STD(性感染症)検査
「STD(性病・性感染症)」とは、性行為により感染する病気のことです。症状を感じにくいものもあるため、感染して気づかないでいると、知らない間に体がむしばまれていきます。“STD”は、“Sexually Transmitted Diseases”の頭文字をとったものです。(STIと呼ばれることもあります)
当院の特徴
- 当院では保険診療と自費診療の区別をつけています。
- 当院で検査可能な疾患:淋菌・クラミジア、梅毒、B型肝炎,C型肝炎、HIV
- 結果が出るまでの所要日数:およそ2~5日 1週間程度してから来院を勧めております。
- 治療:有症状の場合、検査提出をしながら、治療を開始することがあります。治療後に治癒確認の検査も勧めております。
誰にでも関係のある病気です
一昔前までは、「性病・性感染症」というと、一般の人には関係の無い、風俗街の病気、というようなイメージでとらえられていました。しかし今日では、ごく普通のカップルの間でも広がっています。性行為は、私たちが生きていくための大切な行為です。だからこそ性感染症は、私たちの誰にでも関係のある病気なのです。
「特定のパートナーとだけ」だからと、安心はできません
たった一人の相手でも、過去のパートナー、さらにそのパートナーが感染していないかまでは分かりません。その中の誰か一人でも感染している人がいれば、感染の可能性はあります。性感染症は、誰にでも関係のある病気なのです。
若者に限らず、中高年の間でもSTDの感染が広がっています
最近は性経験の低年齢化に伴い、高校生の間でもSTD感染が広がりつつあります。
また、近年の高齢化社会においては、年齢を重ねてもセックスを前向きに楽しめるようになっており、中高年でも感染率が高くなっています。
STDは感染症の一種です
感染症は、細菌、ウイルスなどの病原体が体内に侵入し、増えることで引き起こされる病気のことです。
STDの感染経路について
STD(性病・性感染症)の感染経路は、「性行為」です。性行為以外の日常生活では感染しません。
- セックス
- アナルセックス
- オーラルセックス
STD(性病・性感染症)は、感染している人との性行為により感染します。病原菌を含む精液、腟分泌液、血液などが、口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染がおこります。
STDは日常生活では感染しません
- 回し飲み
- 握手
- お風呂など
性行為以外の日常生活においては通常感染しません。また「感染する」ものであり、自然発生することはありません。
- 感染している人とお風呂に入ったらうつる?
- 不潔にしていたら性感染症になる?
- マスターベーションで性感染症になる?
いいえ。
STDの病原菌は単独で生きのびることができません。
そのため、性行為以外では通常感染することはありません。また、不潔にしているから、マスターベーションをしたからといって自然発生することもありません。
STDには、様々な種類があります
ひとくちにSTD(性病・性感染症)といっても、症状がでる箇所や感染する部位にもいろいろあります。
尿道や腟の病気
- クラミジア
- 淋病
- トリコモナス
- カンジダ
- 非クラミジア性非淋菌性尿道炎
- 細菌性膣症
- 高リスク型HPV
喉にも感染します
- クラミジア
- 淋病
イボやデキモノ・皮膚の病気
- 梅毒
- ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
- ケジラミ症
- 疥癬
- 軟性下疳
- 正規伝染性軟属腫(ミズイボ)
全身の不調
- HIV感染症
- A型肝炎
- B型肝炎
- C型肝炎
- 赤痢アメーバ症
- 成人T細胞白血病
なぜ気をつけないといけないの?
症状が無くても進行します
STDの中には、症状が出にくいものもあります。しかし、症状が無い潜伏期間であっても病気は進行し、パートナーにうつしてしまう可能性があります。
不妊症の原因に
男女ともに、不妊症の原因になることがあります。また、妊婦さんの場合、流産や早産の原因になることがあるので、産婦人科できちんと治療することが大切です。
子どもに感染します
出産時に感染の可能性があります。子どもに感染すると、肺炎や失明の原因になったり、死にいたることもあります。妊娠したら、必ず妊婦健診を受けましょう。また、乳幼児は免疫力が弱いため、口うつしなどによって感染する可能性があるといわれています。
HIVに感染しやすい!?
STDにかかっていると、HIV(エイズウイルス)に感染する可能性が通常より3~5 倍高くなるといわれています。なぜなら、STDにかかっていると粘膜が炎症を起こした状態になり、抵抗力が落ちて細菌やウイルスが侵入しやすくなるからです。
各STDの潜伏期間
| 病名 | 感染してから症状が出るまで | おおよその治療期間 | 症状 |
| 淋病 ( 咽頭の感染も含む) 詳しくはこちら |
2~7日程度 | 最低1週間 | オーラルセックスによってうつることが多い性感染症。感染すると、男性は排尿の際に痛みが走り、濃い黄色の膿が出る。女性はおりものが多くなるものの、通常は痛みを感じることはない。感染に気がつきにくいため、注意が必要。 |
| クラミジア ( 咽頭の感染も含む) 詳しくはこちら |
1~4週間程度 | 最低2週間 | 感染する可能性が非常に高い性感染症。感染すると、男性は尿道にむずがゆさをおぼえるようになる。女性は帯下が増えて腹痛を起こしやすくなるものの、感染に気づかないケースが多い。そのため、早期に発見することが重要となる。 |
| 梅毒 (第1期・第2期)詳しくはこちら |
3週間~3ヶ月程度 | 2~3ヶ月程度 | 皮ふや粘膜の小さな傷から、トレポネーマという病原菌が侵入することで発症する性感染症。第1期は性器に痛みをともなわない硬いしこりができ、第2期になると全身(特に手足)に小さな斑点が多数出てくる。男女とも症状が出ないタイプがあり、この場合は専用の血液検査で判明することが多いようである。 |
| B型肝炎 (第1期・第2期)詳しくはこちら |
1~6ヶ月程度 | 2~3ヶ月程度 | B型肝炎ウイルスの感染によって発症する。ワクチンによって予防できる性感染症。発病の初期は体がだるく、吐き気や頭痛、尿の色が濃くなるなどの症状が出る。全身に黄疸が出るようであれば入院が必要で、尿は更に濃褐色になり、醤油のような色になる。 |
| HIV 詳しくはこちら |
3ヶ月~数年程度 | 薬剤開発中 | ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が免疫細胞を破壊し、免疫不全を起こす病気。HIVに感染してAIDSが発症するまでは、健康保菌者(キャリアー)になるだけで、外観上は健康な状態と変わらない。しかし一度発症すると、急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢などの症状が続き、数年で死に至ることもある。 |
クラミジア:1~3週間
クラミジアの男性性器への感染の場合、感染してから1~3週間くらいで尿道炎の症状が出ると言われています。尿道の痒みや不快感、排尿時の軽い痛みなどの症状があります。膿も出ますが、さらさらして量は少なめです。
淋菌よりも潜伏期間が長く、発症は緩やかです。
ただし、これは症状が出た場合の話。クラミジアの特徴は、「症状を感じにくいこと」です。感染している人の8割ほどが症状を感じないと言われています。また、咽頭(のど)への感染の場合も症状はほとんど出ません。
症状が出なければ、感染に気づかないので、受診が遅れます。そうなると、気づかないままパートナーにうつしてしまうことも。
また、例えばカップルの一方だけが陽性になった時、浮気を疑ってしまいがちですが、実は前のパートナーから感染していたのに、症状がなくて気づいてなかっただけ、なんてことも考えられます。
淋病:2~7日(男性性器への感染)
淋菌の男性性器への感染の場合、2~7日後から排尿痛や膿などの症状が出ます。
クラミジアよりも潜伏期間は短く、症状も強いため、受診に繋がりやすいのですが、人によっては淋菌もやはり症状が出ない場合があります。そして、女性は男性よりも症状が出にくく、潜伏期間ははっきりとしません。
非クラミジア性非淋菌性尿道炎:1~5週間
非クラミジア性非淋菌性尿道炎は、様々な原因菌が考えられるのですが、一般的に潜伏期間は1~5週間とされます。 膿がでたり、排尿時の痛みや尿道のかゆみといった症状で、クラミジアや淋菌の症状と似ています。比較的緩やかな症状です。
腟トリコモナス症:5~28日
トリコモナスに感染すると、5~28日後くらいから、あわ状の悪臭の強いおりものがでたり、外陰部や腟の痛み・かゆみが出ます。
トリコモナスも、感染している女性の20~50%は症状を感じないと言われています。
性器ヘルペス:2~10日
性器ヘルペスは感染してから2~10日後、ちいさなぶつぶつ、水ぶくれができて痒くなります。
ただ、感染した時は無症状で、その後何かのきっかけで身体の免疫力が落ちた時にウイルスが活性化して症状が出ることもあります。
梅毒:10~90日(平均21日)
梅毒に感染してから最初の症状が出るまでの期間は、約3週間(21日後頃)と言われています。
ただし、これはあくまで平均的な潜伏期間であり、早い場合は感染10日後から症状がでることもありますし、90日たってやっと症状が出ることもあります。
また、梅毒は症状が出たり消えたりするのも特徴です。最初の症状(第1期梅毒)は2~3週間で自然に消え、そのまま放置すると3ヵ月後頃に症状があらわれます(第2期梅毒)。
第1期の症状は見逃されることも多いため、「最初に感じた症状が第2期だった」ということもよくあります。
梅毒に感染してから最初の症状が出るまでの期間は、約3週間(21日後頃)と言われています。
ただし、これはあくまで平均的な潜伏期間であり、早い場合は感染10日後から症状がでることもありますし、90日たってやっと症状が出ることもあります。
また、梅毒は症状が出たり消えたりするのも特徴です。最初の症状(第1期梅毒)は2~3週間で自然に消え、そのまま放置すると3ヵ月後頃に症状があらわれます(第2期梅毒)。
第1期の症状は見逃されることも多いため、「最初に感じた症状が第2期だった」ということもよくあります。
HIV:2週間(初期症状)
HIVに感染してから2週間後くらいに発熱などインフルエンザのような症状が出る場合がありますが、何かの体調不良か?と思ってしまい、気づかないケースも多いです。
そしてその後は、数年~10年ほど症状のない期間が続き、検査や治療を受けなければエイズを発症します。
「潜伏期間でも検査はできますか?」
よく混同されるのですが、「潜伏期間」と「検査ができる時期」は、全く別のものです。
潜伏期間は、感染してから症状が現れるまでの期間。症状は出ていなくても、病原菌は身体に存在しています。
よって、「病原菌そのものの存在を調べるタイプの検査」であれば、潜伏期間でも(症状が無くても)正しい結果が出ます。クラミジアや淋菌、トリコモナスなどの「抗原検査」「PCR検査」などと呼ばれる検査がこれに該当します。
一方、「検査できる時期」ですが、これは、主に血液検査を受けるときに知っておいてほしい期間です。
性病・性感染症の検査項目において、HIVや梅毒の血液検査は、血液中の「抗体」を調べます。
「抗体」は、病原菌が体内に侵入してきたときに身体が反応して作られる物質なのですが、この抗体が作られるのに、時間がかかるのです。
検査の種類や個人差によってその期間はまちまちですが、概ね1ヵ月以上はかかります。
そのため、例えば「昨日感染の機会があり、心配になって今日検査を受けました」となると、感染していても抗体がまだできていないので、陰性(-)の結果が出てしまいます。
下の図の通り、HIV・梅毒・B型肝炎の検査の場合、正しい結果を得るには感染の機会から短くとも1ヵ月以降、感染していないことが確実にわかるのは3ヵ月以降となります。
性病の特徴は「症状が無い」こと
今回、いろいろなSTDの潜伏期間をまとめてみましたが、覚えておきたいのは、これはあくまで目安、ということです。
気になる行為のあと、潜伏期間を過ぎても症状が出なかったから安心、ということではありません。
性病の種類によっては、症状が出ないことの方が多いのです。
そのため、感染に気づかずに長く放置してしまうケースもよくあります。
しかも、症状がなくても病気は進んでいきますし、感染力はあるのでパートナーに感染させてしまいます。
そんな厄介な病気ですが、「予防と検査で防げること」もぜひ覚えておいてください。
STD(性病・性感染症)は、コンドームなどの簡単な方法で防ぐことができます。また、検査で感染に早く気づき、早く治療すれば、自分だけでなく、パートナーの体も守ることができます。
ぜひ普段からの予防と定期的な検査を心がけてくださいね。