センテンスごとに学ぶ
boostは「引き上げる」です。
even though ...は「~にもかかわらず」です。
the coronavirusは、new corona virus「新型コロナウイルス」のことです。
句動詞break outは、戦争、疫病など好ましくないものや不快なものが「突然始まって広がる」という意味ですが、名詞形のoutbreakは「勃発、疫病などの突発的な発生」です。coronavirus outbreakは「コロナウイルスの大流行」です。
curbは「抑制する」です。本文ではdemand「需要」を目的語にしていますが、一般的には何か好ましくないものを目的語に取ることが多く、curb rowdy behavior「乱暴な行動を抑え込む」、curb the spread of the contagion「感染の広がりを食い止める」、curb global warming「地球温暖化を抑止する」のように使われます。またセンテンス7には、curb confusion「混乱を抑える」が出てきます。
fail to ...は「~に失敗する、~し損なう、~できない、(本来はすべき~を)しない」で、その名詞形がfailure「できないこと、しないこと」です。failure to agree on cutting outputは「減産について合意できなかったこと」です。
OPECは、Organization of the Petroleum Exporting Countries「石油輸出国機構」の略です。OPECのように頭文字を取って1語として発音するものを、acronym「頭字語」といいます。UNESCO(United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)「国連教育科学文化機関、ユネスコ」や、NASA(National Aeronautics and Space Administration)「米航空宇宙局」もacronymです。
センテンス1に出てきたboostの反対の意味で、cut「減らす、引き下げる」が使われています。
3月頭、サウジアラビア主導のOPEC=石油輸出国機構とロシアなど主要な産油国は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた世界的な経済の停滞による原油の需要の落ち込みに対応するため、格を維持するための生産調整を協議しましたが、決裂しました。
state-ownedは「国が持っている、国有の」です。state-owned landなら「国有地」、state-owned forestなら「国有林」です。
センテンス1の boostの言い換えとして、ここでは increase「増やす」を使っています。
sharply increase supplyは「供給を急激に増やす」です。現在の日量970万バレル程度を一気に1,230万バレルまで増やすということから、sharply「急激に」を使っています。この日量はサウジアラビアの最大生産能力です。
barrel「バレル」は液体量の単位で、原油の1 barrelはおよそ159リットルです。かつては原油をたる(barrel)に入れて運んでいたので、この単位が使われています。1866年、当時、石油生産で世界をリードしていたペンシルベニアで、石油42 gallons(ガロン)を1 barrelとすることが決まりました。
センテンス1のboost、センテンス3のincreaseをさらに言い換えて、本文ではraiseを使っています。raiseは、他動詞で「持ち上げる、引き上げる」です。自動詞のrise「上がる、上昇する」と混同しやすいので注意しましょう。
byは、変動の幅を表す前置詞です。up to ...は「最大~、~まで」です。ですから、by up to 300,000は「(絶対量ではなく)引き上げ幅が最大で30万バレル」ということです。ロシアの日量も1,000万バレルを超えています。
in the short termは「短期的に」です。
in the long termは「長期的に」で、in the medium-to-long termは「中長期的に」です。ハイフンでつないで形容詞として使うこともできます。例えば、long-term prospectなら「長期展望」です。
half a millionは「100万の半分」、つまり「50万」です。
hikeは、名詞では「引き上げ」です。tax hikeなら「増税」、wage hikeなら「賃上げ」です。「引き上げる」という意味の動詞としても使います。
wouldが使われているのは、「もし発表どおりに増産が行われたら」という仮定のニュアンスを含むためです。
equivalent to ...は「~に相当する、~に等しい」です。
the movesは、サウジアラビアとロシアの増産への動きを指しています。
stokeは「かきたてる、あおる」で、anger「怒り」、envy「嫉妬心」、fear「不安」など負の感情を目的語に取ります。
2017年のエネルギー白書によりますと、1日あたりの原油生産量の上位3か国は、アメリカ、サウジアラビア、ロシアです。
producerは「生産者、生産業者」という意味で使うこともありますが、ここでは「生産国」で、oil producerは「産油国」です。同じように、importer「輸入業者」やexporter「輸出業者」は、それぞれ「輸入国」「輸出国」という意味でも使います。「石油輸入国」なら、oil importerと表現できます。
call for ...は「~を要請する」です。
OPECと非加盟の産油国との協議が決裂し、3年前から続いてきた協調減産の体制が崩れたことを受けて、renewed cooperation「新たな協調」と表現しています。
センテンス7に出てきた、renewed cooperation「新たな協調」を呼びかけているoil producer「産油国」のひとつがイラクです。
triggerは名詞では「銃の引き金」ですが、ここでは動詞で「引き金を引く」、転じて「引き起こす」という意味です。目的語には通常、好ましくない事態がきます。
ここでのplungeは「急降下、大幅な下落」です。take a plunge into ...「~に飛び込む」や、take the plunge「思い切ってやってみる」という成句もあります。動詞としては「(物理的に)急降下する、飛び込む、(数、価格、数値、温度などが)急落する、急に低下する」という意味で使われます。
inflict A on Bは「BにAを負わせる、課す」です。Aには、打撃、苦痛、害、負担、刑罰などが入ります。本文では、economic harm「経済的な損害」です。