ量産に入れる体制をとる。
富士フイルムはバイオ医薬品の製造受託で世界シェアの2位グループに入る。デンマークの拠点は19年に米バイオ医薬品大手バイオジェンから約940億円で買収した。
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