「攻殻機動隊 SAC_2045」とは何なのか 神山×荒牧両監督へのインタビューから浮かび上がった“攻殻機動隊”

 あれもハイテクがあるからこそ起きた事件ですけど、事件そのものはものすごく人間の根源的なこと、いわば、ただの“出会い”を描いている気がしました。知ることで起きる化学反応はコミュニケーションの普遍的な部分ですから。それをテクノロジーだったり、SF的な要素を入れたりして描くことで、よりトラディショナルなものが描けるんじゃないかというのがS.A.C.を最初に作ったときに思ったことです。

 いろいろな人が作ってきた攻殻機動隊の正体は何なのかをひもといていくと、“全体と個人”なのかなと。全体は社会や時代、そこで個人がどう生きていくべきか、どう踏ん張ったか、そういう根源的なことを描くことがもしかしたら攻殻機動隊の正体なのではないかと思いますし、そこは今作でもやらなきゃとは思いました。

荒牧 士郎さんの原作は紛れもないサイバーパンクだけど、現実がどんどんそれに近づいてくると、例えば電脳って要はスマホが頭に入っているようなものと描けば分かりやすくなった。でも、分かりやすくなった分、未来感はどんどんなくなってきた。では例えば、街のルックをサイバーパンク風にすればよいのかというと、現実にはそうはなってないわけで、それをやってもしょうがない。そうならないギリギリのラインを悩みながらやったので、結果的にそれが攻殻機動隊だと思っていただけるなら心強いですね。

●意識の転換が起こっている――シンギュラリティとは

―― ファンタジーに逃げず向き合う、といったところでしょうか。では、少し話を変えますが、お二人はシンギュラリティについてはどう思われますか? タイトルにもなっている2045はいわゆるシンギュラリティが起こるとされる「2045年問題」を指していて、今作はそこにも向き合おうとしている印象です。

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2020年4月23日の芸能総合記事

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