音MAD合作の音声まとめ(マスタリング)について
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音MAD合作の音声まとめ(マスタリング)について

2016-04-26 20:00

    ▼はじめに 
    この手法は「小綺麗な音MAD」を作るために必要なものとなるものです。
    ぶっちゃけいらないです。

    普通にやる分には音量調整したトラックを並べてマスターにマキシマイザー挿して程よく音圧稼いで終わりでいいです。

    あと文章が滅茶苦茶読みづらいです。お許し下さい!


    補足:音MADにおける「音圧」という言葉の意味について



    ▼マスタリングって何? 

    まず第一に、単品と合作におけるマスタリングは若干意味合いが異なります。

    単品におけるマスタリングは「ミキシング終了後の最後の微調整」です。
    合作におけるマスタリングは「音圧を整える作業」です。

    ※個人的な感覚です。


    ▼単品製作時のマスタリングについて 
    これは基本的に個人で行うものなので何をどうやっても自由です。
    音圧を稼ぐためにコンプをマックスまで振り切ったり、マスターにYOU WA SHOCK!を指したり、音割れさせても問題ありません。

    ただ一般的には「EQで音を整える」「コンプやリミッター、マキシマイザー等で音像が壊れない程度に音圧を稼ぐ」くらいの工程だと思います。


    ▼合作の音声まとめ時のマスタリングについて 
    本題。注意する点は4点です。

    ・「原曲入りの音声」と「原曲抜きの音声」を両方提出してもらう

    ・音声は必ず「マスターにリミッター等のエフェクターが刺さっておらず、音割れのしていないもの」を提出してもらう
    ↑マスター以外に挿す分には問題無いです

    ・提出された音声を出来るだけそのまま聴こえるように音圧を上げる

    ・明らかにバランスが狂っている音声にはリテイクの指示を出すか、ガッツリ調整したものを提出者に確認してもらう

    1つずつ追っていきましょう。


    ・「原曲入りの音声」と「原曲抜きの音声」を両方提出してもらう 
    これは既に文化として根付いているので特に問題ないと思います。原曲入りの音声と同じものが出来るように調整するためです。

    ・音声は必ず「マスターにリミッター等のエフェクターが刺さっておらず、音割れのしていないもの」を提出してもらう 
    これも大前提として必要になる部分のものです。
    一度潰して整えた音を改めて潰そうとすると、十分な音圧が稼ぎづらくなる上に音質的な面でも劣化します。
    音割れさえして無ければ音量は幾つでも構いませんが、ピーク時で-6db~-3db程度に収まるようにしてもらうのが一般的です。

    ・提出された音声を出来るだけそのまま聴こえるように音圧を上げる 
    マスタリングというとなんだか大層なワードに聞こえますが、「音声まとめ」の名の通り基本的には音声を纏めるだけです。変にエフェクトを追加したりすることなく、元の音声を元のまま聴こえるように音圧を上げましょう。

    ただ合作の性質上、前後パートで極端に音のバランスに差があると落差が激しくなってしまうので、そういう狙いがある訳でも無ければ程よく調整しましょう。
    この辺りのバランスを取るのは中々難しいので、パート担当者に直接「低域少し持ち上げても大丈夫ですか」等相談してみるのも手かもしれません。

    「コンプを掛けたら低音or高音が元音声よりも大きく聴こえるようになった」、「コンプを掛けたら音が潰れすぎてしまい変に聴こえるようになった」等のことが起こりうるので音圧の上げすぎには注意しましょう。前者はEQで調整出来ますが、後者は道具と技術が無いとどうしようもないです。

    ・明らかにバランスが狂っている音声にはリテイクの指示を出すか、ガッツリ調整したものを提出者に確認してもらう 
    音MAD的には一番起こりうる問題です。
    どの帯域もしっかりと音が出ている状態が一番音圧が稼ぎやすいのですが、逆に言うと極端に偏った状態だとどうしても音が歪みやすくなってしまいます。
    基本的にはその状態のまま音声を纏められるのが理想ですが、厳しいようであれば提出者にリテイクの指示を出すか、それも難しいようであればまとめ側で調整を行ってしまうのが良いでしょう。




    ▼マスタリングの具体的な手順について 
    上記の点を注意した上でマスタリングを行ってみましょう。画像は用意するのが面倒だったのでナシです。

    1. 原曲をトラックに載せる
    2. 提出された音声をそれぞれ別トラックに載せる(当然ズレの無いように)j
    3. ザックリと音量を整える(トラックのボリュームバーは0dBで固定しておき、アイテム自体の音量を調整すると良いです)
    4. トラック毎に音圧を整える
      ※原曲入りの音声=提出者が本来意図したバランスを意識して調整していきます。
    5. おわり

    ※4/26 20:14追記
    当然マスターにもリミッターは挿しておきます


    ▼どうやって音圧整えるんだよ! 
    上記の4つ目の工程についてもう少し深掘りしてみましょう。

    大体の流れは以下のURLを参照して頂きたいです。大変わかり易く書いてあります。
    個人で出来るマスタリングのやり方

    自分の場合だと、
    「EQで微調整」→「コンプで軽く潰す」→「リミッターで音圧を稼ぐ」→「EQで再調整(省略可)」→「音割れしないように保険としてリミッターを挿しておく(前工程を省略した場合はナシ)」
    といった風にやることが多いです。


    それに加えて。

    とりあえず以下の2つのモノを導入してください。上のはスペアナ、下のはエフェクターバンドルです。
    Voxengo SPAN http://www.voxengo.com/product/span/
    MFreeEffectsBundle http://icon.jp/archives/7619

    ・Voxengo SPAN 
    スペクトラム・アナライザー。マスターに挿して使います。音の周波数分布を可視化出来るツールです。マスタリングをする際にはスペアナを常時表示させておきましょう。

    Voxengo SPANというスペアナは特殊で、デフォルトの状態だと1オクターブ高くなるごとに実測値よりも4.5dB大きく表示されるようになっています。
    このVSTの素晴らしい点がこれで、「波形がまっ平らに表示されていれば音圧を稼ぐ上でベストな状態」という凄く視覚的に分かりやすいスペアナとなっています。

    この機能自体は音声纏め的には必ず必要という訳ではありませんが、音圧を上げる過程で音のバランスが崩れた際などにひと目で分かるのでとりあえずマスターに挿しておきましょう。

    ・MFreeEffectsBundle  
    もう既に各種エフェクターを持っていたら無理に使う必要は無いです。EQやコンプ、リミッター等必要な物は一通り入っているので持って無ければこちらを。

    ・MLoudnessAnalyzer 
    上のバンドル内に収録されているラウドネスメーター。マスターに挿して使います。音圧を可視化出来るツールです。
    大事なことなのでもう一度言います。音圧を可視化出来るツールです。

    音圧を可視化出来るということは、極端な話このメーターさえ見れば音声すら聴かずに音圧を整えることが可能となる訳です。実際は耳で聞いてみると数値の割に煩かったりもするので参考程度にと言った感じですが、間違いなく助けになるはずです。
    音MAD的には、数値で言うとSHORT-TERMの値でピーク時に18LUくらいにまで行ってると「音圧の高い」状態になっていると思います。




    ▼オマケ:ラウドネスなんたらとか使わないでもSPANのRMSでいいんじゃ? 
    ちょっとコアな話です。何言ってるか分かる位の人なら調べればすぐ分かるのでザックリ書くと、「RMSよりもLoudnessの方が新しい規格であり、精度が高い」です。以下URL辺りを参考に。

    ダイナミック・レンジとメータの話:Studio Gyokimae http://pspunch.com/pd/article/dr_meter/


    ▼オマケ:MS処理について 
    MS処理とは音の成分を中央(Mid)と左右(Side)に分けて行う処理のことです。音圧が上がります。
    しかしながら、提出者によって製法や品質に極端なバラつきのある音MADでこれをやると間違いなくハゲるのでやらない方がいいです。
    「モノラル音声を使用してエフェクトも特に掛けずに制作された音声」なんかはそもそもSide成分がないので使いようがありません。たぶん。


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